IMSA:小林可夢偉のチームメイトも困惑。カレンダー変更でキャデラック得意のバンピーな市街地レースが消滅

 ウェイン・テイラー・レーシングのキャデラックDPi-V.Rをドライブするレンガー・バン・デル・ザンデは、キャデラックに適していたふたつのストリートレースが消滅したIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の改訂版2020年カレンダーを「最大限に活用」したいと考えている。

 小林可夢偉、スコット・ディクソン、そしてライアン・ブリスコーともに、1月の開幕戦デイトナ24時間レースを制したバン・デル・ザンデ。7月3〜4日にデイトナで再開されるシリーズ戦には選手権リーダーとして、ブリスコーとのコンビで臨むことになる。
 
 IMSAは再開直後の7月にデイトナ、セブリングと、通常は長距離耐久レースが行なわれるトラックでのスプリントレースを予定している。いずれも2時間40分レースとなる決勝では、各陣営は“未知なる要素”とも戦わなければならない。

 バン・デル・ザンデは純粋なスプリントレースフォーマットにおいて、どうレースウイークを組み立てていけばいいか、確信が持てないでいるという。

「デイトナとセブリングはどちらも通常は長距離のレースが行なわれていて、キャデラックが非常に強いサーキットだった」とバン・デル・ザンデ。

「僕らはレース終盤になっても、燃料を節約し、賢く戦わなければならない。ここ数年、セブリングでは最速のクルマを手にしたことはなかったけど、それでも2位は得てきた(編註:2018・2019年と決勝2位)。他にまだ速いクルマがあって、それがレースを奪っていった」

「同時に、セブリングというほとんど公道みたいにバンピーなコースで、キャデラックはとても強いということさ」

■6戦で5勝の好成績。キャデラックはバンプをうまく「いなす」

 アクション・エクスプレス・レーシングのキャデラックDPiドライバーであるフェリペ・ナッセも、キャデラックが強さを見せていたロングビーチとデトロイト(ベル・アイル)というふたつのストリートコースでのレースがないことを、寂しく思うであろうと認めている。

 ダラーラLMP2シャシーをベースとするキャデラックDPiマシンが、このふたつのサーキットで開催された過去3シーズン6回のレースで勝利を逃したのは一度だけである。

「僕はセブリングが大好き。カレンダーの中での、お気に入りのトラックのひとつだ」とナッセは言う。

「しかし一方で、ストリートコースも恋しい。シリーズにとってだけなく、僕らのクルマにとってもハイライトとなるレースだった。デトロイトとロングビーチでは、いつもとても強かった。キャデラックのマシンは路面のバンプをうまくいなしてくれるんだ」

フェリペ・ナッセは2018年のデトロイト戦ウイナー。2020年カレンダーでは、4月に予定されていた伝統のロングビーチ(カリフォルニア州)の市街地レースも中止となった。
フェリペ・ナッセは2018年のデトロイト戦ウイナー。2020年カレンダーでは、4月に予定されていた伝統のロングビーチ(カリフォルニア州)の市街地レースも中止となった。

 一方、バン・デル・ザンデは、再構成された残りのカレンダーにおいては、性能調整(BoP)がもっとも大きなカギになるとみている。

「オーガナイザー、そしてBoPがとても重要で、それをどうやって最大限活用するかにかかっている。僕らはそれをうまくできると思っているよ」

 1月のデイトナでの勝利以来、キャデラックのBoPは調整されていない。一方でライバルのアキュラARX-05のBoPはパワー面でわずかに緩和されているが、バン・デル・ザンデはデイトナのスプリントレースで再び勝利を争うことができることを望んでいる。

「(1月の)デイトナでは、プラクティスと予選ではそれほど速さを見せられなかったので、ちょっと怖いね」とバン・デル・ザンデ。

「でも僕らはプラクティスから決勝までずっと同じペースだった。IMSAもそれを見て(BoPを変えないと)判断したのだろう。1月と同じクルマ(BoP)でデイトナを戦えることはハッピーだし、よいレースが展開できるよう各車のバランスが保たれていること願うよ」

「とにかく、短いレースだ。ミスや遅れをリカバーする時間も、トップに立つために費やせる時間も、スマートな判断をする時間も少なくなるよね」