TSRホンダのトラブルに続き優勝候補が揃ってリタイア。EWC開幕戦ボルドール24時間はスズキが制す

 FIM世界耐久選手権(EWC)の2019-2020シーズン開幕戦、ボルドール24時間耐久はフランスのポール・リカール・サーキットで決勝レースが行われ、スズキ・エンデュランス・レーシング・チーム(ヴァンサン・フィリップ/エティエンヌ・マッソン/グレッグ・ブラック組)が優勝した。

 予選でポールポジションを獲得したのは、YARTヤマハ(ロリス・バズ/マービン・フリッツ/ニッコロ・カネパ組)。元MotoGPライダーでSBKでも活躍するバズが1分53秒408を記録し、ポール・リカール・サーキットのラップレコードを更新する活躍を見せた。

 2番手スタートはWEBIKE・SRCカワサキ・フランス(ジェレミー・ガルノニ/エルワン・ニゴン/デビッド・チェカ組)、3番手がF.C.C. TSRホンダ・フランス(ジョシュ・フック/フレディ・フォーレイ/マイク・ディ・メリオ組)、4番手がワークス体制を復活させ、新型マシンを使用するBMWモトラッド・ワールド・エンデュランス・チーム(イルヤ・ミハルチク、ジュリアン・パフェ、ケニー・フォレイ組)だ。

2019-2020シーズン開幕戦ボルドール24時間耐久レース スタートシーン
2019-2020シーズン開幕戦ボルドール24時間耐久レース スタートシーン

 決勝レースは、現地時間の15時(日本時間22時)に雨の降るなかウエット路面でスタート。ホールショットはスズキ・エンデュランス・レーシング・チームのグレッグ・ブラックが奪った。その後Wojcik・レーシング・チーム(ジノ・レイ/クリストファー・ベルグマン/アクセル・モーリン組)のジノ・レイがトップに立ち、後続に大きく差をつける。

2019-2020シーズン開幕戦ボルドール24時間耐久レース セーフティカーラン
2019-2020シーズン開幕戦ボルドール24時間耐久レース セーフティカーラン

 レースが50分を過ぎ、転倒の影響かセーフティカー(SC)が導入され、コースが清掃される場面が見られた。50分程度SC先導での走行が行われた後再開されたが、2時間30分を過ぎようとした段階で2度目のSCが導入。雨脚が強くなったことで2時間40分が過ぎた時点で赤旗が掲示され、全車ピットに戻った。

2019-2020シーズン開幕戦ボルドール24時間耐久の序盤トップ争い
2019-2020シーズン開幕戦ボルドール24時間耐久の序盤トップ争い

 天候が悪化し、雷雨に見舞われたことで現地時間の午後6時から朝6時まで12時間に渡りレースが中断された。レースはスタートから15時間後、SC先導でF.C.C. TSRホンダ・フランス、スズキ・エンデュランス・レーシング・チーム、YARTヤマハ、WEBIKE・SRCカワサキ・フランスの順で再開され、数周後バトルがスタート。

 再開後は路面が濡れていたが、曇り空に変わりところどころ乾きはじめる。そして、スタートから18時間が過ぎた時にF.C.C. TSRホンダ・フランスのマイク・ディ・メリオがエンジントラブルにより最終セクターあたりでスローダウン。ディ・メリオはマシンを押しガレージに向かっていた。

 TSRホンダのマシンからオイルが出ていたようで、直後に11コーナーでWEBIKE・SRCカワサキ・フランスのニゴンがクラッシュ、そこにYARTヤマハのバズも転倒し2台のマシンが衝突し出火。2台のマシンとタイヤバリアは炎上し消火剤が撒かれた。SCが導入され、低速走行となったがさらに2台同じ場所で転倒を喫した。

マシンが炎上しリタイアとなったWEBIKE・SRCカワサキ・フランスのエルワン・ニゴンとYARTヤマハのバズ
マシンが炎上しリタイアとなったWEBIKE・SRCカワサキ・フランスのエルワン・ニゴンとYARTヤマハのバズ

 WEBIKE・SRCカワサキ・フランスとYARTヤマハはリタイアとなり、ガレージで修復を試みていたF.C.C. TSRホンダ・フランスもエンジンが壊れたことでリタイア。前年度のチャンピオンを含む優勝候補の3チームが立て続けにレースから離脱することとなった。

 レースが再開され、Wojcik・レーシング・チーム、スズキ・エンデュランス・レーシング・チーム、BMWモトラッド・ワールド・エンデュランス・チームというオーダーに変わり、曇り空のドライコンディションで走行が続く。

 レース終盤は、スズキ・エンデュランス・レーシング・チームがWojcik・レーシング・チームを抜きギャップを開いていく。また、BMWモトラッド・ワールド・エンデュランス・チームが型落ちのBMWを使用するチームERCエンデュランス(マシュー・ジンス、ジュリアン・ダ・コスタ、ルイス・ロッシ組)にオーバーテイクを許してしまう。

 最終的に、開幕戦を制したのは313ラップ周回したスズキ・エンデュランス・レーシング・チーム。後続に1ラップのギャップを築き、このレースが最後の参戦となるヴァンサン・フィリップがチェッカーを受けた。

 2位はWojcik・レーシング・チームが1ラップ差でチェッカー、3位はチームERCエンデュランスがトップから2ラップ差でゴールし表彰台を獲得した。

新型マシン初参戦で3位を獲得したBMWモトラッド・ワールド・エンデュランス・チーム
新型マシン初参戦で3位を獲得したBMWモトラッド・ワールド・エンデュランス・チーム

 しかし、レース後に3位フィニッシュのチームERCエンデュランスが燃料タンク容量の規定を遵守しなかったことで失格となり、3位はBMWモトラッド・ワールド・エンデュランス・チームが獲得した。

 ドゥカティのV4Rで参戦し注目を集めていたHRT100-Hertrampf Racing Enduranceは129周でリタイアに終わっている。

 日本勢では、大久保光がExperimentalクラスのITeM17から参戦し、総合17位でクラス優勝を獲得、浦本修充はTeam JEG-KAGAYAMAから参戦し23位でフィニッシュした。

2019-2020シーズン開幕戦ボルドール24時間耐久を制したスズキ・エンデュランス・レーシング・チーム
2019-2020シーズン開幕戦ボルドール24時間耐久を制したスズキ・エンデュランス・レーシング・チーム

 ランキングではスズキ・エンデュランス・レーシング・チームがトップで60ポイントを獲得し、13ポンとのF.C.C. TSRホンダ・フランスとYARTヤマハ、11ポイントのWEBIKE・SRCカワサキ・フランスに大きく差をつけた。2番手のWojcik・レーシング・チームは48ポイント、BMWモトラッド・ワールド・エンデュランス・チームが42ポイントと続く。