ニキ・ラウダの死から1年。ハミルトン「本当に寂しい。彼は僕の偉大な支えでいてくれた」と偲ぶ

 ルイス・ハミルトンは、ニキ・ラウダの不在が今もメルセデスF1チームとハミルトン自身に重くのしかかっていると語った。またハミルトンは、F1の伝説であったラウダと過去に交わしたテキストメッセージをよく読み返していることを明らかにした。

 メルセデスのノンエグゼクティブチェアマンとして、多くの人々に対して特に印象的な存在感を放っていたラウダは、逝去から1年経った今もF1パドックで大いに惜しまれている。

 ラウダは2018年の夏に彼の命を救うための肺移植手術を受けたが、それから1年後に手術に関連した合併症で亡くなり、メルセデスF1は大きな衝撃を受けた。チーム代表であり友人でもあったトト・ウォルフとハミルトンは、強い喪失感を覚えた。

「テキストメッセージが来ないから寂しいよ。動画を共有したりね。今もたくさんのやりとりを残していて、時々見返すんだ」とハミルトンはラウダを偲んだ。

「もう一度言うけれど、彼のサポートなしでは僕はこのチームに来る気にはならなかっただろう。彼の支援なしには、今もチームにいることはなかった。彼の力なしでは、このチームが成功できたとは思えない」

「取締役会に出て、みんなを説得してやりこめてしまうんだ。彼はそれが最高に得意だった。それでも僕には本心で接してくれた。元レーシングドライバーで役員でもあるトトや、レーシングドライバーではなかった人々との架け橋になってくれた。理解を示してくれる真のチャンピオンであり、ミスをしたときには週末につぐ週末に結果を出すことがいかに難しいか共感してくれた」

「彼はそうした面で僕にとって偉大な支えでいてくれた。だから彼がいなくて本当に寂しい」

 肺移植後のラウダの病状から、彼は完全に回復するだろうと見られていた。だが2018年のクリスマスの時期にイビサ島の自宅で悪性のインフルエンザに感染したラウダは、再入院を余儀なくされた。そして残念ながらラウダは、モナコGPの週末のほんの数日前である2019年5月20日に息を引き取った。

 ハミルトンは、スイスの私立クリニックで透析を受けていたときのラウダを訪れている。

「彼の姿を見るのは本当につらかった。僕たちは動画を送りあっていて、僕は彼の最悪の状態も見ていた。でも彼は車椅子に乗るまでになっていたから、僕は希望を持っていた」

「そして彼は再度病気になり、悪化し始めていった。僕が彼に会いに行ったのはそのころだ。大切な人がベッドにいてチューブに繋がれているのをみるのはショックなことだった。でも僕は前にも経験がある。僕のおばがガンで亡くなったとき、そうしたことを目にした」

「でもショックなのは変わらない。彼の精神、まだ輝いている明るい精神を目にすることができるのに、それに少し影がさしてしまうんだよ」

「そして彼のファイティングスピリットは弱まり始めた。あれだけ長い闘病を経てきたのだからごく自然なことだ。それによって僕は打ちのめされた」