新型N-WGNの完成度の高いエクステリアと視界の良さは秀逸! でもインテリアの素材感があと一歩【元メーカー開発エンジニアの本音評価】

●「隠れN」を入れる遊び心と余裕

「ニューシンプル!」をキーワードに開発された、新型N-WGN/N-WGNカスタムのインテリアとエクステリア。

「便利さ」や、「個性」を求め、いろいろなものがどんどん「複雑化」していく昨今だからこそ、「本当に必要なもの」を見極め、そこにとことんこだわる。こうした考え方が元になっています。

今回は「内外装デザインや使い勝手の良い所/気になる所」について、元自動車メーカーの開発エンジニアの視点でご紹介します。

良い所①エクステリアデザインの高い完成度

エクステリアは、これまでの「カッコいい」を狙ったスタイルから、「シンプルで長く乗っていても飽きの来ない」ボディスタイルへと進化しました。

まん丸のヘッドライトや、眉毛の様に見えるターンランプなど、愛嬌のある表情が魅力的です。また、見せたくないワイパーなどのパーツもきちんと隠れるように設計されており、「シンプル」に魅せるための緻密な設計がされている点は非常に好印象です。

さらにN-WGNカスタムには、シーケンシャルタイプのターンシグナルを採用しているのも、満足度が上がるポイントです。

良い所②運転席からの視界確保への執念の高さ

フロントサイドについている小窓からの視界がしっかりと確保されています。実は、今年発売された日産デイズ・ミツビシeKワゴンは、この小窓からの視界にサイドミラーが大きくかぶってしまい、小窓からの視界が半分程度になってしまっていました。

ホンダエンジニアに「素晴らしい!」と伝えると、「運転席からの死角は極力潰そうと頑張りました。サイドミラーの形状も最初から考えていました。ワイパーも運転席からは見えないように隠すように、設計の初期からデザイン要件に織り込んでいくように働きかけました。1ミリでも視界を広げようと努力をしてきたのを評価していただき、ホント嬉しいです!」とのこと。

良い所③広がる後席と、さらに広く使えるラゲッジルーム

ハイトワゴンクラスでは当たり前となった「広がる後席」。この新型N-WGNももちろん備えています。

荷室は、開口部の下側を低く下げたことで、荷物を積み込む際に高く持ち上げる必要がなくなり、日常シーンでの使い勝手が向上しています。その際、上下2段に分割しているラゲッジボードをアレンジすることで、上下2段に分けて使ったり、ラゲッジボードにある紐を後席シートにあるフックにかけて畳み、上下方向に巨大空間を確保したりと、非常に便利な構造となっています。

気になる所①インテリアの素材

すっきりしたデザインで見やすいメーターや、大型のナビゲーションモニター、あらゆるところに用意された収納ボックスなど、使い勝手は優秀といえます。ただし、ダッシュボードや内装のトリムパーツ、ドアの内張りなどに、「プラスチック感」が出てしまっており、チープに見えてしまっているのは残念なポイントに感じます。

また、インテリアは悪い意味で「今風のホンダらしい」デザインがなされており、シンプルなエクステリアとマッチしたインテリアが、欲しかったところです。

その点をエンジニアに聞くと「メーター類は見やすさを目指して誰にでも扱いやすいようなデザインとしました。外側と内側のデザインを調和する意識でやってはいましたが、インテリアが従来の「今風のホンダ」で浮いているように感じられたのは残念でした」とのこと。

例えば、メーター回りのデザインに、木材風パネルを部分的に入れる等、シンプルな遊び心を盛り込んでいただけると、さらに完成度の高いインテリアになるでは?と思いました。

気になる所①巨大なリアドア

リアラゲッジの活用のためにフロアを下げたことで、リアドア自体がN-BOX並に大きくなってしまいました。そのため、閉じるのには少し力が必要です。開き方も車両後方へ大きいため、リアドアを開くスペースにはやや気を使わなければなりません。

ホンダエンジニアによると、「もちろん大きく開くようになったことの弊害は承知しています。ただしリアドアを閉じる際の操作力や、グリップまでの高さは、女性の被験者も含めてしっかりと実験して決めています。N-WGNのために新規でリアドアダンパーを設定したほどです。実は、観音開きとなるようなドアも考えましたが、コストの面で不採用となりました」とのことでした。

新型N-WGNには「隠れミ●キー」ならぬ、「隠れN」が4つ配置されています。絶対気づかないところや、ちょっとした動作の際に気づくところなどに「N」の字が隠されていますので、ぜひ探してみてください。こうした遊び心を入れているのは、ホンダの余裕を感じられる点でした。

新型N-WGNの「走行性能の良い点/気になる点」については、別記事でレポートします。

(文:吉川賢一、写真:鈴木祐子)