MotoGPアラゴンGP:グリップ不足に苦戦したヤマハライダー。ロッシ「タイヤではなく僕たちの問題だと思う」

 MotoGP第14戦アラゴンGPでは、ヤマハ勢が軒並み表彰台を逃す結果となった。マーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)やファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)が初日、予選と上位につけていたにもかかわらず、決勝レースではドゥカティ勢に表彰台の2席を奪われる結果となった。

 アラゴンGPでも少なくとも予選までは、クアルタラロやビニャーレスは好調を維持していたように見えた。クアルタラロは予選2番手、ビニャーレスは3番手。サンマリノGPに続き、フロントロウにヤマハ勢2台が並んだ。

 ところが、決勝レースでは一転、苦しい展開を強いられる。オープニングラップからひとり旅に出てしまったマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)はともかくとして、2番手スタートのクアルタラロは序盤からジャック・ミラー(プラマック・レーシング)に交わされて3番手に後退し、さらに少しずつポジションを落とす。最終的には5位フィニッシュだった。

クアルタラロは2番手スタートながら、序盤から後退してしまう
クアルタラロは2番手スタートながら、序盤から後退してしまう

 クアルタラロは「左コーナーでのグリップが、少し不足していた。何が起こったのか、データを分析する必要がある。僕たちのペースは終盤にはよかったけれど、トップ争いをするのには十分ではなかった」と語っている。

 3番手スタートのビニャーレスは、8周目にミラーをオーバーテイクすると、終盤まで単独2番手走行を続けていた。

ビニャーレスは大半の周回数を2番手で走行しながら、終盤3周でドヴィツィオーゾ、ミラーに交わされた
ビニャーレスは大半の周回数を2番手で走行しながら、終盤3周でドヴィツィオーゾ、ミラーに交わされた

「今日は2位になることが可能だと思っていた。だから、攻めて、攻めて、攻めたよ」と、レースを振り返るビニャーレス。その全力走行むなしく、終盤のドゥカティの猛追を退けることはできず、4位でチェッカーを受けた。

「けれど、残り2周でタイヤが限界を迎えてしまった。ベストを尽くしたよ。リヤタイヤ(のグリップ低下)のために2、3回、転倒しそうになった。それで『オーケー、今日は4位だ。それが最上の結果だ』と思った」

 終盤、ビニャーレスを交わしたミラーは、後方についたとき「ビニャーレスのタイヤの左側は完全に終わっていた。だから僕はオーバーテイクできたんだ」と、レース後の会見で述べている。ビニャーレスが一時は2位確実かと思われながらもポジションを落とした要因は終盤のグリップ低下だった、ということのようだ。タイムを見てみると、1分49秒台だったラップタイムが、残り3周から1分50秒台に落ちている。

 ヤマハ勢で完走した最後のひとり、バレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)もタイヤのグリップについて言及している。ちなみに、ヤマハライダーはすべてフロントにミディアムタイヤ、リヤにハードを選択していた。

「タイヤのグリップがなく、タイヤに何かしらの問題を抱えていた。それはシルバーストンでの状況に少し似ていた。僕にとっては、これはタイヤの問題ではなくて、僕たちの問題だ。僕たちは常に、リヤタイヤのグリップに苦しんでいる」

「グリップ不足のために、タイヤへのダメージも大きくなる。最終的にはレースが難しくなってしまうんだ。リヤにハードタイヤを選択したライダー、ほかのヤマハライダーたちも同じような問題があり、終盤にはより悪化していたように見えた。僕はレース序盤からだったけれどね。でも、ソフトタイヤがよかったかと言えば、わからない。フリー走行ではソフトタイヤは僕たちに合っていなかったから」

 表彰台に立ったマルケス、ドヴィツィオーゾ、ミラーはフロントにミディアムタイヤ、リヤにソフトを選んでいた。とは言えロッシの言葉を考えると、ヤマハとドゥカティの明暗を分けたのはタイヤ選択だった、と一概には言えないのかもしれない。