ロス・ブラウン「ハミルトンはシューマッハーとは異なるアプローチで成功を収めた」最初は疑問視していたとも明かす

 F1のモータースポーツ担当マネージングディレクターのロス・ブラウンは、ミハエル・シューマッハーとは異なるルイス・ハミルトンのF1への取り組み方に一度は疑問を抱いたと明かした。しかしメルセデスチームが彼に最適な環境を与えたことで、ともに成功を収めることができたとして、両者を称賛した。

 ハミルトンは2019年F1第19戦アメリカGPで6度目のタイトルを獲得した。メルセデスにおいては5度目のタイトルであり、2014年以来、強大なチームがハミルトンの成功を後押ししてきた。

 ハミルトンは着実に偉大なミハエル・シューマッハーの持つ目覚ましい記録へと近づいている。ブラウンは、ふたりのドライバーが成功を収めるためにとったアプローチは異なり、最初はハミルトンの姿勢に懸念を抱いたという。

2004年イギリスGPでのミハエル・シューマッハーとロス・ブラウン
2004年イギリスGPでのミハエル・シューマッハーとロス・ブラウン

「ルイス・ハミルトンのF1キャリアの道筋について、何か新しいことを見つけて語るのは難しい」とブラウンはアメリカGP後のコラムにおいて記している。

「統計から語ることもできるだろうが、それは彼のF1における偉大さを認めるには、無味乾燥なやり方だ」

「そういうわけで、今日ルイスに対して最高の賛辞を呈するには、彼が偉大なチャンピオンとなるために独自のやり方を見つけたことに言及するのがいいと思う」

「2013年に彼と仕事を始めた時、私は彼のプロレーシングドライバーとしてのアプローチが少々気がかりだったということを認めなければならない」

「私にとっての基準はミハエル・シューマッハーだった。彼は完全に成功を求めることに没頭していたが、同時に自身と家族のプライバシーを守ることを強く望んでいた」

「ルイスは自分のキャリアに対して幅広いアプローチを示していた。完全にプロフェッショナルである一方で、彼はミハエルのような禁欲的なライフスタイルを送ろうとはしていなかった」

 ブラウンは、ドライバーの成功におけるチームによる貢献の価値を、当然のことながら認識している。

 ハイブリッド時代の到来以来、メルセデスは他を寄せ付けないほどの技術手腕を発揮してきた。しかしそれとともに、ハミルトンが強く求める自由をチーム側が与えていることをブラウンは称賛した。

「ルイスは音楽やファッションなど、常に様々な分野に飛び込むことを楽しんでいる。そうしたことが彼の才能をさらに成長させるためのエネルギーを与えたのだ。一方で彼は体調を常に最高の状態に整えている。それは今のF1時代においては必要不可欠だ」とブラウンは語った。

「そしてメルセデスでハミルトンは適切なサポートを得ている。技術面において刺激がある環境であると同時に、彼が絶対的に必要とする自由も与えられているのだ」

「従って、トト・ウォルフとチーム全体に祝意を伝えたい。彼らは何年にもわたって素晴らしいマシンを与えてきただけでなく、ルイスがF1史上最も偉大なドライバーのひとりになるように育て上げ、成長させた。彼がこの15年で最強のドライバーであることは間違いない」