「V12エンジン搭載の初代BMW850iをスタンス仕様へ」オーナーの20年越しの想いが結実!

不動車からのレストアで純ショーカーの850iを製作!

各部に拘りが詰まった大技満載のスタンス仕様!

元々は3年前に不動だった状態から仕上げたというこの超大作。ベースは言わずと知れた名車の初代BMW850iだが、オーナーはこのマシンに並々ならぬ拘りがあるという。

「昔、20年以上前の若い頃に無理して乗ってたクルマなの。本当によく壊れたよ(笑)。お金が無いから、それを自分で修理しているうちにメカニックとか鈑金のスキルが身に付いて…それが今の仕事(鈑金業)になった感じです。色々な事情で手放したけど、ずっと好きなクルマで。たまたま不動車が手に入ることになったから、そこからコツコツ作ってますよ」とはオーナー。

自身の人生に大きく影響を及ぼした存在を再び手に入れ、成長したカスタムテクニックを駆使しながらモディファイを続けているというわけだ。そんなオーナーの想いが込められた相棒のボディワークは非常にハイレベル。まずフロントセクションは、社外のリップスポイラーを装着してスムージング処理。ボリューム感を与えながら、一体感のあるスマートなイメージへと仕上げている。

そしてこの850iのハイライトといえるフェンダーは、得意のメタルワークによって作り上げられたフロント片側30mm&リヤ片側70mmのワイド仕様となる。

かなり大胆なブリスターラインを描いているが、850i本来の美しいスタイリングが破綻しないように計算されているため、トータルフォルムに違和感は一切なし。実物を前にすると、そのボディラインの美しさには舌を巻く。

ホイールは前後ともにワークマイスターM1Rの19インチをセレクト。サイズはフロントが11Jマイナス35、リヤが12.5Jマイナス55という驚異的な深リムだ。ブレーキは現行6シリーズ用に販売されているブレンボキャリパーを前後に加工装着している。

極低車高の源となる足回りは、エアレックス製のエアサスで構築。聞けば、マークX用の車高調にエアバッグを溶接し、それを加工装着しているとのこと。「マイナー車だからね。そのまま付くパーツなんてないんですよ(笑)」とはオーナー。

エンジンは5.0LのV12ユニット。購入時は経年劣化でボロボロだったそうだが、時間をかけながら各部をリフレッシュ。樹脂パーツ類も年式を感じさせない輝きを見せる。チューニング内容は吸排気系のみのライトな仕様だが、この官能的なフィーリングをもたらすV12こそが、オーナーにとって850iに拘り続ける要素の一つなのだ。

インテリアはダッシュボードやセンターコンソール、ドア内張りパネルなどをベージュ素材で張り替え、センタートンネルをはじめとするフロア部は外装色と同じレッドのカーペットでリメイク。ハイエンドクーペに相応しい高級感を演出している。センターパネルにiPadの端末を埋め込んで、快適なデジタルオーディオ空間を構築している点も見逃せない。

往年のBMWが持つ重厚感に、当時のスーパーカーシルエットを併せたような独創的フォルムを有する850i。その希少性ゆえにカスタムベースとしては超レアだが、愛情を込めながら独自のセンスでここまで仕上げたオーナーの熱意には感服だ。

PHOTO:土屋勇人

●取材イベント:Street Wheelers Summer Session 2020