ワンメイクレースの常勝ドライバーがスーパーGTに参戦!Audi Team Hitotsuyama 近藤翼選手【SUPER GT2020 助っ人ドライバーインタビュー】

●PCCJや86/BRZレースのチャンピオンが満を持してスーパーGTに参戦!

年初より急激に拡散した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって人々の往来が厳しく制限されるようになった2020年。

その影響はもちろんモータースポーツも例外ではなく、ドイツツーリングカー選手権(DTM)と車両規則を共通化するなどグローバルに展開しているスーパーGTにおいては、年間エントリーしていた元F1ドライバーをはじめとした外国人選手の入国が難しい状況にあります。

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Audi Team Hitotsuyamaに加入した近藤翼選手

今回は、チームにとってピンチな状況の中、外国人選手に代わって起用された実力のある日本人ドライバーをご紹介しようと思います。第2回目は、PCCJなどのワンメイクレースではすっかりおなじみの近藤翼選手にお話を伺いました。

── まずは近藤選手の経歴を教えていただけますか?

「はじめまして、近藤翼です。よろしくお願いします。」

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近藤選手の加入したAudi Team Hitotsuyamaの21号車

「僕が初めてレーシングカートに乗ったのは高校生の頃でした。地元が新潟県の長岡で、スポーツランド長岡というところで入門クラスから始めて地方戦に出ていました。4輪に乗り始めたのは18歳で免許を取ってからで、19歳の時にFJ1600から始めてそこでスカラシップをいただいて翌年JAF-F4の東日本シリーズで初めてチャンピオンを獲りました。
その後FCJ(Formula Challenge Japan)を2シーズン走った後、ツーリングカーに転向してPCCJ(Porsche Carrera Cup Japan)や86/BRZレースをやってきています。PCCJでは2回、86/BRZ(プロクラス)では1回シリーズチャンピオンを獲らせてもらって、今シーズンも参戦しています。
あと、スーパー耐久ではD’station Racingで乗らせてもらっていて、いろいろいい経験をさせてもらっています。」

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入念にシート合わせ、マシンのチェックをする近藤選手

「スーパーGTの経験は2016年に最終戦のもてぎにスポット参戦させていただいたのが最初です。その時はTeam TAISAN SARDさんで、レギュラーの密山選手の代打って言うことでこの時も助っ人でしたね(笑)。その時のマシンも今回と同じAudi R8でした。その週末は2レース(オートポリスの代替戦)だったんですけど、6位7位と連続入賞できたんですよ。それがスーパーGTデビュー戦でしたね。
で、それを見ていた(土屋)武士さんからメッセンジャーで『来年レギュラーじゃないけどうちで乗らない?』っていうお話をいただいて2017、2018年と武士さんのところで勉強させてもらうような感じでスーパーGTには参加させていただきました。」

── なるほど。なかなか素晴らしい経歴をお持ちですね!今回の起用も凄く納得できます

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チームメイトの川端選手からも今回の起用について連絡があったそう

「今回のお話はコロナの影響でスーパーGTの開催が延期になりますよという報道がされて結構すぐなタイミングで、(チームメイトの)川端選手や一ツ山代表からご連絡をいただきました。やはり(クリストファー)ミース選手はAudiのワークスドライバーですし、一ツ山代表もギリギリまでミース選手の来日を待っていたと思うんですけど、やはり今回は厳しかったということで、代役としては役不足かもしれませんけど、できるだけそれに近い働きができるように頑張りたいと思っています。」

── 昨シーズンはスーパーGTは乗っていなかったようですけど、2シーズンぶりに戻ってきていかがですか?

「R8は久々ですし、今回のEVOモデルは初めてです。16年にR8に乗ったときもぶっつけ本番でしたし、それよりもポルシェの(GT)3Rとかアストン(マーティン)のGT3のほうが乗り慣れてはいます。ただ、特性はメーカーによって多少は違いますけど基本的には同じGT3カテゴリのクルマなので特別不安はありません。」

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富士でのGT3マシン走行経験も豊富

「武士さんのところでお世話になった時にはこの富士でも乗らせてもらいました。その時はレギュラードライバーが山下(健太)選手や坪井(翔)選手だったんですけど、5月の富士ってWECと日程が被ることが多くて、GT500にスポットで(そのお二人が)引き抜かれた時に松井選手と組んで走らせてもらえたので、それはすごくいい勉強をさせてもらいましたし、ためになっています。」

──では 今回は期待できそうですか?

「16年のもてぎでは優勝もされていたチームですし、ただその時からタイヤも変わっているみたいで苦労されているのかなとも思っています。それにスーパーGTはそう簡単に勝てるレースではないっていうこともわかっています。ただ、チームメイトの川端選手はすごく速いドライバーですし、その川端選手と一緒に上位を狙えるすごくいいチームと環境なので、ミース選手が来れるようになった時にシリーズチャンピオン争いができるっていうくらいの貢献が自分にできたら嬉しいなと思っています。」

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近藤選手のドライブする21号車

── それでは最後に意気込みをお聞かせください

「僕は今までPCCJとか86/BRZのようなワンメイクレース、参加型のレースに出ることが多くて、マシン側はほぼイコールコンディションの中で自分は何位なのか?っていうレースをしてきました。
スーパーGTは出る側からしても人気がすごく高くて、なかなか参戦する機会っていうのが少ないんですけど、やっぱり華があってタイヤコンペティションもあって、今回こういう形で素晴らしい機会をいただけたので次に繋げられるように、そして今後に活かせるようにいろいろな事を吸収できればと思っています。そしてもちろん結果も出せるように頑張ります!」

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今後の活躍も期待しています

ワンメイクレースというドライバーの技量のみで争われる環境で腕を磨いてきた近藤選手。その技術をスーパーGTという舞台でも存分に発揮してもらいたいと思います。そんな近藤選手の走りにも注目しながらスーパーGTを観戦してみてはいかがでしょうか?

(H@ty)