フォーミュラE新参のメルセデス、マッサ擁するベンチュリへのパワートレイン供給を発表

 2019年11月に開幕するABBフォーミュラE選手権のシーズン6からシリーズに参入するメルセデス・ベンツは10月3日、ベンチュリ・フォーミュラEチームとの提携を発表し、同チームにパワートレインを供給するとアナウンスした。

 両チームが交わした新しい合意によって、メルセデス・ベンツEQフォーミュラEチームはモナコのチームに、冷却システムをはじめ、リヤフレーム、リヤサスペンション、ダンパー、ソフトウェア、オンボードエレクトロニクス、そしてフル電動パワートレインを供給することになった。

 つまり、過去すべてのシーズンで自チーム製のパワーユニットを使用してきただけでなく、昨シーズンのHWAレースラボなど他チームに対してパワートレインを供給する側であったベンチュリは、参戦6季目となる2019/2020年シーズン、メルセデスワークスチームとともに今季デビューする『メルセデス・ベンツEQシルバーアロー01』を走らせることになる。

「(新しい電動パワートレインが開発された)メルセデスAMGハイパフォーマンス・パワートレインズでは、過去数年間に渡って高性能電動パワーユニットの分野で膨大な知識を蓄積してきた。これはメルセデス・ベンツEQフォーミュラEチームだけでなく、ベンチュリ・レーシングにもメリットをもたらす」と語るのは、メルセデス・ベンツEQフォーミュラEチームのイアン・ジェームズ代表。

「デビューシーズンに(2チームから)計4台のクルマを走らせることで、レースで勝つために戦うという究極の目標に向けて、ステップを加速させることになるんだ」

 また、メルセデスAMGハイパフォーマンス・パワートレインズの責任者を務めるアンディ・コーウェルも「過去10年間に蓄積した専門知識を活用し、フォーミュラEの新たな課題に応用していく」と語り、「1年目からシリーズに参加してきたベンチュリ・レーシングと協力することで、学習率をさらに高めることができる」と続けた。

「そのようにして得た知識と、レーストラック用に取り組んでいる技術は、時間をかけて公道を走る車両の開発にも組み込まれていくことになる。そのため、結果としてメルセデス・ベンツファミリー全体が恩恵を受けることになるんだ」

ベンチュリ・フォーミュラEチームのスージー・ウォルフ代表。夫はメルセデスF1チームボスのトト・ウォルフ
ベンチュリ・フォーミュラEチームのスージー・ウォルフ代表。夫はメルセデスF1チームボスのトト・ウォルフ

 一方、ベンチュリ側も今回の提携を歓迎している。チームプリンシパルを務めるスージー・ウォルフは「この開発はチームにとって大きな前進になるわ」とコメント。

「私とメルセデス・ベンツとの長年の関係によって、新しいパワートレインサプライヤーと密接な協力関係を享受できると確信しています」

「私たちのチームは、シーズン5でかなりの進歩を遂げることができましたが、まもなく迎える新しいシーズンの計画はさらに意欲的なものです。開幕戦が行われるサウジアラビアに向かう前にできる限り競争力を高めるため、全力をつくすつもりよ」

■ドライバーふたりは残留。2019/20年もマッサとモルタラを継続起用

 昨シーズン、元F1ドライバーのフェリペ・マッサを迎えたベンチュリ・フォーミュラEは、今季もブラジル人ドライバーをレギュラードライバーに起用。

 また、2017/18年シーズンからチームに加わり、翌2018/19年の第5戦香港E-Prixではチームに初優勝をもたらしたエドアルド・モルタラも同じく残留となり、チームはシーズン5と同じコンビネーションで新たなシーズンを迎えることになった。

 この起用について、ベンチュリ・オートモービルズのギルド・パスター社長は誇りに感じるという。

「私たちはフェリペとエドアルド、信じられないほどの才能と決意を持ったふたりのドライバーのスキル、経験、スピードに基づいて前進することを楽しみにしている」

「11月にディルイーヤで5つのレッドシグナルが消えるとき、ベンチュリとメルセデス・ベンツのコラボレーションが成功することを確信しているんだ」

2019/2020年シーズンにデビューするメルセデス・ベンツEQシルバーアロー01
2019/2020年シーズンにデビューするメルセデス・ベンツEQシルバーアロー01
ベンチュリ・フォーミュラEチームのフェリペ・マッサ(左)、スージー・ウォルフ代表(中央左)、エドアルド・モルタラ(右)
ベンチュリ・フォーミュラEチームのフェリペ・マッサ(左)、スージー・ウォルフ代表(中央左)、エドアルド・モルタラ(右)