レバー1本でアクセル&回生ブレーキを操作可能なADIVA VX-1は新感覚の電動スクーターだ!

■電動バイクの入り口としてもってこいなのがVX-1

ADIVAはイタリアで生まれた、ルーフ付き車両と3輪機構という乗り手の快適性を飛躍する機構をいち早く取り入れたことで有名となったメーカーです。VX-1は1996年に創立されたメーカー「Vectrix」の製品で、このVX-1のベースとなったモデルの登場はなんと2006年。すでに15年近く市場に存在する電動バイクですが、現在もポーランドを拠点にVX-1は製造と進化を続けています。

日本で取り扱っているのは、昨年よりaidea株式会社と改名し、オリジナルブランドで電動車両の開発・販売を予定している企業です。

VX1全景
イタリアンな赤は街の中で映えます。

●CHAdeMOに対応する数少ない電動バイク

早速ですが、この車両の魅力はなんと言ってもCHAdeMO充電に対応していることではないでしょうか。

電気自動車では当たり前でも、2輪ではほとんど対応をしていないCHAdeMO充電。街中での移動が中心であれば急速充電の必要性は少ないかもしれませんが、ツーリングで高速道路を多用する場合などは、これがないと電動バイクの弱点が露呈することになってしまいます。

VX1走行内側02
街中をほぼ無音で移動するのは最初戸惑いますが、色々な周りの音を聞く余裕ができると一般道でも楽しくなります。

CHAdeMO充電以外に、VX-1に乗ってみるとわかる利点はいくつもあります。それを一つずつご紹介していきましょう。

●安定性が高い

VX1走行写真03
ゆるいカーブでもふらつくことなく思った方向に曲がっていけます。

タイヤは小径ですが、これまで数々の電動バイクを乗った経験からも車両のバランスが非常に良いのが感じられます。

バッテリーは低い位置に搭載してあるのですが、車体を倒すときにその重さを感じません。他の電動バイクではどうしてもバッテリーの重量が旋回時の抵抗になるのですが、VX-1は全くと言っていいほどそれがないのです。通常のスクーターと同様にひらひらと旋回を楽しめます。

VX1フレーム設計
ゴツゴツしていますが、バッテリーが低重心に置かれている設計のおかげで電動の欠点が見事に克服されています。(公式サイトより)

今回は試せませんでしたが、パッセンジャーを乗せても問題なさそう。もしかしたらバッテリーの重量のおかげで逆にパッセンジャー重量の影響が少なくなるかもしれません。これはぜひ次回に試してみたいですね。

●回生ブレーキだけで止まれる

VX1ハンドル右
キルスイッチ(モーターオン/オフ)のみのシンプルなレイアウト。右グリップを奥に回すと回生ブレーキとバック

右側のグリップがスロットルですが、走行中、奥にぐいっと回すと回生ブレーキがかかります。回す加減で回生ブレーキの効きも調整することができます。

回生ブレーキ
加速と減速を一つのグリップでできるのはかなり快適です。(公式サイトより)

これが思っていた以上にコントロール性が良く、快適です。グイッと回せばグググゥとしっかり減速してくれて、物理ブレーキを使わなくても十分に止まることができます。優しく押し込めば、その分だけゆっくりと減速して停止します。

さすがに物理ブレーキほどの急制動はできませんが、普段からしっかりと車間距離を守って走っているライダーなら回生ブレーキだけで事足ります。

右手だけで加速と減速ができるという感覚は新鮮ですし、ブレーキパッドも長持ちするというメリットがあります。

●リバース機構が重宝

回生ブレーキで完全停止をするとそのまま止まった状態を保つのですが、一旦グリップを戻してから再度奥に回すとリバース機構が働き、車両がバックします。ちょっと後ろに下がりたいときや、下り坂に前向きで停車したいときなどに重宝します。

車両重量が192kg〜(バッテリーの種類により236kgまで)のバイクをスムーズに移動できるのはスマートですし、パッセンジャーが乗っていてもふらつかずにバックできるのはかなり安心です。

●維持費が安い

これは電動バイクの大きな利点。ガソリン代と比べて電気代はおおよそ3分の1になる目安(充電・走行環境による)です。また前述したとおり、回生ブレーキのおかげでブレーキパッドは減りにくいですし、モーターとバッテリーは基本的にはノーメンテナンスです。メーカー保証は車体が2年30,000kmまで、バッテリーが3年または45,000kmまで(新品の85%容量を保証)となっています。さらに、この車両においては軽2輪扱いなので車検も不用です。

VX1ポジション
ライダー(180cm)だと足がちょっとキツめですが、走行中はそこまで気になりません。

乗れば乗るほど、電動バイクはお得になると言えるかもしれません。

●快適機能も充実

VX-1は、通常の快適機能も充実しています。

・インテグラルブレーキ

VX1ハンドル左 
リアブレーキレバーで前後のブレーキが作動。スイッチ類も不具合なく使いやすい配置

リアブレーキレバーから前後ブレーキに力を配分して制動力を的確に発揮できる機構です。ギュッと握らなくてもリアタイヤが鳴くほどで、制動力は強力です。回生ブレーキで普段は事足りますが、緊急時には心強いブレーキ性能です。

・ヘルメット収納

VX1シート下収納
フルフェイスが一つ収納できるシートした収納。リアボックスを使えばここは他の荷物の収納にちょうど良いサイズ。

シート下の収納は、ヘルメットが一つ入ります。二人乗りがメインだったり、大きな買い物に行ったりするにはちょっと足りませんが、そういう場合はリアボックスを装備するといいでしょう。ヘルメットや大きな荷物はリアボックス、小物類や大切な荷物はシート下収納といった具合に使い分けるとグッドです。

・USB充電

VX1充電
J携帯の充電ができるのはありがたいです。試乗車はCHAdeMOではなくJ1772搭載でした。

今や、スマホをナビ代わりに使うのは当たり前。USB電源が最初からついているとかなり助かります。

・メーター周り

VX-1 メーター周り
視野性もよく、必要な情報が見やすく表示されます。(公式サイトより)

速度計や距離計のほか、バッテリー残量やモーターに通電しているか(発進できるか)の確認ができる表示など、必要な情報は網羅してあるので安心です。

一つの液晶に多くの情報が詰め込まれると走行中は目が迷ってしまいますが、大きく分かれたシンプルなメーターはライダーとしてありがたいですね。

●大事なのは実際に乗って体験すること

今回ご紹介したVX-1は、ガソリン車にはない回生ブレーキなど電動バイクの楽しさを初体験するにはもってこいの車両です。

走りは、瞬発的な加速重視というより、トルクの続く加速感を扱いやすい範囲でしっかりと管理してある感じ。最新の大型電動バイクにありがちな暴力的な加速ではなく、雲に乗ったようなフワーッと続く加速を楽しむことができます。

電動バイクに興味を持ったライダーに「電動の入門として乗ってみて」と勧められるのがVX-1です。長年の蓄積による高レベルでの作り込みと性能、そして先進性は、「ザ・電動的快適モデル」と言えます。まずはこれに乗ってから電動バイクの指標を理解するのもありだと思います。

VX-1の価格は116万円からですが、日本での販売は在庫のみとなっており、今後は新しいモデルに変わっていくとのこと。

東京都港区赤坂にあるaideaのショールームでは試乗もできるそうなので、新型に乗る前にVX-1を知っておくと、電動バイクの進化や電動制御の変化なども感じられるかもしれません。これからやってくる電動バイクの時代を学ぶ上でも、一度試乗してみるといいかもしれません。

【電動スペック】
・モーター ブラシレスDCモーター(インホイール)
・バッテリー リチウムイオン133V
・バッテリー容量 7.2kWh/10.8kWh/14.4kWh
・航続距離 130km/200km/270km
・充電時間(200V交流) 2.2時間/3.3時間/4.4時間
・充電サイクル 1800回(充電、走行環境で変わります)