ロータス カップ ジャパン参戦記! 桂 伸一が挑むワンメイクレースの世界【動画レポート】

ロータス カップ ジャパン参戦記! 桂 伸一が挑むワンメイクレースの世界【動画レポート】

LOTUS CAP JAPAN 2019

ロータス カップ ジャパン 2019

2012年以来、7年ぶりにスポット参戦!

2012年、GENROQ本誌の連載にてロータス2イレブンでシリーズ参戦(初戦はパス)して以来、久々のロータス・カップ・ジャパン出場に心ウキウキで仙台に向かった。ゲストドライバーとして、クラス1のエキシージクラスに最新のスポーツ350で参戦するためだ。

仙台のスポーツランド菅生は遠いせいか、エントリーはエリーゼも含めて7台と寂しいものの、それでもレースはレース。とはいえ、枯れた“新人”を温かく迎えてくれるファミリー感満点の優しい空気がロータス・カップにはまだ残されていたことは嬉しい限りだ。他のレースから移って来られた方も、ギスギスしないこの雰囲気を楽しんでいるようで、アットホームな空気が流れている。

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実は菅生でレースに参戦するのは10数年ぶり。コースの要所要所、抑えるべきポイントを覚えているのか?など、少々不安も残るが、走行開始からまぁまぁのペースを掴むことができた。旋回ブレーキングで進入する最終コーナーなど、難所のポイントを忘れてはいなかった事が嬉しい。

最初の驚きは、エキシージ スポーツ350のパワフルさである。もちろん、一般公道やサーキットで試乗した経験はあるが、菅生を走行して改めて、こんなに速いのか!と思い知らされた。特に感じたのが10%の登り勾配をもつ最終コーナー。旋回加速からの力強さ、旋回速度の高さ、横Gなどはとても溝付きSタイヤとは思えない蹴り出しの強さで、高低差約73mを一気に駆け上がる。

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3番手からスタート! エキシージのクセとも戦う?

さぁ、久しぶりのロータス全開走行である。エリーゼもエキシージも、以前に乗っていた2イレブンも含めてロータスの操縦性の特長に大きな変化はなく推移している点は興味深い。それは、良くも悪くもミッドシップ特有の特性(クセ)の話。やはり最新のエキシージ スポーツ350でも、車両安定装置のVSCをOFFにして、こうしてサーキットを限界まで攻め込むと、その特性が顔を出す。

ホームストレートから第1コーナーは5速から3速に落として進入。2コーナーまでの間で一端アウトに膨らみ2コーナーのインを目指すには旋回中のアクセルOFFによる荷重移動と、言えばタックイン現象で前輪の舵角の効きを高めてノーズの向きとリアのスライド量をコントロールするのがポイントだ。

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それは舵角の切り角よりもアクセルOFFのタイミング、アクセルOFFを全閉か、やや戻しなのかの量と時間で姿勢は決まる。もちろん、このコーナーだけでなく、挙動変化の際のステアリングの修整はカウンターステアも含めて素早く適確に当てる必要がある。と、リアの挙動変化に対してアクセルコントロールにより、駆動力を与えて安定させる方法と曲げるためのアクセルOFFを含む挙動変化をコントロールする事が難しくも楽しい。

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2速か3速か? 分かっていても・・・

4コーナーと言えるヘアピンからの登りは、練習から予選は3速で行ったが、決勝は2速でトライ! レースの教訓「練習で試していないことを本番でやると失敗する・・・」と、分かっていても・・・。前車との間隔を見ながらだと、単独走行なら3速、前車と競り合っている場合は2速がいいようだが、3速へはシケインの手前でアップ。いや、もっと言えば3速のままでよかったのかもしれない。

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そして、3速のままハイポイントとレインボーに進入。どちらもアンダーステアを出さないように心掛けるが、バックストレッチにつながるレインボーは特にアンダーステアを出さないよう、立ち上がりでアクセルを戻さないようようにベストなライン取りで上手く加速につなげる。

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下りのバックストレッチはエンジンをリミットの7000rpmまでと6500rpmに抑えた早めのシフトアップを試すが、負荷が加わるほど過給エンジンは威力を発揮するため、早めにシフトアップしたほうが効果はありそうだ。ターボ車の場合、“迷ったらひとつ高いギヤを!”は鉄則だが、スーパーチャージャー車の場合、高効率はどちらか断定できないため、ご自身で試して下さい、としか言いようがない。

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バックストレッチを200km/hオーバーで駆け降りて「馬の背」で5速から3速に落とし、はやる気持ちと立ち上がりのアンダーステアを抑えてSP1へ。アウト側の縁石に乗り過ぎず、SP2のブレーキングでABSを作動させるか否か、これが重要だ。というのもロータスのABSの制御は、それが作動すると旋回が始まっていても安定方向、つまり直進状態に戻そうとする制御が強く働くからだ。SP2の進入に向けてブレーキと同時にステア操作で切り込むと、前輪左右の接地圧の変化からABSが作動しやすくなる。

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せっかくの旋回姿勢をABSが打ち消して直進状態に戻そうとするこの動き。ロータスのポリシーなのだろうが、これをどう乗り越えて上手く曲げるか、ブレーキ初期踏力を高めて、ロックさせず(ABSを介入させず)踏力を抜きながらステアリングを切り込む。あるいはステア操作する前までに車速のコントロールを終える。つまり加速しながらSP2に進入するか、という極めて難しい選択に迫られる。菅生でもっとも重要な10%の勾配になる最終コーナーへ、どう進入し、どこからアクセル全開にできるのか・・・。

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悔しくも3番手のままゴール! それでも心地よい快感が残る

結局、答えを見出せないままレースは呆気なく“高速走行会”で終えてしまった。予選3位から決勝も3位でゴールイン(賞展外のため表彰台には向かわず)。練習走行からの楽しさは、やはり公道とは違い。制限速度の縛りがなく思う存分エンジンを回して、タイヤのグリップ限界まで能力を引き出せるコーナリングと横Gの高さ、5速全開からのフルブレーキングによる減速Gの高さにあらためて惚れた。やはり“サーキットへ行こう!”とお勧めしたい。

そして、サーキットで心地いい汗をかいた後、エリーゼで家路を急ぐ。空いた高速道路を制限速度オーバーに気をつけながらエリーゼで流れにのる作業はさすがはライトウエイト。特にシフトダウンの必要もなく、追い越しレーンに躍り出て流れをリードする快感さは、これぞロータスと思った。

まさにサンデーレーサーの気分を味わいつつ、再びロータス・カップに挑戦する日を思い描いている・・・。

REPORT/桂 伸一(Shinichi KATSURA)

PHOTO & MOVIE/宮門秀行(Hideyuki MIYAKADO)