BMW 840i グランクーペ 初試乗! シリーズ唯一の後輪駆動モデルに島下泰久が太鼓判を押す理由

BMW 840i グランクーペ 初試乗! シリーズ唯一の後輪駆動モデルに島下泰久が太鼓判を押す理由

BMW 840i Gran Coupe

BMW 840i グランクーペ

エレガントさが特徴のグランクーペ

クーペ、コンバーティブルに続く第3のバリエーションとして8シリーズのラインナップに加わったグランクーペの最大の注目点は、やはりスタイリングだ。従来の6シリーズ グランクーペとは大きく異なる、よりエレガンスに振ったフォルムには思わず目を瞠った。

全長5082×全幅1932×全高1407mmというボディサイズは、8シリーズ クーペに対して231mmも長く、30mmワイドで、61mm高い。ホイールベースは3023mmで、こちらは201mmの延長となる。全長、全高はともかくとして、全幅まで大幅に広げられているのが興味を惹く。

BMW840iグランクーペのフロントスタイル

フロント周りは、幅も含めて基本的にクーペなどと変わらないが、Aピラーはわずかに起こされ、高くなったルーフとともに前後席のヘッドスペース拡大に寄与している。そしてデザイン上のハイライトが、ルーフからなだらかに繋がり、ファストバック風のフォルムを描き出しているCピラー。BMWのアイコンのひとつであるホフマイスターキンクとも相まって、サイドビューをエレガントなだけでなく力強く見せる効果を発揮している。これに30mmワイドなフェンダーが相まって、間延び感とは無縁の好バランスを作り出しているわけだ。

BMW840iグランクーペのコクピット

長いホイールベースのおかげで室内は広大

ではインテリアはどうか。前席周辺の基本的なデザインは変わらない。ウインドウの角度が起きているのは、言われてみれば・・・というぐらいだが、インストゥルメンタルパネルやドアショルダーは標準でレザー張りとされ、シート表皮はキルティング模様と精緻なステッチワークが施されるなど、贅沢な空間が演出されている。

オプションとして、1.5平方メートルという大面積のパノラミックグラスルーフも設定されている。フロント側は開閉可能だが、この開放感を存分に堪能できるのは、後席の方だろう。

BMW840iグランクーペのリヤシート

それも含めて、後席こそがこのクルマの特等席と言うべきかもしれない。長いホイールベースのおかげで足元には十分な余裕があるし、巧みなシートバック角度の設定と抉りを入れたルーフトリムのおかげで頭上も狭苦しさは皆無。左右席は前席と同じようにホールド性を強調した形状となっていて、実際にワインディングロードを含む行程をしばしここで過ごした時にも身体が振られることなくリラックスしていられる高いサポート性を実感できた。

シートクッションに接するところまで伸ばされたセンターコンソールによって左右席が隔てられ、パーソナル感が強調されているのは6シリーズ グランクーペと同様。それでも中央席には3点式シートベルトが備わり、コンソールを跨ぐようにして座ることもできるが、あくまで短時間、短距離用という扱いで、BMW自身も4+1シーターと謳っている。

ラゲッジスペースは容量440リットル。リアサスペンションに結構侵食されているように見えるが、プレス資料にはゴルフバッグ3セットが収まるという記述があった。後席シートバックは40:20:40分割可倒式。まあ、それほどの荷物を積み込む機会は、そうは無いと思うが・・・。トランクリッドは当然、自動開閉式である。

BMW840iグランクーペの走行シーン

シリーズ唯一の後輪駆動「840i グランクーペ」に試乗

M8グランクーペを除いたレギュラーラインナップの頂点として設定されるのは、M850i xDriveグランクーペ。更に、他のボディタイプと同じくディーゼルの840d xDriveグランクーペも用意される。そして今回、新設定されたのが直列6気筒3リットル ガソリンターボエンジンを積む840i xDrive グランクーペ、そして唯一の後輪駆動モデルとなる840iグランクーペだ。

今回試すことができたのは、BMW自身が「直列6気筒エンジンをフロントに積み、クラシカルな後輪駆動を採用した、オーセンティックなドライビングプレジャーを味わえるモデル」と謳う、この840iグランクーペ。実際、その走りっぷりは爽快で、一発で気に入ることになった。

直列6気筒エンジンのスムーズな吹け上がりは何度味わってもやはり絶品のひと言で、つい右足に力が入ってしまう。0-100km/hは5.2秒とパフォーマンスも十分以上。クーペと同じくアルミ製パーツを多用し、コクピットサポートはマグネシウム製に。そしてセンタートンネルはCFRPで補強したカーボンコアボディは、クーペよりわずか70kg重いだけに過ぎないというから、それも軽快な走りに効いているのだろう。

BMW840iグランクーペ後方からのコーナリングシーン

8シリーズの中でもベスト! フットワークも俊敏

フットワークも然りで、コーナーの連続でも長いホイールベースを意識させることなく俊敏に駆け抜けることができる。このぐらいのパワーなら後輪だけでもしっかり受け止めてくれるし、ホイールベースの長さもあってスタビリティへの不満は一切感じなかった。前後重量バランスなどもV型8気筒の4WDに較べれば当然、良い方向に行っているはずで、まさに典型的なBMWらしく走ってくれる。個人的には、これが8シリーズのベスト。いい汗をかけるくらい走りを楽しんだ。

BMW840iグランクーペと島下泰久レポーター

実はこの840iグランクーペ、この試乗のタイミングでは日本に導入される予定はなく、あくまで参考として乗ったつもりだったのだが、あまりの好印象を筆者含む試乗に赴いていた皆で熱く訴えたおかげもあってか、急遽ラインナップに加わることになったと、あとからBMW広報担当氏より伝えられた。もちろん、M850i xDriveなどのマッチョなスポーツモデルもいいが、こういうモデルを“サラッ”とスマートに乗るのが8シリーズ グランクーペには合っているのではないかというのが筆者の率直な印象である。

REPORT/島下泰久(Yasuhisa SHIMASHITA)

【SPECIFICATION】

BMW 840i グランクーペ

ボディサイズ:全長5082 全幅1932 全高1407mm

ホイールベース:3023mm

トレッド:前1627 後1671mm

乾燥重量:1800kg

エンジン:直列6気筒DOHCツインスクロールターボ

総排気量:2998cc

ボア×ストローク:94.6×82.0mm

圧縮比:11.0

最高出力:250kW(340ps)/5000〜6500rpm

最大トルク:500Nm/1600〜4500rpm

トランスミッション:8速AT

駆動方式:RWD

ステアリング:電動パワーステアリング

サスペンション:前ダブルウイッシュボーン 後5リンク

タイヤサイズ(リム幅):前245/45R18(8.0J) 後275/40R18(9.0J)

最高速度:250km/h

0→100km/h加速:5.2秒

CO2排出量:170〜164g/km

燃料消費量:7.5〜7.2L/100km

【問い合わせ】

BMWカスタマー・インタラクティブ・センター

TEL 0120-269-437