相場が上がり続けるロータリースポーツ、マツダRX-7が欲しいなら迷っている暇はない!【中古スポーツカー・バイヤーズガイド】

■普通に乗れるマツダRX-7(FD3S)が欲しいなら350万円が目安

●FD3Sなら狙い目は中後期。ロータリー入門ならRX-8がオススメ

FD3S型RX-7
数年前から急激に中古車相場が上がったFD3S型RX-7ですが、今後相場はどう動くのでしょうか。RX-7専門店であるガレージRさんのお話を参考にしたいです。

マツダを代表するスポーツカーだったRX-7は、ロータリーエンジンを搭載していました。世界で唯一、マツダが量産に成功したロータリーエンジンは、悲しいかな現在生産されていません。なくなってしまうと欲しくなるのは人情ですが、現在ロータリーエンジンを搭載するRX-7の中古車相場は上がり続けているように思えます。R32スカイラインGT-Rや80スープラほどではないにしろ、いずれRX-7も買えないくらい相場が上がってしまうのでしょうか。

ところが、これからRX-7に乗りたいと考えているなら、今が買い時かもしれません。というのも、今回取材のために訪れたRX-7専門店「ガレージR」さんで、衝撃的な事実を教えてもらえたからです。

ガレージR本店
取材でお邪魔したのはロータリーエンジン搭載のスポーツカーを専門に取り扱っているガレージR本店さん。FD3Sの在庫数なら全国有数の規模です。

【マツダRX-7ヒストリー】

SA22C型
1978年に発売開始され1985年まで作られた初代サバンナRX-7(SA22C型)。もはや市場に出回る数は少なく希少車扱いです。
FC3S
1985年にフルモデルチェンジしたサバンナRX-7(FC3S)。前期モデルは圧倒的に少なく、エンジンの修理も難しい状況です。
FC3S後期型
1989年のマイナーチェンジで後期型になるFC3S。市場に出てくるのはほぼこの後期型ですが、その相場はあってないようなものです。
FD3S
1991年にフルモデルチェンジしてサバンナからアンフィニRX-7となった3代目FD3S。前期モデルは海外に出てしまうことが多く国内では減少傾向です。
FD3S(5型)
1999年に5型の後期型に切り替わるとエンジン出力が280psに向上したこともあって人気です。国内で出回るのは4型以降になっています。
FD3S(6型)
2000年に6型になったFDの最終モデル、2001年発売のタイプRバサーストRで黄色だと、中古車相場は400万円を切ることはなくなります。

●ガレージRが4-6型の中後期のみを仕入れる理由とは?

「今、市場に流通しているRX-7は大半が商品にならないくらい傷んでいます。これは古いFC3SだけでなくFDでもそうなのです」というのです。外観が良くて仕入れたものの、商品にできないような粗悪車が数多く流通しているのが現実です。これは年式の古さばかりでなく、ピュアスポーツカーというRX-7の性格上、仕方ない部分もあります。走りに振ったチューニングを徹底した結果、普通に乗れないクルマになってしまった、ハードサスペンションで走り続けたため、ボディが悲鳴をあげるなど、問題のある個体が多いのも事実です」

このことを踏まえ、ガレージRさんでは「FDで言えば1型から3型までは在庫しません。商品にするのは4型から6型までの中後期に絞っています」とのことです。今回お話を聞いたのは、ガレージR本店の車谷優樹店長です。ロータリーエンジン搭載車に絞ってお話を聞いたところ、興味深いことを教えてくれました。

車谷優樹店長
ガレージR本店の車谷優樹店長にお話を聞きました。同じグループ会社であるキングバイヤーさんで店長を務めていたこともあり、ロータリーだけでなく国産スポーツに精通されています。

「今、RX-7に乗ろうとするのは圧倒的に若い人なんです。確かに子供が大きくなって余裕の生まれた50代60代という方もいますが、8割から9割のお客様が20代の若い方です」
若い人がRX-7を買いに来るなんて思いもしませんでした。彼らはオジサンたちとは違う目線で中古車を選んでいるようです。

「ロータリーエンジンに憧れる気持ちが強いマニアックな方が大半です。若いからといってチューニングやカスタムに興味はないようです。当店で購入された方の大半が展示されている状態のまま納車され、数年して買い取る時も納車時のままというクルマばかりです」と、スポーツカーの雰囲気を味わうことが主流になったようです。

●FD3Sの相場は100万円台後半から700万円程度と幅が広い

とはいえ、現在FDをはじめとするRX-7の中古車相場は上がる一方に思えます。二桁で流通する個体はほぼなく、一般的に100万円台後半が底辺になっています。上は300万円台後半から600万円、700万円といったものまで現れるようになりました。やはり5万キロ未満の低走行距離で車庫保管されていた1オーナー車などでは、とんてもない価格になります。そこまではいらないから、普通に乗れるFDが欲しいという場合でも、「350万円ほど見てもらえれば選ぶことができます」と車谷店長も言います。

また、興味深いのは、現在の中古車市場に前期型のFDはほぼ流通していないということです。なぜそうなったかと言えば「前期型はアメリカでの25年縛りがなくなる年式なので、ぶっちぎりで相場が高いのです。最終モデルと変わらない相場になっていますので、リスクの高い低年式より高年式を仕入れます」とのことです。

R32スカイラインGT-Rがアメリカで大ブームになったことと同じ現象がRX-7でも見られます。80スープラもそうでしたが、RX-7はアメリカで新車販売されていたのに、日本の中古車に人気が集中しています。これは日本で走っている「右ハンドル」であることに意味があるのです。そのため海外のバイヤーが日本にアメリカでの相場で買い付けに来ます。自然と日本の中古車相場も上がってしまうのです。

●海外の日本スポーツカーブームのピークは過ぎた!?

「海外から買い付けに来るバイヤーが程度の良いFDを輸出します。すると国内にある個体がどんどん減り、結果的に相場が上がり続けます。これでは負のスパイラルですよね」と車谷店長も現状を嘆いています。とはいえ「弊社では輸出をしません。国内のお客様が欲しいと思えるクルマを残さないと、自分たちも商売にならなくなってしまいます」と将来を見据えているそうです。また専門店らしく、一度販売したクルマが下取りなどで戻ってくるケースも多いそうです。

悲しい現実と言えますが、少しは明るい未来も見えてきたようです。「例えば日本で300万円とか500万円で買い付けたRX-7をアメリカなどに輸出すると、関税などがプラスされて現地での販売価格は1000万円を超えてしまいます。そんなクルマを買うのは普通の人ではなく富裕層ですよね。だからいずれ飽きるんです。すでにR32GT-Rの相場は戻り始めました。といっても5年前の水準まで戻ることはないのですが、すでにピークは過ぎたと考えています」というのです。海外で人気トップにあるR32スカイラインGT-Rの相場が戻り始めたということは、それ以外の車種なら尚更相場が下がると考えられます。

また、ロータリーエンジンを搭載しているということも海外での人気に影を落とします。GT-Rやスープラに搭載されているのは、通常のレシプロエンジンです。レシプロであれば修理やチューニングのノウハウを持つショップや工場が海外にもたくさんあります。ところがロータリーエンジンを量産したのはマツダだけですから、修理やチューニングに長けている業者が海外には多くありません。こんな点から、GT-RやスープラほどRX-7の人気が高まらないのだと言えるのです。

●FC3Sはもはやコレクターズアイテム化

では、FDより古いFC3Sになるとどうでしょう。「すでに市場に出回る数が少なすぎて相場がなくなってしまいました」と、さすがに年式の古さを反映したことになっています。現在販売されているFCに関しては、個体それぞれで価格が大きく異なります。良いものにはとんでもない価格が付き、それ以外は普通の人が購入するレベルではないものばかりです。「販売する業者の言い値になっている部分が強いです。例えばハコスカみたいな扱いですね」と、もはや旧車の部類として業者・ユーザーともに認識されているのです。

サバンナRX-7
さすがに初代は流通数が激減しましたが、2代目サバンナRX-7(FC)ならまだ見つかります。とはいえ相場はなくショップや程度により価格が決まる旧車の扱いです。

●RX-8はロータリー入門としてお買い得と太鼓判!

FCが旧車の範疇であれば、FDの後に発売された最後のロータリー搭載車、RX-8はどうでしょう。「FDと比べたら壊れないし乗りやすいのでオススメです。ターボではないから遅いと思われがちですが、サーキットでもない限り十分に楽しいし速いクルマです」と太鼓判なのです。確かにターボがない自然吸気エンジンですので、トラブルになる確率はグッと下がります。またFCやFDで見られる電装部品の弱さもRX-8では解消されています。誰にでもオススメできる車種なのですが、さすがに初期モデルでは15年もの年数が経っています。できるなら高年式を選びたいところです。

では、RX-8の中古車相場はどうでしょう。前期モデルであれば100万円以下、それこそ50万円前後で買える個体が多々あります。後期モデルで良いものは200万円近くになってしまいますが、「速いクルマではないですが、ボディがしっかりしているので飛ばせるんです。同じ速度域という前提でFDだと怖いと感じるところをRX-8は安心して走れます。それにリヤシートもありますから荷物を積めます。乗り心地も良いのでFDに乗る前にロータリー入門としてRX-8を選ぶのもアリです」ということです。確かに同世代のスポーツカーとして見れば、RX-8は程度と相場が釣り合った、お買い得なクルマと言えます。スポーツカー最安と車谷店長も太鼓判を押してくれました。

RX-8
相場が上がり、おいそれと買えなくなったRX-7。ロータリー車に入門するのでしたら、相場が底値とも言えるRX-8を狙うのもアリです。

●程度の良い後期型FD3Sを選べるのは今が最後!?

一般的にレシプロより寿命が短いとされるロータリーエンジンですが、実際に壊れやすいのでしょうか。選び方を含めて尋ねてみると「正直、予測はできません。ですから予算と見た目で判断すればいいと思います」との回答でした。アペックスシールの耐久性など不安要素は正直なところありますが、いつどこでトラブルになるかは未知数です。「弊社では販売するすべてのクルマでエンジンの圧縮圧力を測定していますので、ご安心いただけると思います」とのことです。

総じてRX-7は今後、程度の良い個体が減り続けると考えられます。年数が経てば後期型でもアメリカで登録が可能になり、輸出されてしまう可能性が高いからです。それとは反対に、アメリカでの人気に陰りが見られるようになった国産スポーツカーですので、相場が落ち着く可能性もあります。いつが買い時なのか判断するのは難しいようにも思えますが、今なら程度の良い後期型が豊富に選べます。今後も同じ状況が続くとは考えにくいので、ラストチャンスは今なのかもしれません。

●GTNET埼玉さんで見つけたインプレッサの中古車をチェック!

【1台目】程度抜群の1990年式FC3SサバンナRX-7が258万円!

FC3Sの外観
最終モデルでも1991年式ですので、30年近くも前のクルマになってしまったFC3S。中古車を探すだけでも大変ですが、なんとこちらは走行距離が6万4100kmしか走っていない極上車です。
FC3Sのタイヤ
GAB製サスペンションキットでローダウンした足元にはシュテルン17インチアルミホイールを履いています。
FC3Sのエンジン
エンジンはノーマルのままですがラジエターをKOYO製に、RX-8用セルモーターにそれぞれ変更しています。
FC3Sのマフラー
ナイトスポーツ製ステンレスマフラーとナイトスポーツ製スポーツ触媒を装着しています。
FC3Sのインテリア
ステアリングがdpスポーツに変更されDefi製3連メーターを装備するインテリア。程度は上々です。
FC3Sのメーター
メーター類もノーマルのままです。スピードメーターの積算計に驚くはずです。
FC3Sのシート
シートはBRIDE製フルバケットに変更され、リヤシートレスです。MT換装と2名乗車で公認を取得しています。

【2台目】7万キロ走行の01年式FDタイプRSが328万円!

FD3Sの外観
ほぼ最終モデルになる2001年式だから6型のFD3SタイプRSは17インチホイールで人気のグレード。7万キロしか走っていないこのようなクルマには300万円を超える価格が付きます。
FD3Sのエンジン
エンジンはノーマルのままです。6型なので280psもあるからノーマルで十分といえます。
FD3Sのマフラー
マフラーだけ柿本改に変更されていますので、排気音は刺激的になっています。
FD3Sのインパネ
インテリアも基本的にノーマルです。ステアリングのホーンパッドが若干退色しています。
FD3Sのオーディオ
ケンウッドのオーディオとソニーのカーナビを装備しています。
FD3Sのシート
シートはノーマルのままで、サイドサポート部のシワが少なく程度良好です。

【3台目】希少な2型のタイプRZが178万円!

FD3Sの外観
ガレージRさんでは基本的に取り扱わない方針の初期型ですが、まれにこうした2型も見つかります。修復歴はなく300km/hメーターにされたため走行距離は不明です。
FD3Sのホイール
アドバンの17インチアルミホイールを履いた姿がブラックボディに映えています。
FD3Sのエンジン
エンジン本体はノーマルですがARC製オイルクーラーに変更されています。
FD3Sのサスペンション
フロントサスペンションはアラゴスタ製車高調に変更されています。
FD3Sのインパネ
MOMO製ステアリングが目立つインテリアは、マツダスピード製300km/hメーターに変更されています。
FD3Sのオーディオ
メーターパネルにAPEXi製水温・ブースト計が追加されています。
FD3Sのシート
リヤシートは残っていますが、フロント2脚はレカロ製フルバケットシートに変更されています。

【4台目】お買い得なRX-8は7万キロ走行で138万円!

RX-8の外観
2008年式RX-8タイプRSは修復歴がなく7万キロ走行で138万円です。同じ条件で違うスポーツカーと比べたら割安感があります。6速MTでフロントに社外リップスポイラーを追加しています。
RX-8のインパネ
ステアリングやサイドブレーキレバーの赤いステッチがキレイに残っているインテリア。カロッツェリア・カーナビを装備しています。
RX-8のメーター
タコメーターが中央に配置されるスポーティなメーターパネル。右の積算計に注目です。
RX-8のシート
キレイな運転席ですが、若干右サイドサポート部にスレがあります。といっても年式を考えたら納得です。
RX-8のリヤシート
リヤシートにはシミのような跡がありますが、クリーニングでキレイになりそうです。

取材協力:ガレージR本店 埼玉県さいたま市緑区美園5-44-6 TEL048-812-2221

※このページで紹介している中古車は、取材時点での情報です。

(写真・文/増田満)