ハミルトンがレースを完全支配しポール・トゥ・ウイン。フェルスタッペンは届かず2位【決勝レポート/F1スペインGP】

 8月16日現地時間午後3時10分、バルセロナ-カタロニア・サーキットでF1第6戦スペインGPの決勝が行われ、メルセデスのルイス・ハミルトンがポール・トゥ・ウインを飾った。

 空にはやや雲が多いものの、気温は30度、路面温度は48度という暑いコンディション。タイヤ戦略に注目が集まるが、ピレリからはタイヤの摩耗量を考慮して1ストップ作戦は推奨できない旨が明らかにされている。

 マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は予選後にデータ異常が見られたため念のためパワーユニット(PU)を交換しているが、すでに使用済みのスペア個体であり同スペックのものであるためペナルティの対象とはなっていない。

 キミ・ライコネンはグリッド上でノーズを交換。セルジオ・ペレス(レーシングポイント)もESとCEを交換したが今季2基目であるためペナルティ対象外。ルイス・ハミルトン(ルイス・ハミルトン)は左フロントタイヤにダメージが見つかったため同程度の使用履歴を持つ別のソフトタイヤに交換している。アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)はリヤタイヤを左右ともに交換している。

 Q3進出組は全車がソフト、11番グリッド以下はダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)とケビン・マグヌッセン(ハース)、ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)のみがソフトタイヤでそれ以外はミディアムタイヤをチョイスして決勝のスタートに臨んだ。

 スタートでポールのハミルトンがホールショットを奪った一方、2番手ボッタスは加速が鈍く、ターン1でインにランス・ストロール(レーシングポイント)に入られて行き場を失い4番手に後退。フェルスタッペンがアウト側から易々と2番手に浮上した。5番手にペレス、6番手アルボン、7番手カルロス・サインツJr.(マクラーレン)、8番手ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)、9番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)、10番手ランド・ノリス(マクラーレン)と順当なスタートを切った。

 ハミルトンはフェルスタッペンとのギャップを広げに掛かるが、一度は2秒まで開いたギャップは再び1.2秒前後に縮まる。ボッタスは5周目のターン1手前でDRSを使ってストロールを抜き3番手に戻り、フェルスタッペンとのギャップを縮めに掛かる。トップ3台はそれぞれが1.5〜2秒間隔で第1スティントの周回を重ねていく。

 10周目からハミルトンはファステストラップを連発しフェルスタッペンとのギャップを1周0.5秒前後ずつ広げていき一気に7秒まで広げる。4番手ストロールは3番手ボッタスの12秒後方、その背後にペレス、アルボンは3秒遅れて走行している。

 フェルスタッペンが「リヤに苦しみ始めた」と伝えたのと同時に、17周目にアルボンがピットインしてハードタイヤに交換。フェルスタッペンもタイヤが完全にグリップを失っていると訴えるが、チームはトラフィックを考慮して引っ張り、21周目にようやくピットイン。ミディアムに換えてストロールの前で3番手でコースへと戻る。

 23周目に首位ハミルトンがピットインしミディアムに交換。左リヤに手間取り4.3秒掛かるが、フェルスタッペンの前で余裕を持ってコース復帰。同じくボッタスも23周目にピットインし、こちらはフェルスタッペンの後方3番手となる。ソフトタイヤでメルセデスAMGに大きな差を見せつけられたフェルスタッペンは、ライバルを見るのではなく自分たちのレースをやるべきだと声を荒げる。

 一方のボッタスはここではマネージメントをせずにプッシュし、ファステストラップを記録してフェルスタッペンとのギャップを一気に縮めていく。

 27周目に4番手ストロールがピットインしてミディアムに履き替え、アルボンのいる集団よりも前でコースに戻る。アルボンは29周目のメインストレートでソフトタイヤに履き替えたサインツJr.に抜かれて11番手にポジションを落とした。29周目にはペレス、ルクレール、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が相次いでピットイン。ペレスはエステバン・オコン(ルノー)も抜いたサインツJr.の後方でのコース復帰となったが、32周目のターン1ではストロールがペレスに追い付きポジションを入れ換える。

 ルノー勢がミディアムのまま引っ張り、首位ハミルトン、2番手フェルスタッペン、3番手ボッタス、4番手リカルド、5番手ストロール、6番手ペレス、7番手サインツJr.、8番手アルボン、9番手ガスリー、10番手オコン、11番手ノリス、12番手ルクレール、13番手クビアト、14番手ベッテルまでが大混戦のトレイン状態となる。

 34周目にようやくオコン、35周目にリカルドがピットインしてソフトに履き替え、これで4番手ストロール、5番手ペレス、6番手サインツJr.、7番手アルボン、8番手ガスリー、9番手ノリス、10番手ルクレールとなる。しかしルクレールはターン14の出口で突然で電源が落ちてスピンを喫し、エンジンストール。MGU-Kで始動して走行を再開したものの最後尾に落ちた。マシンに異常があると訴えながら走行を続けたが、最終的にガレージに戻ってリタイアとなった。

 ハミルトンは30周目を過ぎたあたりからプッシュを始め、フェルスタッペンとのタイム差を10秒以上に広げていく。

 39周目にアルボンがピットインしてミディアムに交換。41周目にはフェルスタッペンもピットインしミディアムを履く。サインツJr.もピットインしてミディアムに換え、アルボンの目の前でコースに復帰。アルボンはターン1〜5で食い下がるものの抜ききれなかった。42周目にはストロールとガスリーもピットインし、ストロールはサインツJr.の前を確保。ガスリーはアルボンの4秒後方、そして44周目にピットインしたノリスはガスリーの後方となる。

 首位ハミルトンはまだタイヤに余力を残しており、フェルスタッペンのペースを見ながら走行を続け、ファステストラップまで記録していく。

 48周目にボッタスがピットインしてソフトタイヤに交換し、フェルスタッペンの7秒後方の3番手でコースに復帰。

 メルセデスAMGは続いて49周目にハミルトンをピットインさせようとするが、ハミルトンはミディアムのフィーリングが良いためソフトタイヤは履きたくないと訴え、1周先送りして50周目にピットインしてミディアムに履き替える。

 これで首位ハミルトン、その11秒後方に2番手フェルスタッペン、3番手ボッタスは7秒後方のままでフェルスタッペンに追い付けない。4番手は1ストップ作戦のペレスだがブルーフラッグ無視の審議対象となり5秒加算ペナルティが科され、5番手ベッテルもレース終盤になってからのチームからの指示に「失うものはないからやってみる」と1ストップ作戦をトライする。6番手ストロールは3秒後方、さらに7番手サインツ、8番手アルボン、9番手ガスリー、10番手ノリスが僅差で続く。

 ソフトを履く2ストップのストロールは、13周古いソフトタイヤのベッテルに追い付き、57周目のストレートでDRSを使って易々とパス。59周目にはサインツもターン1でオーバーテイクしていく。

 首位ハミルトンは独走状態のまま2番手フェルスタッペンよりも速いペースで周回を続け、63周目には1分19秒822を記録して危なげなくトップでチェッカードフラッグを受けて今季4勝目を飾った。フェルスタッペンもボッタスを寄せ付けず2番手、ボッタスはハミルトンと同じ63周目にアタックして1分19秒750でファステストラップを記録したものの、第3スティントに履いたソフトタイヤのペースが伸びず、64周目にはピットインしてミディアムを履いてさらにタイムアタックを行って1分18秒183まで伸ばしたが3位に終わった。

 ペレスはストロールの前でフィニッシュしたものの5秒加算ペナルティによって5位。6位サインツ、7位は後続のトレインを抑え切ったベッテル、8位アルボン、9位ガスリー、10位ノリス、11位リカルド、12位クビアトまでが秒差で続いた。