新型ベントレー ベンテイガ、初試乗! キープコンセプトに隠れた極上の進化を詳細レポート

Bentley Bentayga V8

ベントレー ベンテイガ

貫禄の刷新

ベントレー ベンテイガが初のモデルチェンジを受けた。内外装を最新のベントレーデザインにアップデートし、スポーティさと使いやすさがさらに向上、また走りの面でも上質さを増し、ベントレーの名にふさわしい極上のSUVへと進化を果たしている。早くも訪れた国内での初試乗を通じ、GENROQ編集長の永田が見た目以上に大幅な刷新を受けた新型ベンテイガを吟味する。

ベントレー ベンテイガ V8のフロントスタイル

「見えない部分の着実な進化にベントレーのプライドを感じる」

今や超プレミアムブランドやスーパーカーブランドがSUVを発売しても、誰も驚かなくなった。2012年にベンテイガのコンセプトモデルが発表されたときは「あのベントレーが・・・」という声が少なからずあったと記憶しているが、むしろその頃から開発をスタートさせ、15年に正式発売にこぎつけたという事実に、同社の先見の明を感じずにはいられない。もちろんそこにはグループのアーキテクチャーを利用できたというアドバンテージもあったのだが、いずれにしても最も大事なのは、ベンテイガがベントレーのSUVとしてふさわしい仕上がりであったということだろう。そうでなければ、いかにSUVが時流に乗っているとはいえ、これほど高額なクルマが累計2万台近くも売れるわけがない。

デビューから約5年が経過したベンテイガのオーナーの4人にひとりは女性であり、82%の人は毎日運転し、その用途は買い物や通勤、旅行。そしてオーナーの平均年齢は45歳だという。豊かな生活のパートナーとして若いオーナーに選ばれているベンテイガは、すでにベントレーにとってなくてはならない屋台骨となっているのである。

そのベンテイガが新型へと生まれ変わった。丸型4灯ヘッドライトを配したフロント周りは一見すると大きな変化がないようだが、ヘッドライトが楕円形となり、フロントグリルがワイドに、よりアップライトになっている。それに伴い、フロントバンパーもデザインが一新された。よく見るとボンネットとグリルの盛り上がりも抑えられてスマートになっていることがわかるだろう。全体的に従来よりもはるかにシャープでスポーティな印象となり、まさにコンチネンタルGTと共通のテイストだ。

ベントレー ベンテイガ V8のリヤスタイル

「ルーフやドア以外のボディパネルはほぼ刷新されている」

リヤに回ってみると、その変化はフロントよりも大きい。すぐにわかるのはテールライトがやはりコンチネンタルGTと同様の水滴型となったこと。リヤパネルもそれに合わせて大胆なえぐれを持つ抑揚のあるデザインとなり、軽快さが増した。ナンバープレートの位置がバンパーに移動したり、リヤルーフスポイラーが延ばされたことも、スポーティな印象を高めている。またリヤハッチの開口部はボディサイドに回り込むほどにワイドになっている。それにしても、これほど複雑な形状のパネルをプレス加工するのは大変なはずだ。フロントフェンダーのスーパーフォーミング製法もそうだが、ベントレーの生産技術の高さを感じる部分である。

エクステリアの変更はそれだけではない。サイドスカートのデザイン変更、フロントフェンダーのウイングベントのデザイン変更など、細かな変化も数多い。つまりルーフやドア以外のボディパネルはほぼ刷新されているのだ。パッと見の印象が似ているからフェイスリフトと思ってしまうが、やはりこれは立派な新モデルと言えるだろう。

ドアを開けて乗り込むと、インテリアの印象は従来とほぼ変わらない。しかし、センターコンソール上部の丸型エアコン吹き出し口がアナログ時計を囲むような横型へと変更されていることに気づく。そしてセンターのTFT画面が10.9インチのタッチスクリーンに大型化された。もちろんApple CarPlayやAndroid Autoにも対応するなどのアップデートも行われているし、ナビゲーションも機能が向上しているという。他にもスマートフォンのワイヤレス充電が備わり、USBポートがタイプCとなった。これらは若いユーザーが多いベンテイガにとっては重要な要素だろう。

ベントレー ベンテイガ V8のインテリア

「ベンテイガは高級クルーザーの如く滑るように走る」

エンジンを始動し、ここで初めてメーターがフルデジタルとなっていることに気づいた。高級車にはアナログメーターの方がふさわしい、という意見もあるが、どんどん増えていく情報を的確に表示するのはデジタルでなければ不可能。新型ベンテイガのデジタルメーターは従来からのオーナーにも違和感のない、上品なテイストでまとめられている。

4.0リッターのV8ツインターボが生み出す550ps/770Nmは従来と同じ。というより、今回はパワートレインやシャシー周りの変更はリヤトレッドを20mm拡大したとしかアナウンスされていない。この拡大の手法がわからないのだが、おそらくホイールインセットの変更だと思われる。

まだナンバーが付いていない車両なので、今回の試乗はクローズドのテストコースが舞台。それだけに路面も美しく、ベンテイガはそれこそ高級クルーザーの如く滑るように走る。ただ、もともとベンテイガのフラットな乗り味や静粛性の素晴らしさは実感していたので、従来型との違いがさほどあるとは思えなかった。しかし、同時に用意されていた先代モデルに乗り換えて較べてみて、新型の進化をしっかりと認識することができた。

ベントレー ベンテイガ V8の走行シーン

「新型ベンテイガには、ベントレーの良心が込められている」

まずエンジンをかけアイドリング状態の静粛性からして違う。そして走り出すと伝わってくるフロア周りの駆動系からくるNVHも、明らかに新型の方が抑えられている。それだけではない。ステアリングを切り込んだ時のクルマの動きも違うのだ。先代は切り始めの反応は抑えめで、さらに切り込んでからフロントのヨーゲインがやや急に発生する感じだが、新型は切り始めからノーズがリニアに反応し、さらに切り込んでいった時のゲインの出方も一定のまま。

そしてその動きもずっと穏やかだ。言うなればステアリングの純度が高まっている印象である。キビキビとした反応を望む人には先代の方が好まれるかもしれないが、よりクルマの動きが把握できてコントロールがやりやすいのは、間違いなく新型の方である。おそらくアライメントやブッシュ、マウントや遮音材などを細かく見直しているのだろう。

内外装のブラッシュアップに加えて、目立たぬ部分のたゆまぬ進化。新型ベンテイガには、ベントレーの良心が込められている。そしてそれはこのジャンルのパイオニアとしてのプライドでもあるのだ。

REPORT/永田元輔(Gensuke NAGATA)
PHOTO/篠原晃一(Koichi SHINOHARA)

【SPECIFICATIONS】

ベントレー ベンテイガ V8

ボディサイズ:全長5125 全幅1998 全高1742mm
ホイールベース:2995mm
車両重量:2416kg
エンジン:V型8気筒DOHCツインターボ
総排気量:3996cc
最高出力:404kW(550ps)/6000rpm
最大トルク:770Nm(63.2kgm)/1960-4500rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:AWD
サスペンション形式:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:前後285/45ZR21
0-100km/h加速:4.5秒
最高速度:290km/h
価格:2142万8000円

【問い合わせ】
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TEL 0120-97-7797