F1アゼルバイジャンGP、メルボルンの二の舞を避ける「開催直前の中止は主催者にとって災難」

 F1アゼルバイジャンGPの主催者は、新型コロナウイルスの世界的な蔓延により今年の開催を無期限に延期する決定を下したについて、開催直前にグランプリを中止することは主催者にとって災難であり、そういう事態を避ける必要があったと述べた。

 もともと6月5〜7日に予定されていたアゼルバイジャンGPだが、5月末までに予定されていたレースが延期または中止となったため、アゼルバイジャンGPがシーズン開幕戦になるとみられていた。

 しかしモナコGPと同様に暫定的なストリートサーキットで行われるアゼルバイジャンGPでは、レースウイークエンドに間に合わせるための何週間にもわたる工事が必要になる。

 バクー・シティー・サーキットのエグゼクティブディレクターを務めるアリフ・ラヒモフは今週、「サーキットを設営し始めるデッドラインは3月半ばだった」と『RACER』誌に語った。

「我々はレース開催可否の決定を下すためにそれ(設営の開始日)を1週間延長し、サーキットの設営を始めるべき最終日に決定を下した」

「コース設営を少しでも始める前に決定を下した。そうでなければ資金が無駄になるし、もちろんそれは理想的なことではない。この点は我々が社内で設定した期限の主な要点のひとつだった。我々は確実に不要な費用を負担することがないようにしたかったのだ」

「サーキット設営のためにすべての資金を費やしたのに、実際にはレースをしないことになったら、完全な惨事となってしまう」

 直前の中止は最悪の筋書きとなってしまう。メルボルンでの開幕戦オーストラリアGPでは、その週末最初のフリー走行を見るためにファンがゲートに並んでいたにもかかわらず、金曜日の朝に中止が決定されたのだ。

 ラヒモフは「どの主催者も、オーストラリアGPの主催者が置かれた状況に陥るべきではないということを特に言っておきたい」と述べ、特にオーストラリアGPのCEOを務めるアンドリュー・ウェスタコットの苦境に同情するという。

「彼が経験しなければならなかったことはまったく酷いことで、直前にグランプリを中止することは主催者にとって災難だと思う。このようなレースには多大な努力が注がれているのだ」

「オーストラリアも常設サーキットではないので、彼らはサーキット設営に多くの時間と資金、およびエネルギーを費やしたと思う」

「そうして直前にグランプリ中止を決めなければならないことは、間違いなく災難だ。私が考えるに、これは今すべての主催者が避けたいことだ」

 しかし、少なくともラヒモフと経営陣がグランプリの準備を進めるかどうかの重要な決断に直面した際、メルボルンで起きたことの事例は非常に貴重であったことが証明された。

「これらすべてのレースが延期され、オーストラリアでの極端な前例があることで事態が和らぐことは決してないが、自分の立場を相手側に説明しようとする時により論理的になる」

「前例がある場合、誰とでも仕事をするのが簡単になる。耐えている痛みを誰もが理解してくれるからだ」

 F1のCEOを務めるチェイス・キャリーは、ある時点で2020年シーズンを開幕し、15から18レースを開催することを今も望んでいると述べている。

 しかし準備のために事前に数カ月前の明確な通知を必要とするレースは、2020年中に日程を再調整されることは確実にないだろう。現在2020年中の中止が確定しているレースはオーストラリアとモナコだ。

 しかしアゼルバイジャンGPもサーキットの準備にかかる時間ということを考えると、モナコと同じ状況にある。同様に、モントリオールのノートルダム島にある半常設のジル・ビルヌーブ・サーキットで開催されるカナダGPでさえ、リスクを抱えている。

 そのため、チャンピオンシップについては延期されているシーズンを6月28日にフランスのポール・リカールで開幕することが見込まれている。また延期されたレースは、ハンガリーGPとベルギーGPの週末の間の、本来サマーブレイク期間であった8月に組み込まれるだろう。