「筑波53秒入りを賭けて戦う2台の魔改造BNR32を比較!」サポートショップは同一ながらマシンメイクは全く異なる!?

「筑波53秒入りを賭けて戦う2台の魔改造BNR32を比較!」サポートショップは同一ながらマシンメイクは全く異なる!?

どちらも54秒台を保持する筑波の名物アタッカー

タイムアタックシーンの最前線を駆け抜ける2台のBNR32

筑波サーキットを中心に、激しいチューニング合戦が繰り広げられているタイムアタックウォーズ。ほぼ改造無制限ということもあり、各アタックマシンのメイキングは信じられない速度で進化を続けている。

埼玉県のチューニングショップ“アドミクス”がメンテナンス&サポートする2台の第二世代GT-Rは、そんな筑波タイムアタックシーンの最前線を走り続ける名物チューンドたちだ。しかし、同じショップがサポートする車両ながら、それぞれ全く異なるアプローチで作り込まれ、タイムの更新状況は一進一退。どちらも54秒台をマークしており、完全にライバル同士の関係になっているのだから興味深い。

まず、ベストタイム54秒118の記録を持つ黒いBNR32「seyamaxADMIX・GTR」から。もともとドリフト仕様だったという経緯もあるが、GT-Rの代名詞とも言うべきアテーサE-TS(4WD機構)をキャンセルし、FR駆動で戦い続けているのが大きなポイントだ。

エンジンは、海外製のアルミブロックを利用したRB26改2.8L仕様。T88-33Dタービンを組み合わせ、最高出力は800馬力/80kgmに設定しているが、2018シーズンより最高出力は20馬力ほどパワーダウンさせて、エンジンの耐久性を重視したセットアップに変更してきた。

制御系はLINKフルコンを使用し、追加メーターはモーテックC187を組み合わせる。なお、純正ダッシュボードなど内装の重量物を取り除き、カーボンパネルで成型することで車重は1150kgまでシェイプ。ミッションはホリンジャーのシーケンシャルだ。

足回りはアドミクスオリジナルのダンパーをベースに、スプリングはフロント28kg/mm、リヤ32kg/mm。アーム類やアライメントなども、FR化に合わせてアドミクスで最適化されている。タイヤはアドバンA050(295/35-18)だ。

また、これまで部分的に行なっていた空力チューンだが、2019シーズン前に総仕上げとしてリヤディフューザー形状などを変更し、フロアもフラットボトム化を敢行。

現在はバランスの最適化に向けてセットアップ中だが、エアロパーツを手がけたボルテックスの中嶋代表のアドバイスを受け、徐々に安定方向に向きはじめているそうだ。

そしてもう1台、スカイブルーのBNR32「ADMIX・スノコ・ショーリン・ケミテック種馬R」は、アドミクスで製作した2.9L仕様のフルチューンRB26ユニットを搭載。GTX3584RSタービンを組み合わせることで最高出力711ps、最大トルクは84kgmにまで高められている。ベストタイムは54秒828だ。

また、スロットルはワイヤー式からZ33用の電子制御式に変更し、LINKフルコンでアンチラグやオートブリッピング機能を実装している点も注目したい。

空力特性はマシンの動きにも大きな影響を及ぼすため、現在セッティングを煮詰めているところ。2019シーズン前に、リヤのアンダーディフューザーを装備してフラットボトム化を充実させてきたことがトピック。

このエアロの開発製作を担当するのは静岡県のベネテック。レース用空力デバイスも製作するなど高い技術を有するドライカーボンパーツサプライヤーだ。

足回りは、ニスモ製アームなどを使用してタイムアタックに最適化したアライメントを実現。ダンパーはエンドレスのジールファンクションをベースにしたアドミクスオリジナル仕様、 スプリングはHAL(F34kg/mm、R28kg/mm)だ。タイヤは、アドバンA050(295/35R18)を履く。

一方のボディは、ストリート仕様からタイムアタック専用に転向したこともあり、室内を中心に軽量化を進めている最中だ。ロールケージにはガゼット付きのクロスバーも取り入れ、ボディ剛性アップと安全性を両立。純正形状のダッシュボードは実はカーボン製。メーターはモーテックC127を配置し、視認性を高めながら情報の一括管理を行っている。ミッションはホリンジャーのシーケンシャルだ。

このように、どちらの車両も2019シーズンに向けてエアロデバイスの見直しによるダウンフォースの増強を狙ったが、その開発(アップデート)作業は、それぞれ異なるエアロコンストラクターと組んで行っているというから面白い。

アドミクス本嶋さん曰く「まったく異なるアプローチですが、不思議なことに両車のタイムはここ数年常に僅差で推移しています。エンジンのアップデートに関しても、それぞれ求めるものが違いますし、空力もしかりですね」とのこと。

チューンドGT-Rとしては未知の領域となる、53秒台へ突入するのはどちらが先なのか。その先の世界まで見せてくれるのか。男の意地とプライドを賭けた戦いは、まだまだ続く。

●取材協力:アドミクス 埼玉県比企郡川島町上大屋敷403 TEL:049-299-1771