アルファタウリ・ホンダF1コラム:戦略ミスなく終えたスペインGP。あと“ひと工夫”あればダブル入賞も可能か

 2020年F1第6戦スペインGPでは、ピエール・ガスリーが9位に入賞し、ダニール・クビアトは12位という結果だった。アルファタウリ・ホンダの入賞はこれで今シーズン5度目だが、ダブル入賞とはならなかった。

 さて今回も、クビアトとガスリーのふたり、そしてチームのパフォーマンスを10点満点で私的に採点していこう。スペインGPでの評価は、以下の通りだ。

【ドライバー】
ピエール・ガスリー 予選10番手/決勝9位
 →8/10点満点
ダニール・クビアト 予選12番手/決勝12位
 →6/10点満点

【チーム】
スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ
 →7/10点満点

 スペインGP決勝レースでのスタートポジションは、ガスリー10番手、クビアト12番手と2グリッド開いていた。とはいえガスリーが中古のソフトタイヤ、クビアトは新品ソフトタイヤを履いていたことを考慮すれば、スタート時の両者はほぼ互角の状況だったと言っていいだろう。

ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
2020年F1第6戦スペインGP ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)

 だがクビアトはせっかくの新品ソフトの瞬発力を活かせず、逆にダニエル・リカルド(ルノー)に抜かれてスタートダッシュに失敗した。それでも次周に抜き返したが、その後はミディアムタイヤ装着のセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)の背後で我慢の周回が続いた。そのうちソフトがタレ始め、ベッテルとの差はじりじりと広がっていった。

 タイムの落ちは明らかで、21周目にピットイン。新品ミディアムに履き替えてからは1分23秒台後半〜24秒台前半と決して悪くないペースで、第2スティント終盤には6番手まで順位を上げた。しかし2度目のピットインで、1ストップ作戦のリカルドの背後に入ってしまう。純粋なペースは明らかに優っていたが抜き切れず、12位完走に終わった。

 一方のガスリーは、1周目にシャルル・ルクレール(フェラーリ)とランド・ノリス(マクラーレン)をパスし、8番手に上がった。その後の2回のピットインによる順位変動はあったが、ミディアム2セットのペースは概ね安定していた。しかしクビアトと同様にトラフィックにはまり、背後のクルマに抜かれないが先行車を捉えることもできない状態のまま、9位でチェッカーを受けた。

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
2020年F1第6戦スペインGP ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)

 今回は前戦70周年記念GPのような戦略ミスもなく、「クリーンエアで走っている時には、本来の速さを発揮できていた」(ホンダの本橋正充チーフエンジニア)。レース中の自己ベストタイムは、むしろクビアトの方が速かった。スタート1周目の順位が、2台の明暗を分けたと言ってもいいだろう。

 バルセロナ-カタロニア・サーキットは、よほどのペース差がないとオーバーテイクは難しい。そしてこの週末、アルファタウリとルノー、マクラーレン、フェラーリのベッテルのレースパフォーマンスはほぼ拮抗していた。そのためクビアトはリカルドを抜けないままチェッカーを受け、ガスリーはかなり長い間、カルロス・サインツJr.(マクラーレン)の背後で走ることを余儀なくされた。そうやって抜きあぐねている間に、前との差はじりじりと開いていった。

 先ほど「戦略ミスはなかった」と述べたが、ピットアウトの際のトラックポジション取りははたして最善だったか。そして渋滞にはまっている最中のタイヤマネージメントに、問題はなかったか。

 本橋エンジニアはガスリーの9位入賞を喜びつつも、「あと、もうひとつ、ふたつは上にいけたかな」と、残念がっていた。今まで以上に拮抗した戦いになった今回のレースでは、あとひと工夫でダブル入賞もできていたかもしれない。

2020年F1第6戦スペインGP ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
2020年F1第6戦スペインGP ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
2020年F1第6戦スペインGP ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
2020年F1第6戦スペインGP ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)