クルマを「仕事部屋」にするならどんな車種がいい? 新型コロナで長引く在宅勤務と「新しい生活様式」への備え

■ノートPCの電源がとれるAC100V電源付きハイブリッド車に注目

新型コロナウイルス感染防止のため、多くの企業がテレワークにシフトしていますが、在宅勤務で作業スペースの問題を抱えている家庭もあるのではないでしょうか。

子供がいて集中できない、静かな場所でオンライン会議をやりたい、共働きのため同じ部屋で複数人が同時に在宅勤務をする場合など、在宅で仕事をする場所に問題を抱えている人の中には、クルマの中で作業をする方も多いようです。

クルマでテレワーク
家の中ではテレワークがやりにくい家庭も多い(画像:写真AC)

また「働き方改革」「新しい生活様式」により、コロナが収束した後もテレワークは多くの企業で継続されるという説もあります。そうなると、自宅で仕事をするために「愛車を仕事場にする」という選択をする人が増えてくることも考えられます。

そこで、車内でテレワークを行う場合、どんなクルマが理想的なのかを検証してみます。

●最低限必要なノートPCの電源を取る

テレワークを行う方の大多数にとって最低限必要なのがパソコン。クルマの中で作業をするのなら、スペースの問題で当然ノートPCになります。

そして、ノートPCを使って仕事をする際に用意すべきは「電源」。そのPCのバッテリーが約10時間以上も連続して使えるモデルなら問題ないかもしれません。

ですが、駆動時間が6〜7時間程度のものや、バッテリーの劣化で3〜4時間程度しか保たないなど、バッテリーに余裕がないノートPCを使っている方は、車内で充電できる環境があった方が仕事に集中できます。

クルマでテレワーク
車内でテレワークをするのであれば、多くの人がノートPCが必需品になる(画像:写真AC)

車内でパソコンの充電に最適なクルマといえば、AC100Vコンセントが付いているハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)などです。

これらの多くは巨大なバッテリーを搭載していて、電子レンジなどの家電も動かせる1500Wの電力を出せるモデルも多く、そういった車種ならノートPCを楽々稼働できます。

トヨタ車の場合にはハイブリッド車やプラグインハイブリッド車の設定があるミニバンやワゴン、コンパクトカー、セダンやSUVなど、多くの車種に1500Wが使用可能なAC100Vコンセントを装備しています。

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トヨタ車やレクサス車には、ハイブリッド車などにAC100Vコンセントを装備する

主な車種としては、プリウスや新型コンパクトカーのヤリスをはじめ、クラウン、カローラ、アルファード/ヴェルファイア、ノア/ヴォクシー/エスクァイア、シエンタ、ハリアー、C-HRなどのハイブリッド車です。

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トヨタ・プリウス

また、プリウスPHVといったプラグインハイブリッド車や燃料電池車のミライなど。加えて、レクサスにもLSやNXなど、ハイブリッド車の設定があるモデルに採用しています。

たとえば、プリウスでは、

1:ブレーキを踏みながらパワースイッチを押す
2:「READY」インジケーターが点灯したら、AC100Vスイッチを押す
3:コンセントに電源プラグを差し込む

といった操作で電源を使うことができます。

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プリウスのパワースイッチ

●キャンピングカーならより快適

トヨタ車以外でも、1500Wが使用可能なAC100Vコンセントを装備するクルマはあります。

ハイブリッド車ならホンダのステップワゴンやオデッセイ、プラグインハイブリッド車では三菱のアウトランダーPHEVなどです。

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三菱アウトランダーPHEV

また、エンジン始動用などのメインバッテリー以外に、エアコンや家電を動かすためのサブバッテリーを搭載したキャンピングカーでも車内で作業が可能です。

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キャンピングカーなら、仕事にも理想の環境といえる(写真はRVランド「バックパッカー」/写真撮影:塚田勝弘)

こういったクルマにもAC100Vコンセントがあり、エンジンをかけなくても電源がとれます。

また、車内にテーブルやソファが付いているタイプも多いので、「快適に仕事ができる」という意味では最も理想的かもしれません。

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キャンピングカーならAC100V電源があり、車内が快適なモデルも多い(写真撮影:塚田勝弘)

ちなみに、家庭用AC100Vコンセントが付いていないクルマの場合は、インバーターと呼ばれる装置を使えば、パソコンの使用なども可能です。

クルマのバッテリーからの電力は通常DC(交流)で電圧が12Vです。この装置はそれをAC(交流)・電圧100Vに変換する機能を持ち、家電やパソコンなどの電源をクルマから取ることが可能になります。

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アクセサリーソケットから電源がとれるインバーターは手軽に使えて便利だ

シガーソケット(アクセサリーソケット)にアダプタを挿して使うタイプなら車内でも手軽に使えますが、出力できるワット数が少ない製品もあるので注意しましょう。より大きい出力を得たい場合は、バッテリーと直接接続するタイプの方がおすすめです。

●エンジンは停止が基本

クルマで仕事をする場合の注意点としては、エンジンはできるだけ始動させないことです。

どんな場所で行うかにもよりますが、エンジンを長時間かけたままでは排気ガスやエンジン音などのマナー面で御法度。さらにガレージなどの密閉空間では、排ガスが車内に入り込み一酸化炭素中毒になる危険性もあります。

この点でもハイブリッド車などは、バッテリーが十分充電されている限り、エンジンはかからないので安心です。サブバッテリーがあるキャンピングカーも、エンジンをかけずに車内で電源を使えるという点では同様です。

ちなみに日産では、車内をもう1つの仕事部屋として安全・快適に活用するためのテクニックをまとめたサイト「#OneMoreRoom(ワンモアルーム)」を公開中です。

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日産では、クルマでの在宅勤務に関する工夫や注意点を公式ホームページで公開中

このサイトでは、段ボールを使いクルマで作業可能なPC用ディスクや、家庭にある料理用ボウルを利用したWiFiの速度を上げるアンテナなどの作り方を紹介。

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ダンボールを利用したpcディスクの作り方

また、クルマ内の狭い空間で長時間作業する場合に気をつけたい「エコノミークラス症候群」対策のストレッチ法なども掲載されています。

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クルマで仕事する場合は、エコノミー症候群などにも注意

ほかにも同サイトには、公衆衛生専門家による衛生管理面のアドバイスも出ています。

・車内で仕事する開始前と開始後の手洗いやうがい、消毒を忘れずに
・車内作業中は目や口などに触れないように
・温度調整は車内の酸素が薄くならないようにエアコンより先に窓を開けて換気する
・熱中症予防のためにこまめに水分を取る

など、新型コロナウイルス感染予防だけでなく、それ以外の健康面などに関する助言が掲載されています。

興味がある方は、一度サイトをチェックしてみて下さい。

(文:平塚直樹 写真:トヨタ自動車、日産自動車、三菱自動車、塚田勝弘)