大容量バッテリー搭載のハイブリッド車でもバッテリーは上がる! 上がったときはどうする?

●なぜハイブリッド車でもバッテリーがあがるのか? 仕組みを理解すれば、対処法もわかる

燃費が良い、静か、環境に優しいといったイメージが広がり、日本ではハイブリッド車を選ぶ人が増えています。普通のガソリン車と大きな違いも少なく、簡単に運転操作ができる反面、ハイブリッド車特有の機能や仕組みを理解しておかないと、いざというときに対処ができないということもあるでしょう。

今回は、ハイブリッド車でも起こりえる「バッテリーあがり」の仕組みと対処法について、解説していきます。

ハイブリッド車
拡大し続けるハイブリッド車には、ガソリン車とは少し違う操作方法があります。

・ハイブリッドバッテリーと補機バッテリー、ハイブリッド車には二種類のバッテリーがある

ハイブリッド車には、大型の駆動用バッテリーが搭載されています。ニッケル水素やリチウムイオンを使用した電池を積み込み、駆動用のモーターを動かしているのです。また、電動エアコンコンプレッサーを使用して、カーエアコンの稼働も担っています。

対して、クルマの装備の中で電気を使って動いている、ライト類やワイパー、電動ロックやスライドドア、カーオーディオなどは、ハイブリッドバッテリーではなく補機バッテリーから電気をもらって動いているのです。補機バッテリーとは、ハイブリッド車以外でも使われている12Vのカーバッテリーの事を指します。補機バッテリーは、エンジンルーム内ではなく、トランクルームやシート下などに配置されていることが多いです。

補機バッテリー
30系プリウスの補機バッテリーの搭載場所はトランクルームの下で、普段は見えない場所に搭載されています。

ハイブリッド車のエンジンがかかった状態にするにも、この補機バッテリーの電気を使っており、補機バッテリーが上がってしまうと、エンジンがかからなくなってしまうのです。

・ハイブリッドバッテリーと補機バッテリーは相互で充電を行わない

ハイブリッドバッテリーと補機バッテリーでは、使っている電圧が異なります。補機バッテリーは、12Vの電圧を使用しますが、ハイブリッドバッテリーでは高電圧の200V以上の電圧を使っています。

例えば、ハイブリッドバッテリーが少なくなってきたから、補機バッテリーから充電する、または、補機バッテリーが少なくなってきたからハイブリッドバッテリーの電気を分けてあげようという仕組みは取られていません。したがって、どちらかのバッテリーが弱っていても、助け合うということはできないのです。

・ハイブリッド車のジャンピングスタート方法

それでは、ハイブリッド車のバッテリーが上がってしまった場合の対処方法を紹介していきます。用意するものは、バッテリーが上がったハイブリッドカー、救援車(ガソリンエンジン車)、ブースターケーブルです。

多くのハイブリッドカーでは、エンジンルーム内のヒューズボックス内に、救援用端子が設置されており、この救援用端子にブースターケーブルを繋げます。

救援用端子
ヒューズボックス内の救援用端子は、赤いカバーがついていて「+」の文字が書かれています。

1、救援車とバッテリーが上がったクルマ同士を近づけます。

2、救援車のエンジンをかけて、救援中もかけっぱなしにしておきます。

3、ブースターケーブルを準備し、バッテリーが上がったクルマの救援用端子に、ブースターケーブルの赤い線を取り付けます。

救援用端子2
救援用端子のカバーを外して、出てきた金属に、ブースターケーブルの赤を取り付けます。

4、救援車側のバッテリーのプラス端子に、ブースターケーブルの赤い線の反対側を取り付けます。

5、救援車のバッテリーのマイナス端子に、ブースターケーブルの黒い線を取り付けます。

6、ハイブリッド車のエンジンルーム内の金属部分(エンジンフレーム等)に、ブースターケーブルの黒い線の反対側を取り付けます。

エンジンマウント
マイナス端子は、エンジンルーム内のしっかりとした金属部分に接続します。

7、すべて装着が完了したら、ハイブリッド車のエンジンをかけます。

8、エンジンがかかったのを確認したら、ブースターケーブルを外していきます。取り付けた時の逆の手順で、ハイブリッド車の黒いケーブルから外していき、救援車の黒いケーブル、救援車の赤いケーブル、ハイブリッド車の赤いケーブルの順に外せば作業は完了です。

救援を受けてエンジンがかけられるようになったハイブリッド車は、しばらく走行をするか、エンジンをかけたまま置いておきましょう。走行したり、エンジンをかけ続けておけば、補機バッテリーへの充電が行われていきます。

なお、基本的にハイブリッド車は、救援を受けることはできますが救援することはできません。エンジンルーム内に配置された救援用端子では、電気を受けることはできますが、外に出すことはできません。

また、トランクルームなどにある補機バッテリーから直接電気を取る場合でも、アイドリングストップ制御が入り、常時エンジンを回し続けることができないハイブリッド車では、ジャンピングスタートをしてあげることはできないので注意が必要です。

まとめ

ハイブリッド車でもバッテリー上がりは発生します。直接バッテリー同士をつなぐのではなく、救援用端子を使用してジャンピングスタートを行うところが、普通のガソリン車と違うところになります。救援される側になってしまった時に、スマートに対処できるように、ハイブリッド車ユーザーは、この方法を覚えておきましょう。

(文・写真:佐々木 亘)