新設ラリークロス『タイタンRX』第2戦は15台集まる盛況ぶり。予選ではピケJr.がポール

 鳴り物入りで幕を開けたラリークロスの新シリーズ、『タイタンRXラリークロス・シリーズ』第2戦が7月27~28日に、イングランドにおけるラリークロスの聖地リデンヒルを舞台に争われ、新たな豪華スター選手が多数顔をそろえるなか、土曜予選ヒートではネルソン・ピケJr.が躍進しポールポジションをゲット。日曜ファイナル2では、初参戦の元BTCC王者アンドリュー・ジョーダンがいきなりの3位表彰台を獲得した。

 開幕戦フランス・エセから約1カ月のインターバルを経て、舞台をイギリスに移した『タイタンRXインターナショナル・ヨーロッパ・シリーズ』は、かつて北米を中心に開催されたGRCレッドブル・グローバル・ラリークロスの主催団体がリブランドした新たなラリークロス選手権として創設されたもの。ストリーミング配信などはWTCR世界ツーリングカー・カップなどをプロモートするユーロスポーツが担当している。

 競技運営などはオーストリアの名門ラリークロス・コンストラクター、MJPレーシングが中心となり、使用されるマシンも彼らの製作したワンメイクフレーム“パンテーラRX6”が採用されている。

 537馬力/750Nmを発生する“ピポ・モチュール”チューンのフォード製2.3リッター・エコブーストを搭載し、アウディA1やフォード・フォーカス、ヒュンダイi30、メルセデス・ベンツAクラスやプジョー308などCセグメントモデルのボディが架装されている。

 すでにレギュラーのエントリーリストにも錚々たるメンバーが名を連ねる同シリーズは、この第2戦にも多くのスタードライバーがゲスト参戦。2014年ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズ王者で、WEC世界耐久選手権ではバイコレスに所属するなど、スポーツカー耐久シーンで活躍するオリバー・ウェブや、F1参戦経験も持ち、イギリスBBCの人気番組『トップギア』で“初代スティグ”を務めたペリー・マッカーシー、そしてAmazon Primeの人気自動車番組『ザ・グランド・ツアー』の女性テスターとして人気になったアビー・イートンなど、開幕戦を上回る全15台のエントリーが集った。

 そんななか、土曜のラウンド3で予選ヒートから躍動したのは初代フォーミュラE王者でもあるピケJr.。今季は母国でフル参戦中のSCBストックカー・ブラジルとのバッティング・イベントには、すでにワイルドカード枠として登録されている元F1ドライバーのアレックス・ブルツとマシンをシェアしてシリーズを戦う予定のブラジリアンは、QFヒート1、同ヒート2を制し、セミファイナル1のポールポジションを手にしてみせる。

 この準決勝2ヒート進出の全12台には、元GRC王者でWorldRX世界ラリークロス選手権参戦経験も持つトーマス“トピ”ヘイキネンを筆頭に、WorldRXレギュラーのティミー&ケビンのハンセン兄弟、ERCヨーロッパ・ラリー選手権レディス・トロフィー獲得経験のあるタマラ・モリナーロや、2013年BTCC王者のジョーダンらも順当に顔をそろえると、やはり経験豊富なラリークロス界の実力者が決勝進出を決める展開に。

ラリークロスの聖地、イギリス・リデンヒルに集った豪華ドライバー陣
予選ヒートを連続で制し、セミファイナルのポールを獲得したネルソン・ピケJr.
WECのバイコレス・チームで活躍中のオリバー・ウェブも、ラリークロス初挑戦。「最高の経験だった」
実力者のトーマス・ヘイキネンが開幕初戦に続き、土曜のラウンド3を制した

 そのセミファイナル1でアクアプレーニングからクラッシュし、赤旗中断の原因となってしまったピケJr.や、ワイルドカード枠のイートンを打ち負かしたウェブが唯一初参戦組でファイナル進出を決めるも、先頭スタートから首位を守りぬいたヘイキネンが開幕戦に続いて土曜決勝を制し、ハンセン兄弟が表彰台を堅守。ケビンを最後まで攻め続けたウェブが4位に続くリザルトとなった。

 続く日曜のラウンド4は、予選ヒートからそのハンセン兄弟がワン・ツーを独占し続けると、ヘイキネン、ジョーダン、モリナーロらがセミファイナル上位を獲得し決勝へ。

 ポールシッターの兄ティミーがゆうゆうレースを支配すると、3番手発進の弟ケビンがスタートでフロントロウのヘイキネンを仕留め、兄弟ワン・ツーを形成。

 最後の最後までポジション奪還を狙ったヘイキネンだったが、最終コーナーまでサイド・バイ・サイドのバトルを展開した2台は、レーシングラインをキープしたケビンに軍配が上がり、ヘイキネンは失速。この隙を見逃さなかったWorldRX参戦経験も持つジョーダンがファイナルラップ最終セクションで3番手に浮上し、最後の表彰台スポットを獲得することとなった。

「トピとは本当にいいバトルができた。最終ラップの1コーナーでは一瞬前に出たけれど、依然として彼が3位をキープしていた。最終コーナーに向け、自分自身に『行くのか、行かないのか』と自問していたんだ。彼はスペースを残してくれて、オフラインを選んだ。それで僕の方がトラクションが良かったんだ」と、バトルを振り返ったジョーダン。

「このシリーズのドライバーたちはとてつもなく経験豊富で、可能ならツーリングカーで勝負して欲しいところだよ(笑)。でもシリーズ初参戦で表彰台に乗れたのは最高にクールだ。残りのシーズンも本当に楽しみにしている」

 この日曜の結果で、選手権首位はわずか1ポイント差でケビン・ハンセンがリードし、2位にヘイキネン。週末2戦ともファイナル進出を果たしたモリナーロが6位にまで浮上している。

 続く『タイタンRXインターナショナル・ヨーロッパ・シリーズ』第3戦はポルトガルのモンタリグレが舞台に。8月10~11日のイベントに向けては、すでにトム・コロネルのワールドカード参戦がアナウンスされている。

ERCレディス・トロフィー覇者のタマラ・モリナーロは2日続けてのファイナル進出
ほぼイン側にマシンを落としてオーバーテイクを決めたアンドリュー・ジョーダンは「あそこのスペースは空いていたよね?」
ハンセン兄弟に並び初陣で表彰台を決めたアンドリュー・ジョーダン(左)。「初挑戦のポルトガルはより厳しい戦いになるはず」
その第3戦ポルトガルには、ツーリングカー界の雄、トム・コロネルのワイルドカード参戦が発表されている