キャリアの終わりに近づく“トップアマ”のダラ・ラナ「WECは2デイ開催を導入すべき」

 WEC世界耐久選手権のLMGTEアマクラスに参戦するジェントルマン・ドライバーのポール・ダラ・ラナは、新型コロナウイルスの影響により、自身や他のアマチュアドライバーにとって、2021シーズンのプログラムを予測することは困難になっている、と語る。

 FIAのドライバーカテゴライゼーションではブロンズにレーテッドされる54歳のダラ・ラナは、アストンマーティン・レーシング98号車のオーナーでもある。WECでは現在6年連続でアストンマーティンとともにフルシーズンを戦う「トップアマ」のひとりで、2017年にはLMGTEアマクラスのタイトルも獲得している。

 ダラ・ラナは、2021年のモータースポーツ参戦計画を策定するにあたっては、急速に変化する世界情勢が影響するレース外のビジネスにおける利益の面から「チャレンジングになる」と説明する。

「私の心配は、極めて大きい影響が出てしまうことだ。レースへの挑戦はある種のぜいたく。その前に優先されるべきは家族の安全であり、ビジネスを守ることだ。現在、これらはチャレンジングな課題となっている」とダラ・ラナ。

「とはいえパドックで話をする限り、人々には若干の心配があるようだが、用心しながらも楽観的に構えているようだ。最終的にワクチンを手に入れられるまで、この挑戦は続くことになる」

「参戦計画を立てられないことは、ジェントルマンドライバーにとってはさらなる影響を与えるかもしれないね。すでに来季のスケジュールは調整中だが、断続的にものごとを進めたり、たびたび変更を強いられたりするのは難しい作業だよ」

「だが、人々は、我々がこの難局を乗り越えて日常を取り戻せると信じている。そしてそこにはレースが含まれる。それ以上の予測を立てることは困難だよ」

「さらに私についていえば、キャリアにおける衰退期に入ってもきている。そのタイミング(引き際)も、問題をさらに複雑にしているんだ」

 ダラ・ラナは2021年の活動についてはまだ決断を下していないと説明、それを決めるには「時間と見通し」が必要であると語る。

「私は毎年少しずつ、レースキャリアを積み上げてきた」とダラ・ラナ。

「いつもオフシーズンのあいだに一度立ち止まり、自分たちがどこにいるかを考えている。ここ数年私は絶えず挑戦し続けているように見えるかもしれないが、それは毎年毎年、続けるという選択をしてきた結果だ」

「もちろん、(オフのあと)またこの場には戻ってきたい。アストンマーティンとのパートナーシップは素晴らしかった。新しいクルマはファンタスティックだし、必要な物はすべてが与えられるという、特権的な立ち位置にもいる」

「だが、私は自分のキャリアと人生のなかで、レース以外で進めでいる事業などに関連して毎年いくつかの承認を得なければならない事柄があるんだ」

「過去数年、私はそう言いながらも毎年レースの舞台に戻ってきたから、過去を例とするのであればチャンスはある。けど、我々は実質的にふたつのスーパーシーズンを連続して戦ってきたからね。将来を考えるには、少しの時間と見通しが必要だよ」

アストンマーティン・レーシングの98号車アストンマーティン・バンテージAMR オーナードライバーのポール・ダラ・ラナ。
アストンマーティン・レーシングの98号車アストンマーティン・バンテージAMR オーナードライバーのポール・ダラ・ラナ。

 WECはチームの財政的負担軽減のため、2021年シーズンのカレンダーを、これまでの8戦から6戦へと減らす計画を明らかにしている

 これに関連しダラ・ラナは、GTEアマとLMP2というふたつのクラスに参戦するアマチュア・ドライバーの参戦ハードルを下げるため、WECが「よりタイトで短いシリーズ」になることを熱望する。

「(2021年は)さまざまな契約が難しい年になるだろう。いまはもう8月だし、しかも15カ月におよぶシーズンの真っ只中だ。来季の計画を立てるのは難しい」とダラ・ラナ。

「私はELMS(ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ)に感動した。最近のそこでの経験からいえば、イベントは2デイで充分だ。3日または4日のイベントを正当化する根拠は、もはやどこにもない」

「WECについても、2デイの週末を(カレンダーのなかで)1〜2回設定すれば、少し引き締めることができるだろう。これは実行可能なことだ」

「現在までの変化を考えるに、誰もがこれまで経験したことがないような状況となるであろう2021年については、はっきり見えてこない。まずはそれを正しく把握することが、私の決断にとって重要になるだろう」