WRC:国内情勢不安の第4戦チリは開催中止へ。2020年シーズンは全13戦での争いに

 2020年4月16~19日に予定されているWRC世界ラリー選手権第4戦チリの開催をキャンセルすると地元オーガナイザーが発表した。ラリー・チリ開催時期には憲法改正に関する国民投票が行われることから開催中止が決まった。

 南米チリを舞台にしたラリーは2019年にWRCとして初開催されたグラベル(未舗装路)イベント。開催初年度だった2019年はオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が勝利を収めた。また下位クラスのWRC2では勝田貴元(フォード・フィエスタR5)がクラス優勝を飾っている。

 チリは国内情勢が安定している国として知られているが、2019年10月末ごろから格差是正を求めるデモが行われており、一部は過激化。この影響でチリで開催予定だったアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が中止されたほか、非常事態宣言も発令されるなど、情勢不安に陥っている。

 これを受け、チリ議会は軍事独裁政権時代に制定された現行憲法の一部改正を問う国民投票を2020年4月に実施することを決定。この投票時期が2020年のラリー・チリ開催時期と重なるため、地元オーガナイザーが開催中止を決断した。

 オーガナイザーは開催中止を知らせる声明のなかで「スポーツ庁のアンドレス・オテロ次官、ビオビオ地方のセルジオ・ジャカマン知事、チリ自動車連盟のマウリッチオ・メロ総裁、そしてプロモーター側でゼネラルプロデューサーを務めるフェリペ・ホルタが参加した会合のなかで、2020年のWRC第4戦開催中止を決定した」と述べている。

「2020年4月には憲法改正に関する国民投票が行われ、この投票時期とラリーの開催時期が重なることから、2020年のラリー・チリ開催中止を決断した」

「なお、我々は2021~22年にはふたたびラリー・チリを開催するべく活動を続けていく」

 WRCプロモーターからはラリー・チリ中止に関する公式発表はされていないが、2020年のWRCは当初の発表より1戦少ない全13戦で行われる見込み。

 今後、WRCプロモーターが代替開催を検討する可能性もあるが、ラリー・チリ直前の第3戦は3月12~15日のラリー・メキシコ、直後の第5戦は4月30~5月3日のラリー・アルゼンチンと、どちらも南米大陸が舞台で、欧州圏でのラウンド追加は輸送などの面から現実的ではないとの見方が強い。