MotoGPチェコGP:刻々と変わる天候にも翻弄されないマルケス。レースでは「とても集中していた」

 MotoGP第10戦チェコGPで、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)がポール・トゥ・ウインで今季6勝目を挙げた。ランキングトップのマルケスにとって幸先のいい後半戦のスタート。マルケスの強さは、目まぐるしく変わる天候に翻弄されることはなかった。

 チェコGPの週末は天候がころころと変わった。予選日のフリー走行3回目、4回目ではウエットコンディション。ただ、雨は降ったりやんだりで、青空も顔を出す、不安定な天候だった。MotoGPクラスの予選Q1を終え、路面状況はウエット。しかし次第にコースコンディションは回復に向かう。

 予選Q2で最初のアタックを終え、ピットに戻ったマルケスはスリックタイヤでセカンドアタックに入った。マルケスがトップタイムをマークしたあたりで雨粒が落ち始める……しかしマルケスは、ペースを落とさなかった。その翌周、マルケスは自身のトップタイムをさらに更新した。

「少しリスクを冒しすぎたね」と予選後に語ったマルケス。チームの重役たちのなかには、その果敢な走りを怒ったメンバーもいたそうだ。しかし、マルケスは転倒しなかった。そして2番グリッドを獲得したジャック・ミラー(プラマック・レーシング)に対し、2秒以上のアドバンテージを持ったタイムでポールポジションを獲得した。

雨粒が落ちてくるなか、スリックタイヤでポールポジションタイムを叩き出したマルケス
雨粒が落ちてくるなか、スリックタイヤでポールポジションタイムを叩き出したマルケス

 翌日の決勝レースでも、雨がライダーたちを悩ませた。スタート前に降り出した雨により、路面状況はウエットに。しかし一部はドライに回復する複雑なコースコンディションとなり、こうした状況によってレースはディレイとなる。

 マルケスは「落ち着いて、リラックスしていた」とこのときの状況を、レース後の会見で語っている。レースディレイは40分にわたった。マルケスはずっと緊張を継続させるのではなく、レースまで、精神状態をいったん“オフ”にしていたということだ。

 ウエットパッチが残るなか、決勝レースは約40分遅れ、1周減算の20周で始まった。マルケスはポールポジションからホールショットを奪うと、そのまま先頭を維持する。

 中盤までは2番手のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム)、3番手のアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)を引き離すことはなかった。一方で、追いつかれることもない。そうして次第に、マルケスとドヴィツィオーゾとの差が開いていく。終盤には、ふたりの差は3秒以上となっていた。マルケスは独走態勢でチェッカーを受けた。

終わってみれば、ドヴィツィオーゾをも寄せ付けない走りでポール・トゥ・ウイン
終わってみれば、ドヴィツィオーゾをも寄せ付けない走りでポール・トゥ・ウイン

「序盤からとても集中していたよ。特に1コーナーなど、まだウエットパッチが残っている部分があったからね。ヤマハライダーたちが後ろからスタートしていたから、リズムをキープする必要があると思っていた。ヤマハライダーたちはウオームアップ走行で力強い走りを見せていたから」

「それからドヴィ(アンドレア・ドヴィツィオーゾ)も僕の後ろにいた。とにかく攻めに攻めたよ。10周目には少し注意が必要だった。そこからさらに攻めて、(ドヴィツィオーゾとの)ギャップを広げていこうとしていたから」

 マルケスはチェコGPで58回目のポールポジションを獲得し、ミック・ドゥーハンの最高峰クラス最多ポールポジション獲得記録に並んだ。そしてまた、歴代4位となる最高峰クラス50勝目を挙げた。

 次々と記録を破り、打ち立てるマルケスを止めることができるものは誰なのだろう。目まぐるしく状況が変わっていったチェコGPのなかで、マルケスの揺るがない強さが際立った。