ターザン山田が峠を激走! アラゴスタ車高調の開発テスト現場に潜入取材

ターザン山田が峠を激走! アラゴスタ車高調の開発テスト現場に潜入取材

R35GT-RとZC33Sスイフトスポーツ用の新作を開発中!

荒れた路面をしなやかに受け止めるサスペンションシステム

オランダ生れの高性能サスペンションとして知られるアラゴスタ。大径ピストンやアルミ鍛造シリンダーにより生み出されるしなやかな乗り味は、走りにうるさい根っからのクルマ好きを魅了してやまない。

特筆すべきはその精度。単筒式のシリンダーは真円度を高めるためにホーニング処理を実施。さらにフリクションを抑えるためにカシマコーティングを施すなど、こだわりは枚挙にいとまがない。

そんなアラゴスタの車高調キットを開発しているトップラインプロダクトでは、サーキットばかりでなくターザン山田を起用してワインディングでの開発テストも行っている。その理由は、荒れた路面をいなせるようなより懐の深いサスペンションに仕上げるため。今回はその開発現場に立ち会う機会に恵まれた。

テスト当日に持ち込まれたのはR35GT-RとZC33Sスイフトスポーツ、ジャガーXEの3モデルだ。注目は、新たに導入予定という新型ピストンバルブ。従来品と比べて、ロースピード領域から減衰力を早めに立ち上げつつ、ハイスピード域での特性をなだらかにする設計になっているとという。

まずは従来型のピストンが組み込まれているR35から評価を開始した。

「攻め込んだ時の限界性能はまったく不満がないレベル。レスポンスよくクルマが動くし、ハイスピード域でもしっかりと踏ん張る。ただタイヤとのマッチングの兼ね合いもあってか、それなりにハードな乗り味。新型ピストンによって走りのよさを活かしたまま、ゆったりと乗る領域の心地よさを引き出すなど、いっそう懐の深さを引き出せればベストだと思う」とターザン山田。

現地にはダンパーの分解や仕様変更が迅速に行えるよう専門機器を備えたサービスバンが待機。ターザン山田が試乗しては気になる箇所をエンジニアに伝え、仕様変更をしてはまた走るといった作業を繰り返していく。

というわけで、納得がいく乗り味に仕上がるまでじっくりと仕様が煮詰められた今回の開発テスト。例えばZC33Sではスプリングレートを3パターン試し、フロントについては減衰力特性も変更された。R35やジャガーについても然りで、日が暮れる直前まで走り込みが重ねられた。

そうして仕上げられた足まわりの乗り味を確認するべくZC33Sを試乗させてもらったが、その走りは絶品の一言。軽量級とは思えない安心感のある走りと、ノーマルとは比にならないほど高められた限界性能に舌を巻いた。これはいい!

アラゴスタは決して手頃感のあるサスペンションキットではない。しかし、これほどまでに走りの楽しさと安心感が得られるのなら、その価格にも十分に納得できる。一度は手に入れてみたい逸品だ。

取材協力:トップラインプロダクト

アラゴスタの原点でもあり最上級スペックモデルとなるタイプS(R35用 価格:38万円〜)。ワインディングからサーキット走行まで最適な乗り味を目指して開発。全長調整式の20段減衰力調整機能付きモデルで、カシマコーティングを施した鍛造アルミシリンダーを採用しているのも特徴的だ。この特殊コートを掛けるとフリクションが低減し、通常のアルマイトに対して摩耗性が約4倍まで高まるとか。

写真はR35用のリヤ。前後ともに調整式のピロボールアッパーマウントを採用。スプリングはrana製となり、R35用のレートはフロント16kg/mm、リヤ10kg/mmが基準となる。

従来型のピストンバルブ(右)はピストンスピードの上昇に比例してリニアに減衰力が高まっていく。対してデグレッシブピストンとも呼ばれる新型(左)は低速域で素早く減衰力が立ち上がるが、中高速域ではマイルドになる特性となる。

フロント7kg/mm、リヤ5kg/mmからテストを開始したZC33S用(タイプC)は、フロント6kg/mm、リヤ4kg/mmに落ち着いた。フロントの減衰力も抜く方向にした所、限界性能と快適性をうまくバランスした乗り味に仕上がった。

峠インプレッション byターザン山田

「新型ピストンは減衰力の立ち上がりが早い。一般的な2ウェイダンパーって減衰力ダイヤルを締めてもバンプ側は意外に変化量が少ないもの。このピストンはそれがシッカリと出てくれて、ステアリングを切りはじめのレスポンスが抜群にいいんだ。これはメリットが大きいね。というのも、従来はハンドリング性能を高めるためにレートを上げるなど色んなことをして対処していた。だから速く走れる足に仕上げるには、多少なり突き上げ感が出るのは避けられない部分もあった。でも、この新型ピストンの特性を活かせば、これまで以上に街中での乗り心地と攻め込んだときの踏ん張り感を両立できる。今後のアラゴスタにもさらに期待していて欲しいね。きっと満足してもらえると思うよ!」