「私の思うマカオグランプリの魅力」憧れのレースに5年ぶりの参戦となった谷川達也選手【Macau Grand Prix 2019】

●年齢を重ねても参戦を続けたい

東京から遥か3,000km、グアムより遠い「アジアのラスベガス」マカオ。

直行便でも5時間以上かかるこの小さな地域で66回目の開催となったマカオグランプリに、はるばるやってきた日本人がいます。果たしてそこにはどんな魅力があるのでしょう?

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様々なレースカテゴリを経験してきた、谷川選手

今回は、これまでスーパーGTや全日本GT選手権をはじめ様々なカテゴリのレースに参戦し、アジアン・ル・マン・シリーズチャンピオンの経歴を持つ、谷川達也選手にお話を伺いました。

──はじめまして。まずは谷川選手のマカオとの関わりを教えて下さい

「よろしくお願いします。マカオグランプリには2009年から2014年まで6年連続出場した事があり、今回は5年ぶりの参戦となりました。以前も同じツーリングカー・カップで、ランエボなどと同じクラスにMAZDA RX-8で出場していました。
今回は、その時の僕の速さを覚えていてくれた方から、マカオで走らないか?というオファーをいただいて参戦することになりました。」

──やはり見ている人は見ているんですね。5年ぶりに走ってみたマカオはいかがでしたか?

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日本では馴染みのないFFターボのシボレークルーズで参戦

「コース自体は市街地コースという事でレイアウトは変わっていませんから、すぐに勘は戻ったんですけど、マシンが当時はFRのロータリーターボだったので、(今回のシボレークルーズと)パワー的にはかわらないのですが、駆動方式がFRからFFに変わったので、駆動方式によるクルマの動きの違いに戸惑いました。」

──それが予選結果に影響したということでしょうか?

「マシンの方は乗り出しからエンジンにミスファイヤがあり、練習走行でも2、3回赤旗中断があって計測できませんでした。予選は最初、くじ引きでコースインの順番が決められると聞いていたのですが、あけてみたら最後尾に回されていて、あれ?ということがありました。まぁそこはこちらのやり方なので仕方ないなと気を取り直して予選に臨みました。
マシン的にはまだ本調子ではありませんでしたが、まとめられれば基準タイムはクリアできるだろうという手応えはありました。ですがやはり最後尾からのコースインという事で、いざアタックラップに入っても戻ってくるまでに赤旗が出てしまうっていう事が3回続いて、同じく日本から参戦の木下さんもそうだったようなんですが、結局1周も計測できずに予選落ちっていう結果になってしまいました。実際に走っていた感じではおそらく総合でも5番手あたりには入れたと思うんですが、運がありませんでしたね。」

──決勝はなかなかいいペースだったのではないでしょうか?

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狭いマカオ・ギアサーキットでクルマを当てずに17位完走を果たす

「マシンはミスファイヤが若干残っていたんですけど、さほど気になるレベルではなく決勝に臨めました。ランエボとか上のクラスのクルマはまっすぐは速いので、そこで離されて山側で追いついても抜けないっていうのを繰り返して、自分が思ったより順位は上げられませんでしたね。レース中クリアラップもなかったのでベストラップも全然遅いです。セーフティカーも3回入って、追い上げたらSCって感じでもったいなかったですね。
レースですから結果も大事ですし、そういう意味では厳しい世界ですけど、最後尾35番グリッドからマシンを当てずに完走できましたし、市街地コースを楽しんで走ることはできました。

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パワーのあるクルマを追いかけ回し、楽しんでレースができたという谷川選手

今回は練習走行から運がなかっただけで、コースやスピードにはすぐ慣れましたし、山側のキツイところもうまく走れたので、自分的にはそんなに落ち込んでません。予選落ち(SCにより計測できず)した時も「結果的に計測できなかったから、落ちても仕方ないな」っていうくらいで、自分の走りには満足しています。」

──この調子で来年も参戦ですか?

「チームいわく、今回乗ったクラスは来年無くなるそうです。なのでマシンをまたイチから準備しないとならないですし、今はチームがまた指名してくれればっていう感じですね。マカオ(ギアサーキット)はそんなに走れる機会が無いので、自分も(年齢のこともあり)いつまでレースを続けられるかわからないですけど、やはり伝統のあるレースなので走れる限りは走りたいですね。」

──そこまで谷川さんがマカオに出たいと思う魅力って、何なんでしょう?

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レースの冠スポンサーでもあるFOOD4Uのカラーリングで参戦した谷川選手

「僕自身はフォーミュラからレースを始めたので、やはり世界のF3トップランカーが集まるマカオは憧れの地でした。事実上F3でのマカオ参戦は果たせず夢のまた夢となりましたが、そのマカオにサポートレースとはいえ参戦できた事には特別な思いがあります。
伝統、危険な市街地コース、観客の盛り上がり方、ライバルたちとの友情など、日本のレースとはまた違う魅力を感じています。今回のように余所者いじめ的なものもまだありますが、これからも参戦を続けたいと思っています。」

──私も日本人として、日本人ドライバーがマカオを制する瞬間をこれからも追いかけたいと思います。それでは最後に、読者の方にメッセージをお願いします

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来年もマカオでの走りを楽しみにしています

「モータースポーツって好きな人はもちろんめちゃめちゃ好きなんですけど、どちらかというと日本ではマイナースポーツなのかなと思っています。ですが僕らレーシングドライバーは、ただレースを走るだけで終わりじゃなくて、クルマやパーツの開発なども行っていて、より良いクルマ作りのお手伝いもしています。
そしてレースの時は観ている人に喜んでもらえるような、魅せる走りを常に心がけて走っているので、ぜひサーキットに来てもらってレースを観て、そして気軽に声をかけてもらえればなと思っています。
今シーズン終わったばかりで、来年どのレースに参戦するかもまだ決まっていませんが、マカオはもちろん日本のレースでも走ると思うので、ぜひ応援してください!」

──来年のご活躍も期待しています。ありがとうございました

(H@ty)