新型SUBARU レガシィ/アウトバック(米国仕様)が採用する「Harmony Core(ハーモニー・コア)」とは?

●デンソーとBlackBerry(ブラックベリー)が共同開発した統合コックピットシステム

コネクティビティの進化、多様化により、車載UI(ユーザーインターフェイス)/UX(ユーザーエクスペリエンス)にも使いやすさが求められている現在、将来はさらにその重要性が増すのは確実でしょう。

SUBARUレガシィ
SUBARUレガシィ/アウトバックに採用される「Harmony Core」

先進的な操作系としては、メルセデス・ベンツのCOMANDシステム、BMWのiDrive、アウディのMMI(MMIタッチレスポンス)、レクサスのリモートタッチ、マツダのマツダコネクト、三菱自動車のタッチパッドコントローラーなど各社がトライしていますが、「これだ!!」 という圧倒的に使いやすい操作系は出てきていないように感じられます。

事実、大半のメーカーが数年単位でコントローラーの操作性を地道に改善させているほか、レクサスはリモートタッチに加えて、RXのマイナーチェンジでディスプレイのタッチ操作を新たに加えています。逆に、マツダはマツダ3でディスプレイのタッチ操作を廃止するという例もあります。

さらに、メルセデス・ベンツやBMWなどのように自然対話型の音声操作を加えることで、多機能化への対応を図っていますが、現時点で決定版となるほどの使い勝手は実現できていません。あるいは、トヨタや日産、ジャガーランドローバーやアウディなどの一部車種が採用している2画面化もあります。こちらも機能の把握など、ユーザーの慣れを要するUIが多く感じられます。

1つの解としては、テスラやボルボのようにタブレット端末のような大画面モニターを設置する手法で、デジタルネイティブ世代であればすんなりと操作できそう。ただし、大画面化でもいくつかの階層を設ける必要があり、使いたい機能にたどり着くにはやはり慣れが必要です。

●レガシィ/アウトバック(北米仕様)に採用される「Harmony Core」

最近のSUBARUは、ナビ画面、メーターパネル、インパネ中央最上部のマルチファンクションディスプレイの3つを状況に応じて視認したり、ナビ画面にタッチするなど操作したりする必要がありました。

北米で今秋から販売が開始されるSUBARUレバシィ/アウトバック(米国仕様)のインパネには、デンソーとBlackBerry(ブラックベリー)が共同開発した統合コックピットシステム「Harmony Core(ハーモニー・コア)」が採用されています。

SUBARUレガシィ/アウトバック
SUBARUレガシィ/アウトバック(北米仕様)に採用される「Harmony Core」

今回、開発された「Harmony Core」は、BlackBerryの「QNX Hypervisor(ハイパーバイザー)」を、世界で初めて車載し、統合コックピットシステムに応用。もちろん、開発にはSUBARUも協力しています。

最近のクルマは、カメラやセンサーを使ったADAS(先進運転システム)や、スマホと車両を連携させたエンターテインメント機能などにより、車両がドライバーに伝える情報量が格段に増えています。そのため、インパネなどにはメーターやナビゲーションなど複数のHMI製品が搭載され、それぞれの特性に合わせた個別のソフト(OS)とマイクロコンピューターが必要になっています。

たとえば、車両安全性に関わるメーターの制御には、高い信頼性を持つOSが必要になり、スマホ連携やサーバーへの接続系アプリには、高機能で汎用性の高いOSが求められます。

今回、両社が新開発した「Harmony Core」は、特性の異なるOSで作動する複数のHMI製品を一つのマイクロコンピューターで制御することで、シームレスに連携させ、ドライバーの利便性の向上に貢献する技術。

BlackBerryの仮想化技術である「QNX ハイパーバイザー」を車載HMIに応用し、世界で初めてクルマのコックピットに搭載し、メーター、車載マルチメディア、ヘッドアップディスプレイなど、複数のHMI(ヒューマンマシンインターフェース)製品が持つ特性の異なる基本OSをハイパーバイザーによって一つのマイクロコンピューター上で動作させているそう。

製品同士の表示や音を調整し、車両周辺やドライバーの状況に応じて注意喚起や警告を分かりやすくディスプレイに表示したり、音で知らせたりすることなどで、ドライバーの利便性を向上させるとしています。

(塚田勝弘)