川畑選手のGRスープラが第一級のスピードで単走優勝に肉薄!【D1GP】

今年のD1GPの最大の注目といえば、新型スープラの動向でしょう。Team TOYO TIRES DRIFT – 1は6月に筑波サーキットで行われた開幕戦でGRスープラをデビューさせ、約1か月の期間をおいて第3戦、第4戦が行われる十勝スピードウェイに乗り込んできました。

前戦のあとも川畑選手はテストを行い、冷却系の改善のほか足まわりのセッティングも煮詰め、確実に戦闘力を向上させて第3戦に臨みます。

まずは単走ファイナル。最後から2番目に走行した川畑選手は、1本めの走行で2番手となる98.23点という高得点を叩き出します。川畑選手は単走優勝を狙って2本めの走行に挑みましたが、こんどは角度をつけすぎて失敗。しかしあと少しで単走優勝という走りでGRスープラのポテンシャルを証明しました。

そして追走トーナメント。川畑選手はまずベスト16でマークIIに乗る北岡選手と対戦。1本めの先行時には後半で北岡選手に詰められ、アドバンテージをとられましたが、2本めの後追い時には前半から北岡選手に対して近い距離をとってアドバンテージを取り返します。2本の得点の合計は同点でしたが、先行時の得点で上まわっていたため、川畑選手の勝ちとなりました。

つづくベスト8。相手はランキング2位の強豪・日比野選手です。1本めの先行時には両者ともミスをしつつ、日比野選手の寄せもあってアドバンテージを取られます。そして2本め、後追いの川畑選手は前半から日比野選手の真後ろにつける見事な接近ドリフト! これは逆転勝ちか!? と思わせましたが、2つめのコーナーまでドリフトが届かず、戻ってしまいました。これで川畑選手は敗退しましたが、GRスープラのスピードを見せつけてくれました。

川畑選手も「いい場面もあったけど、最後詰めが甘い場面もありました。戦える雰囲気は出てきてるので、あとはもうちょい微調整を重ねてやろうかな、という感じです」と手ごたえを感じていました。

そして第3戦の翌日に第4戦が行われました。コース設定も変わらないので、川畑選手は大きな仕様変更もなく第4戦の単走ファイナルに臨みました。

前日の単走ファイナルで、川畑選手はあえて2本めにも出走しましたが、1本めに高得点を出していた選手の何人かは2本めの走行をキャンセルしていました。タイヤの本数制限があるため、追走で使えるタイヤを温存したのです。第4戦は川畑選手もその作戦をとることにし、1本めの走行からトップを狙って行きました。しかし、またしてもコーナー飛び込みの振り返しで角度をつけすぎてドリフトが戻ってしまいます。1本めに高得点が出せなかった川畑選手は2本めで適度に抑えた走りを披露し、97.52点の6番手で単走ファイナルを通過しました。失敗したとはいえ、1本めの走行で川畑選手がマークした最高速は171.01km/h。170km/hを超えた選手は全体でも3人しかおらず、川畑選手は2番手でした。やはりGRスープラはスピードの面でかなり優位に立っているマシンのようです。

第4戦の追走トーナメント、川畑選手はベスト16で高橋選手と対戦します。じつは高橋選手は単走で175.88km/hという川畑選手を上まわる最高速をマークした唯一の選手です。1本め後追いの高橋選手は川畑選手をとらえますが、DOSS(機械審査システム)の点が低く、川畑選手にアドバンテージ。2本めは川畑選手も近いドリフトを見せますが、コーナー間でコースアウトし、その際にタイヤのビードがリムから外れてしまいます。そのため規定によって負けとなってしまいました。

ただ、このコースアウトにはハンドリング面での課題も影響していました。川畑選手によると「後追いのときは筑波から出ていた、高速コーナーになるとハンドルがかえってこないっていう症状を……対策してきたんですけど、それがまた出ちゃった感じでしたね。もう完全にアクセルが踏めないくらいに、ハンドルが固まってしまってはみ出た感じでした」

このGRスープラは、ワイズファブというエストニアのメーカーのサスペンションアーム類を装着し、ジオメトリーも変更されています。調整箇所も多いため自由度は高いのですが、セッティングが難しいという面もあるようです。

しかし今回、川畑選手のスープラは単走では優勝してもおかしくない実力があり、追走においてもD1トップレベルのスピードがあることが証明されました。あと少しハンドリングの課題が改善されれば、いよいよ初優勝も見えてくることでしょう。

なお、Team TOYO TIRES DRIFT – 1の藤野選手(180SX)は、第3戦では松井選手に敗れて3位。第4戦は決勝に進出しましたが、またしても松井選手に惜敗し、準優勝に終わりました。

Team TOYO TIRES DRIFT – 2のポン選手(86)は第3戦はエンジン不調もあって単走敗退。しかし第4戦ではベスト8に進出し、藤野選手とチームメイト対決の末に敗れて8位となりました。

D1GP2019第5戦と第6戦デュアルファイナルズは8月24、25日に福島県・エビスサーキットで開催されました。

(文:まめ蔵/写真:D1GP)