F1技術解説第6戦編:ダウンフォースを稼ぐため、旧型フロントウイングを使用したフェラーリ

 2020年F1第6戦スペインGPでのフェラーリは、第2戦シュタイアーマルクGPで投入したフロントウィングの改良仕様を、旧型に戻していた。ドラッグが多くなることに目をつぶって、できるだけダウンフォースを稼ごうという意図だった。

 フェラーリの開発エンジニアがドラッグとダウンフォースの両立に手こずっているのは、2020年型マシン『SF1000』がメルセデスをしのぐハイパワーを誇った去年のパワーユニット(PU)を念頭に設計されたからである。しかしすでに昨年のからフェラーリ製パワーユニットには燃料流量制限とオイル燃焼の2点で、重大な規約違反があると見られていた。

 そのためFIAは各チームに繰り返し技術指示書を送り、今季のパワーユニットは例年以上にがんじがらめに規約に縛られることになった。そして最後に6月に送られた指示書は、他メーカー以上にフェラーリに影響の大きい内容で、これでフェラーリは完全に息の根を止められたと言っていい。

 今季のフェラーリ製パワーユニットは非力なだけでなく、ガラスのように壊れやすい。第5戦70周年記念GPで2台揃ってエンジン本体、ターボ、MGU-Hを交換し、スペインGPではシャルル・ルクレールがエンジンのシャットダウンによりリタイアを余儀なくされた。

F1技術解説第6戦編
フェラーリのパワーユニット(PU)