MotoE第2戦オーストリアGP:ウイーク中に火災発生も影響はなし。決勝はレインタイヤでの初レースに

 電動バイクによるチャンピオンシップ、FIM Enel MotoE World Cup(FIMエネルMotoEワールドカップ)の第2戦がレッドブル・リンクで行われ、マイク・ディ・メリオ(エストレージャ・ガルシア・0,0・マーク・VDS)が優勝した。

 MotoGP第11戦オーストリアGPと併催で行われたMotoE。7月上旬に開催されたザクセンリンクでの開幕戦に続き、今大会で2戦目となる。オーストリアGPでは土曜日の午前中に20分間のフリー走行3回目が設定されるなど、レースウイークのタイムスケジュールが一部変更された。これはオーストリアGPのみのセッション追加であり、現時点では第3戦サンマリノGP(MotoGP第13戦)、第4戦バレンシアGP(MotoGP第19戦)には適用されない。

 第2戦を迎えたMotoEだったが、金曜日のフリー走行2回目を終えた後、アクシデントが発生した。MotoEのピットが集まるEパドックで火災が発生。ニキ・トゥーリ(アジョMotoE)のマシンが巻き込まれた。ただ、幸いにも火災はすぐに消し止められたということだ。

 MotoEでは3月中旬のヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトでの公式テスト中、Eパドックの充電ステーションから火災が発生し、すべてのマシンと多くの機材が焼失している。こうした状況を踏まえたものか、開幕戦ドイツGPでは、Eパドック周辺には常に消防スタッフが待機していた。

 今回のアクシデントは大きな被害をもたらすには至らず、土曜日以降のセッションはスケジュールどおりに進められた。火災の原因については調査中ということだ。

常にEパドック周辺に待機していた消防スタッフと消防車(写真はドイツGPのもの)
常にEパドック周辺に待機していた消防スタッフと消防車(写真はドイツGPのもの)
ドイツGPで開幕戦を迎えるMotoEのピットが集められた、E-パドック
ドイツGPで開幕戦を迎えるMotoEのピットが集められた、Eパドック

 こうして迎えた決勝レースは、天候は曇りながらもコンディションはウエット。公式テストとしてはこれまでにドライコンディション下で行われ、ダンプコンディションだった開幕戦も全ライダーがスリックタイヤを履いた。そのため、MotoEライダーたちは初めてMotoE用のミシュランのレインタイヤでレースに臨んだ。また、レース周回数がウエットコンディションのために当初の6周から5周となった。

 予選であるEポールにより、ポールポジションを獲得したのはディ・メリオ。2番手にはチャビエル・シメオン(アビンティア・エスポンソラーマ・レーシング)、3番手にはブラッドリー・スミス(ワン・エナジー・レーシング)がフロントロウに並んだ。

 気温19度、路面温度22度のもと、レースがスタート。ホールショットを奪ったのは2番手スタートのシメオン。続いてディ・メリオ、エクトル・ガルソ(テック3・Eレーシング)などが続く。しかし続く3コーナーに向かうストレートで、ガルソが後退。後方集団に飲み込まれていった。

 3コーナーではディ・メリオがシメオンを交わし、トップに立つ。さらにオープニングラップでは開幕戦ウイナーであるニキ・トゥーリ(アジョMotoE)がオーバーラン。トゥーリはレースに復帰したが、大きくポジションを落とした。

 トップ集団は、2番手を走るシメオンをエリック・グラナド(アビンティア・エスポンソラーマ・レーシング)がオーバーテイク。トップがディ・メリオ、2番手がグラナド、3番手がシメオンでオープニングラップを終える。

 2周目に入ると、2番手のグラナドがトップを走るディ・メリオに襲いかかる。ストレートでぐっとその差を詰めたグラナドは3コーナーの立ち上がりでディ・メリオを交わすとトップに浮上。23歳のブラジル人ライダーがレースをけん引する。グラナドは開幕戦前にバレンシアで行われたシミュレーションレースでのウイナーでもある。

初のレインタイヤを履いてのウエットレース。オーバーランを喫するライダーも
初のレインタイヤを履いてのウエットレース。オーバーランを喫するライダーも

 しかし3周目、グラナドが3コーナーで転倒。グラナドが転倒したことにより、ディ・メリオが再びトップに立つ。ディ・メリオが後方を引き離しつつあるなか、シメオン、そしてオープニングラップで後退したガルソによって2番手を争いが展開される。

 シメオンを交わして2番手に浮上したガルソだったが、最終ラップに転倒。シメオンが2番手に浮上した。

 最終的にディ・メリオがトップを守って優勝を飾った。2位はシメオン、3位には序盤にポジションを落としながらも5周の間に追い上げたスミスが入った。MotoEの第2戦オーストリアGPは、3人の元MotoGPライダーが表彰台を占める結果となった。

元MotoGPライダーの3人が表彰台に立った
元MotoGPライダーの3人が表彰台に立った

 レースは初のレインタイヤを履いたウエットレースとなり、グラナド、ガルソの転倒のほか、オーバーランを喫するライダーが少なくなかった。MotoEには決勝日のウオームアップセッションが設けられておらず、また、レースではサイティングラップのみでスタートしなければならない。

 オーストリアGPは金曜、土曜ともにドライコンディションだったため、ほぼぶっつけ本番の状況で、ライダーたちはウエットコンディションのレースを戦ったことになる。MotoEライダーにとっては厳しい状況、そして条件下でのレースだった、と言えるだろう。

 次戦は9月13~15日、ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリでダブルヘッダーとして2レースが開催。MotoGP第13戦サンマリノGPに併催の形で行われる。

 以下、MotoE第2戦オーストリアGPの決勝順位結果。

■MotoE第2戦オーストリアGP 決勝順位結果(5周)

路面:ウエット

Pos. No. Rider Team Motorcycle Time/Gap
1 63 M.ディ・メリオ エストレージャ・ガルシア・0,0・マーク・VDS エネルジカ 8’41.799
2 10 X.シメオン アビンティア・エスポンソラーマ・レーシング エネルジカ 2.238
3 38 B.スミス ワン・エナジー・レーシング エネルジカ 4.368
4 5 A.デ・アンジェリス オクト・プラマック・レーシング エネルジカ 5.071
5 11 M.フェラーリ トレンティーノ・グレシーニMotoE エネルジカ 5.155
6 15 S.ジベルナウ ジョイン・コントラクト・ポンス40 エネルジカ 6.845
7 16 J.フック オクト・プラマック・レーシング エネルジカ 7.961
8 7 N.カネパ LCR Eチーム エネルジカ 10.331
9 2 J.ラフィン ダイナボルト・インタクトGP エネルジカ 8.907
10 32 L.サバドーリ トレンティーノ・グレシーニMotoE エネルジカ 11.637
11 78 K.フォーレイ テック3・Eレーシング エネルジカ 16.446
12 14 R.ド・プニエ LCR Eチーム エネルジカ 18.062
13 27 M.カサデイ オンゲッタ・SIC58・スクアドラ・コルセ エネルジカ 19.584
14 18 N.テロル オープンバンク・アンヘル・ニエト・チーム エネルジカ 21.244
15 66 N.トゥーリ アジョMotoE エネルジカ 22.490
16 6 M.エレーラ オープンバンク・アンヘル・ニエト・チーム エネルジカ 25.746
17 51 E.グラナド アビンティア・エスポンソラーマ・レーシング エネルジカ 1’10.619
NC 4 H.ガルソ テック3・Eレーシング エネルジカ 1 Lap(リタイア)