ハミルトン「競争のない今のF1はたしかにつまらないが、メルセデスの責任ではない」

 ルイス・ハミルトンは、メルセデスが覇権を握る現在のF1について、“かなりつまらなくなった”という声には同意しつつも、その責任を負うべきはメルセデスではないと考えている。

 メルセデスは、2019年シーズンの開幕から5戦が終了した現時点ですでにコンストラクターズランキングでフェラーリに96ポイント差をつけている。これまでの全レースで完璧な戦いを重ね、1-2フィニッシュの圧勝を続けてきた結果、これほどの差がついたのだ。

 先行するメルセデスにとって唯一の不確定要素といえば、チームメイト同士であるハミルトンとバルテリ・ボッタスの間の競争が、どちらの勝利で終わるのか分からないということぐらいだ。

 レッドブル・ホンダのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、今年がメルセデスの選手権になると考えている。一方でF1のファンコミュニティからも、このスポーツには意外性がなくなってしまったという不満の声があがった。

 ハミルトンも、競争が起こらないためにレースの楽しさや興奮が多少なりとも減ってしまったことを認めるが、そうした現状についてメルセデスに責任はないと話す。

「集中し続けることは、僕たちにとってさほどの困難ではない。だけど、他のチームと競い合っていたときと比べれば、集中があまり楽しいことにもなっていない。それが今のF1なんだ」

「コースに到着して、ベストな戦いを仕掛けてくる他のチームと競い合う。彼らの側にもふたりのドライバーがいて、僕たちの走りを乱そうとしてくる」

「そうしたことが起きない限り、競争の観点で言えば、圧倒的につまらないレースになってしまう。チーム内での争いだけということだ」

「たしかにF1にとって理想的ではないと思う。けれどこれが実態であり、このところずっとその同じ状況が続いてきた。でも、チームのスタッフが優れた仕事をしているだけで、僕たちの過失ではないよ」

 メルセデスの優位が続くとはいえ、2019年シーズンを全戦全勝の新記録達成とまではいかないだろうとホーナーは見ている。

「21レースを戦って21勝するというのは、絶対に無理とまでは言い切れない。だが、もしそうなれば、それはとんでもない偉業になる」とホーナー。

 だがハミルトンは、それほど並外れた記録であっても、実現不可能だとは思わないようだ。

「それは誰にも分からないと思うよ。僕たち自身、開幕からの5戦を全勝できるとは思わずにシーズンに臨んだ。そしてそれはチームの皆にとって信じられないほどの励みになっている」

「スタッフは全員、今も厳しい努力を重ねているし、それは見事なものだと思う。本当に素晴らしい人たちだよ。エンジニアたちは、誰一人として自信過剰に陥っていないんだ」

「僕たちはただ、自分たちでできる改善について話し合ってきただけだし、どうすればマシンを改善できるかについて議論してきただけだ。スタッフはみんな、建設的な批判を気にしないし、それで感情的になることもない」

「現存する、そして過去に存在したF1チームのなかでも、最強だと思う。このチームの強さをしのぐことは難しいだろうね」