【気になる一言】投資会社の背後にエクレストンの噂。ウイリアムズ副代表は「バーニーは新オーナーではない」と否定

 第7戦ベルギーGPが開幕する1週間前の8月21日(金)、ウイリアムズが、アメリカに本社を置く民間投資会社『ドリルトン・キャピタル』に買収されたことを発表した。

 ウイリアムズの副代表を務めるクレア・ウイリアムズが出席した1週間後のベルギーGPの金曜日会見は、売却発表後、初めてウイリアムズの関係者が口を開く機会となった。

 メディアが疑問視しているのは、ニューヨークに本拠地を置くドリルトン・キャピタルという会社についてだ。というのも、あるメディアがドリルトン・キャピタルのウェブサイトを調べたところ、その実態は家族経営の会社であり、実際の資金があるわけではなく、ファンドの管理をしているにすぎないことがわかったからだ。その点を指摘されたクレアは、「それはわかっています」と事実を認めた。

 すると別の記者がドリルトン・キャピタルとの交渉のプロセスをもう少し教えてくれないかと質問した。クレアはこう答えた。

「先ほどお話ししたように、4月から5月にかけて話し合いは始まりました。この期間に(ドリルトン・キャピタル以外にも)我々に興味を持つかなりの数の関係者と話し合いを行いました。これはこのスポーツに多くの人々が関心を寄せている証拠です。また2022年以降に施行される新しいレギュレーションも私たちにとっては助けになりました」

「ただ、我々に興味を持った入札者のすべてが、その後アプローチしてきたわけではありません。そんななか、真剣な交渉相手として最初にわれわれにアプローチしてきたのが、ドリルトン・キャピタルでした」

 しかし、この回答でもドリルトン・キャピタルがどんな会社が一向に理解できないため、さらに質問が続いた。

「クレア、取引が完了したので、基本的にはドリルトン・キャピタルがウイリアムズの筆頭株主であることはわかりました。では、他に残っている株主はいますか? たとえばブラッド・ホリンガー、トト・ウォルフはどうですか? また、ドリルトン・キャピタルの背後にいるのは誰ですか?」

 ブラッド・ホリンガーとは、医療関係の事業が専門のアメリカ人で、ニック・ローズ、エディ・チャールトンに続いて、3人目のノン・エグゼクティブ・ディレクターとしてウイリアムズに加入。2015年にはトト・ウォルフが最後まで保有していたウイリアムズの株式5%を買い取り、持ち株比率を15%としてウイリアムズの第2位株主となった人物である。

 するとクレアは、最初の質問に対しては、「いいえ、ほかに株式を持っている者はいません。ドリルトン・キャピタルはウイリアムズの持ち株をすべて購入したので、彼らが100%の所有者です」とキッパリと言い切ったものの、ふたつ目の「ドリルトン・キャピタルの背後にいるのは誰か?」という質問には、「申し訳ありませんが、2番目の質問についてコメントすることはできません」と口をつぐんだ。

 それが、メディアの間でさまざまな憶測を生むこととなる。というのも、ドリルトン・キャピタルとウイリアムズは、『BCE』と呼ばれる投資会社を通じて取引を行っていたからだ。これは、偶然にもバーニー・エクレストンの正式名である『バーナード・チャールズ・エクレストン』の頭文字だ。ドリルトン・キャピタルの背後にいるのはバーニーなのだろうか?

 するとクレアは笑って「その記事は私も見ました」と言い、こう続けた。

「それで先週の初めにエクレストン氏に、『背後にいるのはあなたなの?』と尋ねました……というのは冗談ですが、バーニーは私たちの新しいオーナーとは何の関係もありません。ドリルトン・キャピタルは完全に独立した会社です。バーニーはウイリアムズの新しいオーナーではありません」

「オーナーは変わりましたが、私はここにいますし、自分の役職である副チーム代表の仕事を続けます。そして、私の父はまだチームの代表のままです。それ以上のことは、いまはお話しできません」

 いったい、ドリルトン・キャピタルとは何者なのか。その背後にいるのは、だれなのか。ちなみにウイリアムズの本拠地であるグローブのファクトリーもそのままで、移転の計画はない。

クレア・ウイリアムズ(ウイリアムズ 副チーム代表)
2020年F1第7戦ベルギーGP金曜会見 クレア・ウイリアムズ(ウイリアムズ 副チーム代表)
ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)
2020年F1第7戦ベルギーGP ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)
ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)
2020年F1第7戦ベルギーGP ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)