TCRサウス・アメリカ参戦に向け、新型『フィアット・ティーポTCR』が初テスト

 2021年に新たな大陸でのラウンチを予定するTCRサウス・アメリカ・シリーズに向け、アルゼンチンやチリ出身のドライバーが新型『フィアット・ティーポTCR』のテストを実施。イタリアに拠点を置くプライベーター、Tecnodom Sport(テクノドン・スポーツ)が2018年から開発、製作を続ける独自モデルの戦闘力とシリーズ参戦の可能性を試した。

 2020年4月にも本国イタリアで公開された新型『フィアット・ティーポTCR』は、2年間の開発熟成期間を経て、2020年シーズンのレース投入が予定されていた。

 当初の計画ではTCRの地域ホモロゲーションを取得して2018年にもTCRイタリア・シリーズに登場する予定だったが、直前になって非公開の開発作業を続行する決定が下され、ボディワーク、サスペンション、そしてエンジンなど主要機関のほぼ全域にわたるアップグレードを実施してきた。

 残るはTCRホモロゲーションの取得と、TCR規定マシン全車に課されるBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)テストへの参加のみとなっていたが、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症パンデミックの影響により、この2020年はプログラムが宙に浮くかたちとなっていた。

 ツーリングカー専門の情報サイト『TouringCarTimes.com』に対し、このテストでステアリングを握ったニコラス・ヴァロは「本当に良い経験だった。とても親切なもてなしと招待をしてくれたテクノドンと、TCRサウス・アメリカに感謝したい」とコメントした。

「僕にとっては完全に新しい経験、新しいマシンだった。これまではF3をドライブしてきたので、フロントドライブのツーリングカーは初体験だったし、その感触を知ることができて本当に楽しかった。心の底から楽しんだよ。現時点で、2020年や2021年のレース活動再開に向けたオプションを検討しているところだ」と続ける、アルゼンチン出身のヴァロ。

テストはTecnodom Sportの本拠地近郊にあるイタリアのタッツィオ・ヌボラーリ・サーキットで実施された
2018年から開発がアナウンスされていた新型『フィアット・ティーポTCR』は、昨季より新エンジニアや開発ドライバーにケビン・ジャコンを迎えるなど新体制となっている

■「最初の周回からとても良い感触だった」と好印象

 2020年のイギリスF3選手権にクリス・ディットマン・レーシングから参戦したヴァロとともに、テクノドン・スポーツの本拠地近郊にあるイタリアのタッツィオ・ヌボラーリ・サーキットでTCR車両のテストに臨んだチリ出身のベンジャミン・ハイテスも、今回が「前輪駆動ツーリングカーでの最初のアプローチにだったから、いつもとはまるで違うフィーリングに驚いたよ」と、その印象を語った。

「最初の周回からとても良い感触だった。そこから、ニコ(ニコラス・ヴァロ)のフィードバックを基に比較テストを始めたが、互いの意見はほとんど重なり僕も最初は同様の苦労を経験したよ」と2019年に北米のフェラーリ・チャレンジでランキング2位を獲得しているハイテス。

「そこからは、ふたりですべてのテレメトリーを確認し、あらゆる分野で改善していくことができた。今はGTワールドチャレンジでレースをしていて(AKKA ASP所属)それが最優先事項にはなるが、TCRサウス・アメリカは非常に興味深いシリーズだと捉えている」と続けたハイテス。

「テクノドン・スポーツは素晴らしいTCRツーリングカーを造り上げたことが理解できたし、見た目も本当にカッコいいね。アルゼンチンでは長年フィアット・ブランドとともにレースを戦っていたし、将来はTCRサウス・アメリカで同様にフィアットのマシンをドライブできたら光栄だ」

 テクノドン・スポーツはこの2020年シーズンに向け、WTCR世界ツーリングカー・カップ数戦へのワイルドカード枠エントリーや、TCRヨーロッパ・シリーズ、TCRイタリア・シリーズへの参戦計画を描いていたが、現時点で2021年の確定したプログラムはアナウンスされていない。

Tecnodom Sportはこの2020年シーズンに向け、WTCR世界ツーリングカー・カップ数戦へのワイルドカード枠エントリーや、TCRヨーロッパ・シリーズ、TCRイタリア・シリーズへの参戦計画を描いていた
アルゼンチン出身のニコラス・ヴァロ、チリ出身のベンジャミン・ハイテスともに、2021年のTCRサウス・アメリカ参戦を計画している