『10周』の特別規則が変える? 悩ましいスタートタイヤ【スーパーフォーミュラ第6戦岡山】

 9月28日、岡山国際サーキットで予選が行われた全日本スーパーフォーミュラ選手権の公式予選。前戦もてぎでの優勝の勢いもそのままに平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がポールポジションを獲得したが、9月29日の決勝レースでも、注目のポイントがありそうだ。

■ソフトかミディアムか。悩ましいスタートタイヤ

 今回のスーパーフォーミュラ第6戦岡山で、予選後に話を聞くと、多くのドライバーが口を揃えたのが、10周回目以降にタイヤ交換義務を果たさなければならない特別規則だ。

 いまのスーパーフォーミュラでは、ミディアムタイヤでの周回数を極力減らし、ペースに優るソフトで長く周回することがセオリー。ミディアムでスタートして1周目以降にピットインし交換義務を果たし、それ以降ソフトで走行するのが常道のひとつとしてあった。

 ただ、今回は10周目まではミディアムで走らなければならなくなる。その間にソフトでスタートしたライバルに対し、いかにギャップを築かれないかが勝負どころとなる。10周でピットインし、いかにソフトタイヤでペースを高く保ち、ミディアムで走った間に失ったマージンを取り返すことができるかだ。

 一方、ソフトでスタートした場合は、なるべく周回数を長く保ち、残りわずかな周回でタンク内の燃料が減り、軽くなった分高いペースで、ミディアムのペースの落ちをカバーできるかが勝負となる。本来はこれが王道になるのだが、セーフティカーが入ったときにリスクを負うことになる。

 それというのも、ミディアムスタート勢は10周ミニマムでピットインをこなしており、もしセーフティカーが入ると、ソフトスタートで築いたはずのマージンが失われてしまい、結局終盤にピットインしても逆転される。また、セーフティカー中にピットインをこなしても、ふたたびコースに戻ったときにはミディアムスタート勢の後方につくことになってしまうからだ。

 僅差であるために、戦略がものを言うのが現代のスーパーフォーミュラ。また、頭を悩ませるのはトップ10より前のグリッドの上位陣で、リスクをとりづらく「まわりに合わせるしかない」という声も。スタート時の各車のタイヤ選択がある意味見どころのひとつだろう。

ヨコハマのスーパーフォーミュラ用ソフトタイヤ
ヨコハマのスーパーフォーミュラ用ソフトタイヤ

■ランキング上位が苦戦したグリッド。逆転の可能性

 今回の予選では、ランキング首位のニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)が10番手、ランキング2位の山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が16番手と苦戦を強いられている。また、3位のアレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)も「いくつかの理由」で8番手となった。

 当初は雨の予報も出ていた9月29日の決勝レースだが、ここへ来て天気予報は好転しており、雨が降らない可能性も出てきている。もしドライになった場合、そこまで大きな順位変動が起きない可能性もあり、そうなった場合はランキングでの逆転もあり得るかもしれない。

 興味深い存在なのは、ポールポジションの平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)。今回のポール獲得で1点を加算しており、現在11ポイントだ。また、予選2番手につける山下健太(KONDO RACING)も現在11ポイント。予選5番手の福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)も12ポイントを重ねている。

 もしも仮に、ランキングトップ3が無得点に終わった場合、平川や山下、福住などが優勝の10ポイントを重ねると、一気に21〜22ポイントとなり、現在トップのキャシディ(28点)、山本(27点)らに近づき逆転王座の可能性を残して最終戦鈴鹿を迎えることになる。

 いずれにしろ、最終戦鈴鹿にタイトルの可能性を残すのは誰なのか、この週末の岡山は注目のレースと言えよう。

ポールポジションを獲得し、今回スポット参戦する中山雄一(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)と握手を交わす平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
ポールポジションを獲得し、今回スポット参戦する中山雄一(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)と握手を交わす平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
山下健太(KONDO RACING)
山下健太(KONDO RACING)