ベントレー バカラルが見せる6つの提案。コーチビルディングに原点回帰した高級車の世界とは

ベントレー バカラルが見せる6つの提案。コーチビルディングに原点回帰した高級車の世界とは

Bentley Mulliner Bacalar

ベントレー マリナー バカラル

1台として同じ仕様がないバカラル

ベントレーのビスポーク部門「マリナー」が手掛ける新型車、バカラル。生産台数わずか12台という稀少な2シーターオープンは、内外装すべてにコーチビルディングの粋をこらし、カスタマーの要望に応じて1台ずつがハンドメイドで製作される。すべてビスポークとなるため価格に幅はあるものの、およそ150万ポンド(約2億円)といわれ、12台はすでに完売している。

2020年4月6日現在、英国クルーの工場は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて製造作業を停止しているが、独創的なビスポークモデル開発の取り組みは流れを止めることなく続けられる。

ベントレー マリナー バカラルのフロント走行イメージ

コーチビルディングというベントレーの原点

マリナーはバカラルの製作を通し、「目の肥えた限られたカスタマーのために特別な1台をコーチビルドする」という原点に立ち返る。ドアパネル一枚すら他のベントレーモデルとは共有していない。顧客のひとりひとりとマリナー部門スタッフが協力して生み出す12台のすべてが世界にひとつだけの仕様となる。

今回マリナーは、うち6台のバカラルについてのコンセプトを発表。現代が誇る最高峰のコーチビルディングの世界の一端を示した。

ベントレー マリナー バカラルのキャビンイメージ

ベントレーのカラー&トリム部門トップを務めるマリア・マルダーは説明する。

「今回我々が提案した6台の仕様は、それぞれに異なる個性と目的を備えています。同時に、バカラルはパーソナライゼーションの可能性と細部に至る仕立てのレベルを体現する存在です」

「もみ殻の灰から再生した顔料を用いた『イエロー フレーム』や、伝統的な『モスグリーン』のボディカラーをはじめ、パイピングのひとつひとつ、ファブリックの組み合わせに至るまで、バカラルには様々な提案を用意しています」

不文律の美学と時代に則したものづくり。その両方を追求して生み出す現代最高峰のコーチビルディングの世界を覗いてみよう。

ベントレー マリナー バカラル クラーケンウェル仕様のリヤビュー

レーススピリットを体現するクラーケンウェル仕様

「クラーケンウェル(Clerkenwell)」仕様は、英国の伝統的レーシングスピリットを象徴するモデル。ロンドン中心部のやや東に位置するクラーケンウェル地区には歴史的建築物とともに注目のショップやレストランが軒を連ね、もっともクリエイティブなエリアとして知られている。

外板色にはモスグリーンを、内装にはカンブリアン グリーンとゴールデン オークのハイドレザーを採用。サドルステッチやチェルトナム ツイードといった英国伝統の馬術を彷彿させる意匠を取り込んでいる。また、アンティーク家具を思わせる「ハニー ラーチ」と呼ばれる新しいウッドパネルも装備。エクステリアのブライトウェア(光沢仕上げパーツ)はダークブロンズ色とした。

ベントレー マリナー バカラル クラーケンウェル仕様のインテリアイメージ

内外装ともに深みのあるグリーンとブラウンの印象的なコントラストでまとめあげたクラーケンウェル仕様は、かつてベントレーが戦ったブルックランズのサーキットに息づいていたスピリットを現代へ伝える。

ベントレー マリナー バカラル メンロー仕様のリヤビュー

シリコンバレーの時代性をまとったメンロー仕様

米カリフォルニアのシリコンバレーの都市、メンローパーク。テクノロジー産業の中心地として時代をリードする多くの企業家が集まるエリアであり、メンロー仕様はその精神性を具現するモデルだ。

外板色は目の覚めるようなコバルトブルー。内装にはベルーガ(黒)基調のハイドレザーをベースに、鮮やかなサイバーイエローのアクセントを大胆に配した。ウッドパネルはピアノブラック仕上げとし、深みのあるグレーのアルカンターラを組み合わせて内装をモダンな空気で満たしている。

ベントレー マリナー バカラル メンロー仕様のインテリアイメージ

クラーケンウェル仕様とは好対照を成すメンロー仕様は、マリナーのもつ柔軟かつ幅広い感性を証明する1台ともいえる。

ベントレー マリナー バカラル フルトン仕様のリヤビュー

イノベーションを可視化したフルトン仕様

シカゴのダウンタウンに隣接するフルトンリバー地区に由来する仕様。フルトンにはテック関連企業も多く、新たなイノベーション地区として都市開発が進んでいる。

外板色には塗面がいまにもとろけそうで、濃密で深い光沢を放つラッカー レッドを使用。内装で注目したいのが、オープンポア(導管を塗料で塞がず木肌の表情を活かす仕立て)のウッドパネルに採用した5000年前のオーク材だ。

およそ5000年前、イギリス東部、イースト・アングリア地方フェンランドと呼ばれる平地には古代の森が存在したという。悠久の時を経て海抜が徐々に上昇し、森に生えていたオークの木々は泥炭の中に埋もれて保護されるように眠り続けてきた。

ベントレー マリナー バカラル フルトン仕様のインテリアイメージ

2012年まで誰の目にも触れないままだったこの“黒い宝”は、13メートルもの巨大な幹を発見した専門家により見出された。切り出され、乾燥されたウッドは独特の肌あいや節、表情をもち、ラグジュアリーなグランドツアラーに相応しい品格をもたらしている。古い資源をイノベーションにより現代の自動車部材として見事に蘇らせた好例だろう。

パーフォレート(孔)仕立てのベルーガ(黒)ハイドレザーには赤のステッチでアクセントを加え、アルカンターラ素材やグロスブラックパーツを組み合わせることで現代的な軽やかさも演出した。

ベントレー マリナー バカラル グリニッジ仕様のリヤビュー

独特の色彩センスが光るグリニッジ仕様

ロンドン郊外の川沿いの街、グリニッジ。大航海時代のイギリスを支えた海事都市の名を掲げる仕様は、クラシックでありながら進化を続けるスピリットを象徴する。

ベントレー マリナー バカラル グリニッジ仕様のインテリアイメージ

外板色には「ニュー グレー」と呼ぶペイントを採用し、内装はクリケットのボールを思わせる赤いハイドレザーにグレーのツイード素材を組み合わせた。赤と黒、グレーを基調とした内装にキャメル色のステッチを施すなど、独特の色彩感覚が光る。

ベントレー マリナー バカラル ブリッケル仕様のリヤビュー

大胆なボディカラーが強さを主張するブリッケル仕様

マイアミの金融都市、ブリッケルには高層ビルや高級アパートメント、ギャラリーやブティックが建ち並ぶ。その街に生きる活動的な人々をイメージしたブリッケル仕様は、「アトム シルバー」と呼ぶ大胆な外板色が特徴的だ。エネルギッシュなエリアの空気に通じる、揺るぎない自信と個性を周囲に主張する。

ベントレー マリナー バカラル ブリッケル仕様のインテリアイメージ

フルトン仕様と同様にオープンポアのウッドパネルには5000年前のオーク材を活用。ピアノブラック仕上げのパネルやグレーのツイード素材を組み合わせることで、クラス感と洗練された雰囲気を強調した。

ベントレー マリナー バカラル ランドウィック仕様のリヤビュー

バカラルのイメージモデル、ランドウィック仕様

バカラルの訴求モデルとして仕立てられたのが「ランドウィック」仕様。シドニー郊外のランドウィックに降り注ぐ太陽の光を思わせるようなボディカラーを採用した。

バカラルはあくまで「現代のコーチビルディング」を体現する存在であり、高価で豪華なマテリアルのみを追求せず、環境に対する責任も提唱。ランドウィック仕様がまとう「イエロー フレーム」と呼ぶ外板色には、米産業の副残物であるもみ殻の灰を再利用している。脱稃工程でできる大量のもみ殻は土壌で分解しづらい性質をもつため、その残渣を有効活用することは環境問題の一助となる。

ベントレー マリナー バカラル ランドウィック仕様のインテリアイメージ

内装材のブライトウェア(光沢仕上げパーツ)にもベントレー初となるダークブロンズを採用するなど新しい挑戦を見せる一方で、伝統的なクラフツマンシップが息づく。ファブリック素材では、一世紀にわたり培ってきた生地づくりのメソッドや伝統的な英国織物工房との協力体制により独自の世界観を継承。ベルーガ(黒)ハイドレザーやグレーのツイード素材、さらに5000年前のオーク材を活用したオープンポアのウッドパネルも組み合わせた。

ベントレー マリナー バカラルのデザインコンペ用インテリアイメージ

ツイッター上で自分のバカラル仕様をプロが審査

また、ベントレーはツイッターの公式コミュニケーション用アカウントでバカラルのデザインコンペ「デザイン ユア オウン バカラル」を実施する。

バカラルのエクステリア及びインテリアのダウンロード用イメージを公開しており、ツイートされた「自分仕様のバカラル」の中からベントレーのデザインチームがこれぞという1台を選出。公式チャンネル上で公開される。

ベントレーの公式アカウント「@BentleyComms」を通じて世界中からチャレンジできるバカラルのデザインコンペ。大人から子供までが家の中で真剣に楽しむことのできるイベントに、是非この機会に挑戦してみてはいかがだろう。