チームレクサスでお・も・て・な・し! レクサス新人研修の「礼節を重んじる」意味とは?

様々な企業で行われる新人研修は、研修と実際の仕事を並行しながら行っていきます。また部署の変更があっても、新たに新人研修を行うことは少ないですね。しかし、レクサスの教育システムは、これまでの日本の企業体制とはまったく違います。レクサスとしてのプロになるための第一歩の研修を、元レクサスディーラー営業マンがご紹介していきます。

■レクサス配属後に必ず受ける新規配属者研修

トヨタ系販売会社の店舗の一つとして存在するレクサスで働くスタッフは、トヨタディーラーで長年経験を積んだスタッフが配属されることが多いです。セールス、エンジニア、受付スタッフや店長まで、トヨタ店舗での有望株やベテランが採用されていきます。

営業、整備、管理職のイロハなどは熟知したスタッフでも、レクサス配属1年目に必ず受けなければならないのが、新規配属者研修です。富士スピードウェイの敷地内にある「レクサスカレッジ」にて行われます。

レクサスカレッジに展示されているLFA

どんなにベテランでも、レクサススタッフとしては新米の1年生です。営業歴20年以上の40歳を超えた方から、本当の社会人1年目まで、様々な年代のレクサス1年生が揃います。ここでは、過去の実績も、経験も加味されません。レクサスが大事にしてきた、レクサスのイロハを3日間の泊まり込みで教え込まれます。

●小笠原流礼法の習得

日本人の心である「礼節」を重んじるのがレクサスのスタイルです。立ち居振る舞いから所作、話し方に至るまで、すべてに「小笠原流礼法」と呼ばれる礼儀作法を用います。研修1日目の朝から晩まで、この作法を習得することにすべての時間を使うほど重要なものです。

例えば、レクサススタッフのお辞儀の仕方を注意深く見たことがあるでしょうか。お辞儀の仕方が非常に丁寧に見えるはずです。通常のビジネスマナー講座で教えられるのは、手を体側に伸ばし、前傾姿勢を45度倒すなどと教えられますが、レクサスでは手は体側から体の前傾に伴って体の前に添えられます。礼にも3種類あり、「会釈」「浅い敬礼」「深い敬礼」と角度や腕の位置、倒す時間から起き上るまでのスピードなどを細かく指導されて、レクサスの礼を完成させます。

歩き方、物の指し示し方、受け渡し、給仕、座り方や立ち方、言葉遣いの一つについてもレクサス式を徹底します。これにより、全国どこのお店でも、高いレベルの接客を可能とするレクサスの基礎ができあがるのです。

●役割分担ではなく、チームレクサス

私はセールスコンサルタントとしてレクサスの研修に参加しましたが、レクサスの営業方法を教えられたという記憶はあまりありません。それよりは、接客方法やお客様が何を考えるのか、何を求めているのかといったことや、クルマの構造やしくみについての講義時間が多く割かれていました。各分野においてスペシャリストであることはもちろんですが、エンジニアの世界、受付スタッフの世界、果てはお客様の世界を理解してこそ一流のレクサススタッフになります。

セールスが「クルマを売る」ということは、お客様が満足した結果発生する産物であり、売りたい、売ろうとして実現するものではないということです。新規配属者研修では、「どうすればレクサスのクルマを多く売ることができるか」といったセールスマニュアルは一切教えられません。というよりも、レクサスにおいてセールスマニュアルというものは存在しないのでしょう。クルマを売るのはセールスの力ではなく、「チームレクサスの総合力」が成す形です。クルマを整備するのも、お客様に満足をいただくのも、すべてはそのお店のチームレクサスとしての実力が高まれば、結果はおのずと付いてくるという考えのもとに、レクサス販売店は運営されています。

●まとめ

レクサスにはブランドステートメントというものがあり、スタッフは必ず朝礼時に唱和します。その内容は次の通りです。

1. 私たちは、最高の商品を最高の販売、サービスでお届けし「高級の本質」を追求し続けます。
2. 私たちは、「時間の尊重」「1人ひとりへのおもてなし」「二律双生」「卓越した品質」の4つの手段で最高を実現します。
3. 私たちは、お客さまがレクサスとともに過ごすいかなる瞬間も、「ときめき」と「やすらぎ」で心満たされることを約束します。
4. 私たちは、常に「創造力」を発揮し、「自信」と「思いやり」をもって行動します。
5. 私たち1人ひとりがレクサスです。

お客様の前に出てしまえば、新人もベテランも関係ありません。その中で、レクサスが大切にしていることをしっかりと教え込み、ハイクオリティの接遇を行えるようにするのがレクサスの新規配属者研修です。他の自動車ディーラーとは全く違う、居心地のいい空間を提供するレクサスに、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

(文:佐々木 亘)