スーパーGT:ピットレーンの安全性について坂東正明代表が言及「ピット設備も重要」

 スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションの坂東正明代表は、9月22日に行われた第7戦スポーツランドSUGOでの定例記者会見のなかで、第6戦オートポリスの決勝レース中に同時にピット作業が行われ混乱を来したことなどについて、ピット作業等の安全性について語った。

 9月7〜8日に大分県日田市のオートポリスで開催された第6戦では、レース中盤に雨が降り出し、スリックタイヤからウエットタイヤに交換するタイミングをめぐって多くのチームが同時にピットへ殺到した。

 通常のピット作業では、ピットレーンと平行に停車するのが基本だが、前後のピットでも作業を行っていた場合、作業中の車両を避けてななめに停車する“ダイブ”というストップ方法がある。第6戦ではこれを行うチームも多く、一度手押しで向きを変えなければならないこともあり、ピットレーンは混乱。転倒するクルーや、車体にインパクトレンチのホースが引っかかり、重いレンチが飛んでしまったり、給油タワーが倒れかける事故もあった。

 スーパーGTでは、こういった混乱を避けるべく2015年のSUGO戦で起きた一件を機に、セーフティカー中のピットインは禁じられているが、現在ではセーフティカー導入を察知し、その直前にピットインすることが最も効率が良くなっている。そのタイミングを狙ったオートポリス戦での混乱だった。

 この件について、同様にピットレーンが狭いスポーツランドSUGOでの定例記者会見の場で、「将来ピットレーンでの安全性を確保するためのレギュレーション導入など、対策はあるか」という質問が飛んだ。

 坂東代表はこれに対し、「NASCARで同様なことがあってもできているのに、俺らにできないことはないと思う」とチームの安全性に向けたクオリティアップを求めながらも、「レギュレーションの変更よりも、ピット自体を大きくしてくれる方が重要」と語った。

「各サーキットには、(大きくなっている)今のクルマに合わせたピット設備の導入は切にお願いしている。これまでサーキットを訪れるお客様に向けていろいろなことをやってきて、そのなかでチームもある程度危険を我慢している」

「安全性は第一優先で、車速も速くなっている。スピードをこちらがコントロールしても、チームやドライバー、マニュファクチャラーは速さを求めていく。オーガナイザーには、こちらからその都度お願いをして、安全性を高めてもらい、ともにクオリティの高いレースを作っていきたい」

 富士スピードウェイや鈴鹿サーキット、タイのチャン・インターナショナル・サーキットといったピットレーンや各ピットの幅が大きいサーキットでは、当然ながら同様のケースになっても混乱は起こりづらく、安全性も高い。ただ、それ以外のサーキットではピットレーンはもちろんピット棟、そしてコースの安全性などが現代のマシンに対して合わなくなり始めているのかもしれない。また、フルコースイエロー(FCY)の投入についても、同様に国際イベントを開催していないコースを中心に、設備やシステムがネックになりつつある。

 また安全性と同時に、スーパーGTは国際レースとして発展し、現在では平均観客動員が4万8508人(2018年)を数えるレースに成長している。各サーキットの開催に向けたスタッフの努力は素晴らしいものがあるが、一方で、古いサーキットではエントラント等から、ピット棟はもちろんトイレ等も含め、設備に対する不満も聞こえはじめている。もちろんスーパーGTのためだけに数十億円もの多額の改修費用をかけることはできないし、スペースの問題もある。

 とはいえ、安全性のためにもスタッフの努力に応えるためにも、またモータースポーツの今後の振興のためにも、今後建設から長い年数が経過しているサーキットでは、インフラ面での改良が求められていくかもしれない。