FIA-F2:佐藤万璃音のバルセロナ戦はタイヤに苦戦。「スパまでに精一杯やっていく」

 2019年、ユーロフォーミュラ・オープンで日本人として17年ぶりにチャンピオンに輝き、2020年はF1直下のFIA-F2にトライデント・レーシングから参戦している佐藤万璃音。8月14〜16日にスペインのバルセロナで行われた第6ラウンドでは、タイヤに苦しめられることになった。

 神奈川県横浜市出身の佐藤万璃音は、長年ヨーロッパでステップアップを果たしており、多くのF1を狙うライバルたちと切磋琢磨してきた。2019年、激戦のユーロフォーミュラ・オープンでチャンピオンを獲得すると、それを手土産に、いよいよ多くのF1ドライバーが通ってきたFIA-F2参戦を果たした。

 8月14〜16日の第6ラウンドは、バルセロナのカタロニアサーキットが舞台。ハイスピードな高速コーナーとテクニカルなインフィールド、そして長い直線を持つ過酷なサーキットだ。

 今回、万璃音にとってはひとつの刺激もあった。チームメイトのロイ・ニッサニーがウイリアムズF1チームのテストドライバーとしてF1スペインGPの金曜フリー走行1に出走することが直前に決まり、F1が自分たちのすぐ目の前にあるということを再認識させてくれたからだ。

 そんななか、8月14日のフリー走行では8番手と好タイムをマークした万璃音だったが、午後の予選では思うようにタイムを上げることができず、最終的にチームメイトと僅差の16番手タイムをマークするにとどまる。

 迎えた8月15日午後のレース1は、規定周回数35周で、タイヤ交換を行う1回のピットストップが義務づけられていた。非常に暑いコンディションのなか、スタートから1周目にコースアウトするマシンが出ていきなりセーフティカーが導入される展開で、3周目にレースが再開されると、万璃音はコンスタントなラップを刻み続けて次第にポジションを上げ、一時は7番手まで浮上する。

 さらにアクシデントが発生し、2度目のセーフティカーが導入されたタイミングでピットを目指した万璃音だったが、タイヤ交換時に左リヤタイヤがなかなか外れず大きくタイムロス。後半のペースも思うように上がらないまま、15位でチェッカーを受けた。

 8月16日のレース2は、規定周回数26周、ピットインの義務はない。レース1よりもかなり低めのドライコンディションのなか、万璃音は17番手からスタート。各車ともに10周目を過ぎたあたりからタイヤの摩耗が激しいのか、一気に2秒近くペースダウン。その中でも万璃音のタイヤは厳しく、じわじわと前をいくマシンから離されはじめました。結果、完走21位という自身にとって厳しい結果に終わった。

「今回はプライムタイヤでのパフォーマンスラップのフィーリングが良くて、2ラップのパフォーマンスランの後、すぐにレースランに移ったにもかかわらず、フリー走行は8番手でした。予選では、オプションタイヤのグリップが感じられず、自分のラップもまとめきることができず、思うような順位で終えることができませんでした」と万璃音は週末を振り返った。

「レース1ではスタート直後からフロントタイヤのグリップがなく、ペースを上げることができませんでした。すぐにしっかりとタイヤを持たせる方向の走りに切り替えて、最後までチャンスを待っていました。僕はセーフティカーが出たタイミングでピットに入りましたが、左リヤタイヤが装着できず、10秒ほどロスしてしまいました」

「新しいオプションを履いたセーフティカーあけのスプリントレースでも、あまりグリップを感じることができず、頑張っているにもかかわらず、ずるずるとポジションを落としてしまいました。 レース2では、スタートから前の集団に張り付いてレースをしていましたが、早い段階からタイヤが厳しく、終盤にはラバーが残っていない状態で、コースにとどまるのが精一杯で、ポジションをすべて失いました」

 とはいえ、レースはまだまだ続く。次戦の舞台は8月28〜30日に開催されるドライバーズサーキットのスパ・フランコルシャン。「また次のスパまでに今できることを精一杯やっていきます」と万璃音は前を向いた。

佐藤万璃音
佐藤万璃音