【ヤマハ アクシスZ試乗】信号の多い街なかを普段使いして、実走燃費57km/Lって素晴らしい。

燃費・環境性能を両立させるBLUE CORE エンジンを搭載して2017年4月に新発売。原付2種スクーターのヤマハ最廉価モデルである。2019年2月にニューカラー4色と従来色1色、全5タイプ登場でマイナーチェンジされた。。

REPORT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO⚫️山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

ホワイトメタリック1

ヤマハ・アクシスZ •••••••243.000円

マットダルパープリッシュブルーメタリック2〈新色〉
ブラックメタリックX〈新色〉
マットダークブルーイッシュグレーメタリック3〈新色〉
ダークグレーイッシュマゼンタメタリック1〈新色〉

 ヤマハの125ccスクーター(2輪)は、4機種のラインナップがあるが、最も廉価なモデルがこれ。車体もコンパクト軽量で前後ホイールは10インチサイズを採用しているのが特徴だ。
 
 メーカー発表を受け売りすれば、“走りの楽しさ”と“燃費・環境性能”を両立させる“BLUE CORE”エンジンを搭載。ごく簡単に言うとヤマハの持つ技術力を惜しみなく投入した先進の主力エンジンである。     
 
 具体的にはフリクションロスの低減化を徹底的に追求されている。アルミ鍛造ピストンとアルミ製ダイキャストシリンダーを採用。シリンダーはDiASil(アルミシリコン合金)製。低張力ピストンリングやオフセットシリンダーの採用等も相まって摺動抵抗は大幅に削減された。
 
 ボア・ストロークは52.4×57.9mmというロングストロークタイプで、11.0対1という高圧縮比を得ている。電子制御式燃料噴射を採用し燃焼効率も追求。WMTCモード燃費はクラストップの54.6km/L。定地燃費は58km/Lの好データを誇っている。

実走燃費率、なんと57km/Lをマーク!

 125ccクラスのスクーターとしては、コンパクトでとても親しみやすい。車重はちょうど100kg 。センタースタンドを立てる動作も軽く、押し引きも楽。ちょっとオーバーに表現すると、扱いの気軽さは50ccスクーターに匹敵するレベルである。
 扱いが軽いと、操縦性も自由自在になる感じ。不安感は皆無で、それはおそらく初心者ライダーにとっても同様だろう。ちなみに最小回転半径は1.9mに過ぎない。狭い路地に迷い込んでもクルッと簡単に向きを変える事ができる。慣れてくれば、地面についた片足を軸にしてくるりとタイトなUターンを決める事も難しくない。
 
 エンジンは穏やかな出力特性に仕上げられているが、車重が軽い故に動力性能的にはなんら不満は感じられない。決してパワフルでは無いが、加速性能はそれなりに侮れないポテンシャルがある。
 
 小径ホイールと小さめなホイールベースでコーナーへのアプローチもヒラリと軽快に決まる。それでも不思議と車体全体の挙動にはシットリと落ち着きも感じられ、軽くコンパクトなスクーターのわりに安心感のある乗り味が印象深い。
 
 そして一番驚かされたのが、発進停止の多い撮影や足代わりに使用して計測した実用燃費率で、なんと57km/Lをマーク。燃料タンク容量は5.5Lあるので、一回の給油で300㎞は走れてしまう。日々通勤に使うヘビーユーザーにも航続距離の長さは魅力的。たっぷりとしたスペースのシート下トランクも自由度のある使い勝手が良い。コスパにも優れたお買い得感の高い1台である。

⚫️足つきチェック(ライダー身長170cm)

ご覧の通り両足はべったりと地面を捉える事ができる。シート高は770mm。乗車時は膝から腰までの腿がほぼ水平になるためシートには腰を降ろす感じ、股でシートを挟むのは難しい。

⚫️ディテール解説

ヘッドランプは一般的な電球式。12Vの35/35Wだ。ハンドルマウントされているので、光軸は舵を切る方向に向く。
フロントは油圧シングルディスクブレーキを装備。ディスクローターは3点支持固定式。キャリパーはシングルピストンのピンスライド式。タイヤは10インチチューブレス台湾製のMAXXIS。
サイドラインの中に綺麗に格納される折りたたみ式タンデムステップ。ワンタッチで出し入れでき、またカチッと収納できる。
ユニットスイング式のリヤサスペンション。左側にモノショックを採用。黒いコイルスプリングは不等ピッチ式だ。
クラストップの低燃費を誇る“BLUE CORE”エンジン。WMTCモード値で54.6km/Lを誇る。
高効率燃焼とフリクションロス低減、高い冷却性を追求された空冷SOHC単気筒2バルブエンジン。ローラーロッカーアームやオフセットシリンダー等が採用されている。
レッグシールド内側の左には給油口を装備、位置が高めで給油作業が楽。センターにはコンビニフックを装備。フロントポケットは右側にセット。
比較的フラットにデザインされたダブルシート。長さは666mmある。ライダーの体格に応じて、ライディングポジションには自由度がある。
シート下のトランクスペースは長くデザインされている。収納容量は37.5Lで二人分のジェットヘルメットを収納可能。
綺麗にカバーリングされたハンドルまわり。ライダーに向けられたセンターメーターは大きくて見やすい。
一般的なレイアウトのハンドル左側スイッチ。下からホーンスイッチ、プッシュキャンセル式のウインカースイッチ、そして上に位置するのがヘッドランプの光軸を切り替えるディマースイッチだ。
いたってシンプルなハンドル右側スイッチ。操作ボタンは一つだけ、エンジン始動用のスタータースイッチだ。
シンプルで見やすいアナログ式スピードメーター&燃料計。右上のECOランプはスロットル開度が控えめな時に緑色に点灯する。
リヤのコンビネーションランプは、一般的な電球タイプ。クリアレンズのウインカーにはオレンジバルブが使われている。

◼️主要諸元◼️

認定型式/原動機打刻型式:2BJ-SED7J/E31BE
全長/全幅/全高:1,790mm/730mm/1,145mm
シート高:770mm
軸間距離:1,275mm
最低地上高:135mm
車両重量:100kg
燃料消費率*1国土交通省届出値
 定地燃費値*2:58.0km/L(60km/h)2名乗車時
 WMTCモード値 *3:54.6km/L (クラス1)1名乗車時
原動機種類:空冷・4ストローク・SOHC・2バルブ
気筒数配列:単気筒
総排気量:124cm3
内径×行程:52.4 mm×57.9 mm
圧縮比:11.0:1
最高出力:6.0kW(8.2PS)/6,500r/min
最大トルク:9.7N・m(0.99kgf・m)/5,000r/min
始動方式:セルフ式
潤滑方式:ウェットサンプ
エンジンオイル容量:0.84L
燃料タンク容量:5.5L(無鉛レギュラーガソリン指定)
吸気・燃料装置/燃料供給方式:フューエルインジェクション
点火方式:TCI(トランジスタ式)
バッテリー容量/型式:12V,4AH(10H)/YTX5L
1次減速比/2次減速比:1.000/7.500
クラッチ形式:乾式, 遠心, シュー
変速装置/変速方式:Vベルト式無段変速/オートマチック
変速比:2.219~0.749:無段変速
フレーム形式:アンダーボーン
キャスター/トレール:26°30´/80 mm
タイヤサイズ(前/後):100/90-10 56J(チューブレス)/100/90-10 56J(チューブレス)
制動装置形式(前/後):油圧式シングルディスク/機械式リーディングトレーリングドラムブレーキ
懸架方式(前/後):テレスコピック/ユニットスイング
ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ:ハロゲンバルブ/12V,35/35W×1
乗車定員:2名

◼️ライダープロフィール

元モト・ライダー誌の創刊スタッフ編集部員を経てフリーランスに。約36年の時を経てモーターファンJPのライターへ。ツーリングも含め、常にオーナー気分でじっくりと乗り込んだ上での記事作成に努めている。