レーシングポイントF1模倣問題:ルノーが控訴取り下げを発表。規則変更での再発防止策に満足

 ルノーF1チームは、レーシングポイントのブレーキダクトに関するスチュワードの裁定に対して控訴を提出したが、それを撤回することを明らかにした。レーシングポイントのブレーキダクトは2019年型メルセデスのパーツをコピーしたものと判断され、処分が下されたものの、その処分内容に不満を持ったルノーとフェラーリは、FIAの裁定に対して控訴手続きを開始していた。

 ブレーキダクトはチームが自ら製造することを義務付けられた“リステッドパーツ”に2020年から指定された。しかしレーシングポイントRP20のブレーキダクトはメルセデスW10のパーツのコピーであり、それは違法行為であるとして、ルノーは2020年第2戦シュタイアーマルクGPから毎戦、抗議を提出してきた。

 第5戦70周年記念GP金曜、スチュワードは、RP20のブレーキダクトがレーシングポイントにより設計されたものではないと認め、同チームは競技規則に違反したとの判断を発表した。それにより40万ユーロ(約5000万円)の罰金とコンストラクターズポイント15ポイント減点のペナルティを科したが、違反はプロセスにあり、コンポーネント自体は違法ではないとの判断で、レーシングポイントがこのブレーキダクトを引き続き使用することは認められている。

 こういったスチュワードの裁定を不満として、ルノーとフェラーリは控訴手続きを取ることを決めた。さらにルノーは、その後もRP20への抗議を毎戦提出し続けていた。

2020年F1 70周年記念GP ニコ・ヒュルケンベルグ(レーシングポイント)とダニエル・リカルド(ルノー)
2020年F1 70周年記念GP ニコ・ヒュルケンベルグ(レーシングポイント)とダニエル・リカルド(ルノー)

 しかし8月25日、ルノーは控訴申し立てを撤回することを発表した。

「ルノーDPワールドF1チームは、BWTレーシングポイントF1チームのブレーキダクトに関するスチュワードの決定に対して提出した控訴を撤回することを要求した」とルノーの声明文には記されている。

「この決定を超えた部分で、本件は今シーズンおよび今後におけるF1の誠実性において極めて重要な意味を持っていた」

「しかしながら、FIA、ルノーDPワールドF1チーム、すべてのF1利害関係者において集中的かつ建設的な作業が行われた結果、2021年レーシングシーズンに予定される競技および技術規則の改正という形で、コンストラクターとしての資格要件の確認が行われ、このスポーツの独自性を保護する具体的な進展がなされた」

「新しいコンコルド協定が結ばれる状況のなかで、この戦略的目標に達成することが我々の優先事項だった。我々は、この熾烈で独特な選手権の残りに集中する必要があり、今シーズン序盤の論争から気持ちを切り替えるべきであると考える」

 FIAは今回の問題を受け、多数のチームが優れたマシンの模倣を行う動きを防ぐため、2021年の規則に修正を加える意向を示している。「(その規則により)チームはレーシングポイントが行ったような形で他のマシンの大部分をコピーするために多数の写真を使用することを防ぐ」とFIAは説明している。

 一方で、フェラーリは現時点では控訴取り下げの意向を示してはいない。また、自身は潔白であると主張するレーシングポイントは、有罪とする評決に対して控訴手続きに入っている。