ホンダF1田辺TD会見:パワーユニットが勝敗を大きく左右する3連戦。スパ・ウェザーへの対応は「実力が試される」

 スパ・フランコルシャン、モンツァ、ムジェロと続く3連戦は、いずれもパワーユニット(PU)の優劣が勝敗を大きく左右するサーキットでの戦いとなる。さらに今週末の第7戦ベルギーGPは低い気温と変わりやすい天候が予想され、「突然の天候変化にきちんと対応できるかどうかで、チームの実力が試される」と、ホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクターは言う。

 また佐藤琢磨選手の2度目のインディ500優勝については、F1とインディカーシリーズの両方で一緒に戦ってきた経験から、佐藤選手の強さの秘密を語ってくれた。

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──前回の3連戦が終わって1週間ほど空きましたが、その間も忙しい日々を送っていたのでしょうか。

田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):そうですね。今週末からの3連戦はスパ、モンツァ、ムジェロと、かなりの高速コースが続きます。パワーユニットの役割がいっそう重要になることから、エンジンの最適化、回生エネルギーのマネージメントなど、検討を重ねてきました。

──今までの暑いレースから一転、今週末はかなり涼しそうです。

田辺TD:ええ。気温が15度ぐらいに下がることもあるようですし、全般的に20度を超えることはなさそうです。さらにスパ名物の雨も予想されています。その辺りの準備も、進めています。

──これだけのパワーサーキットだと、本音としては週末は雨の方がありがたい?

田辺TD:まあ、どんな天気になるにせよ、(パワーは)絞れるだけ、絞り出すしかないです。

──毎日天気がころころ変わるのは、やりにくいですね。

田辺TD:それはそうですね。前戦スペインGPは、非常に安定した天候でやりやすかった。ただ言い変えると、突然の天候変化にきちんと対応できるかどうかで、チームの実力が試される。そこは、最善を尽くすしかないですね。

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
2020年F1第6戦スペインGP アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)

──スパもモンツァも、1周の間の電気エネルギーは、必ず足りなくなります。その場合の難しさは、どこにあるのでしょうか。

田辺TD:基本的には、エネルギーの出し入れは決まってますよね。長い直線で使い切ると、あとが大変になる。その辺の配分ですね。いかに必要なところに振り分けられるかが、一番大変なところです。

──予選モードの禁止は、次のイタリアGPからになったのですか?

田辺TD:はい。予選とレースを同一モードで走るようにという内容の新しい技術指示書が、FIAから送られてきました。今後は細かい内容の確認等を進めることになります。

──佐藤琢磨選手が、インディ500で2度目の制覇を果たしました。

田辺TD:予選からずっと見ていたのですが、とにかく誇らしい気持ちでいっぱいです。インディ500での勝利の難しさを私も身をもって経験しているだけに、2度の優勝を果たした琢磨選手を心から祝福したい。ホンダの開発したエンジンも非常に快調で、予選でもレースでも好成績を挙げてくれました。ここ数年、開発に当たった技術者たちが苦労していたのを知っていましたし、インディ500で勝つための努力が報われたことも、本当にうれしいです。

──F1時代から琢磨選手を知る田辺さんから見て、インディに来てからの成長は感じていましたか。

田辺TD:インディに来たばかりの彼は、クラッシュが多かったですね。その後私も北米に赴任して、再び一緒に仕事をするようになったのですが、まず肉体面が一段と締まって、そしてドライビングも安定感を増すようになった。変わらないのは、勝つことへのどん欲さですね。エンジニアとの綿密な打ち合わせを厭わない。サーキットに一番遅くまで残っているドライバーだと思います。その熱心さと、勝つことへの執念。それは、全然変わっていないですね。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2020年F1第6戦スペインGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2020年F1第6戦スペインGP ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
2020年F1第6戦スペインGP ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
2020年F1第6戦スペインGP ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)