【谷口信輝シルビアのすべて】S15シルビアに一生乗り続けるための決意と大手術

【谷口信輝シルビアのすべて】S15シルビアに一生乗り続けるための決意と大手術

シルビアをこよなく愛する走り屋のカリスマ「NOB谷口」こと谷口信輝。さまざまなレースフィールドで大活躍しているが、その男が「今まで出会ったクルマの中でこれ以上の素材はない」と言いきるのがシルビア。S13からS15まで、180SXも含めてプライベートで常に乗り続けてきた。そんなNOB谷口が愛車のS15シルビアをOPTION誌の連載を通じて完全リフレッシュ。その全容をお届けしよう。


「新車が買えるほどお金がかかったけれど、そこまでしてでも維持していきたい魅力のあるクルマなんだ」NOB谷口

NOB谷口が語るシルビアへの想い

Nステージに預けた当初は、自分の大好きなシルビアをパリっとリフレッシュしようなんて軽い気持ちだったんだ。でも、やりたいことを洗い出しながらNステージのナベちゃんと打ち合わしているうちに、それならいっそのこと全バラレストアコースにしちゃうほうがいいね…っていうことになった。

結果的に大作業になっちゃったけど、オレにとってシルビアは特別な存在。一生持ちたいっていう愛車の作業、このシルビアのリフレッシュ計画に妥協はしたくなかった。

そしてオレの愛車シルビアは完全に全バラされ、まずボディは修正機にかけられボディアライメントを調整、長年の走行で積み重なった歪みを取って正しい寸法に戻され、補強も全身に加えられた。もちろん、サスペンションなどもバラバラ、エンジンもオーバーホールとちょっとした仕様変更など手が加えられた。

正直言って、その費用は新車が買えるほどのものなんだけど、それでも、オレにとってそこまでやってでも維持していきたい魅力のあるクルマがシルビアなんだ。軽くてパワーも出せる、ハンドリングは素直で電子デバイスの介入もないから意のままに操れる。

もちろん、現行車でもいいクルマはたくさんある。でも、技術が進みすぎ、安全装備の基準が高められすぎている今、シルビアほど走りを楽しめる素性を持ったベースは、残念ながら新車のラインナップには存在しない。そして、この先も当分は現れないだろうからね。

で、リフレッシュされた愛車の印象だけど、すぐ感じたのは寸法をあわせて補強まで入れたボディのシャッキリ感。これは多分、新車以上で、とにかくハンドリングがダイレクトで操るのが楽しい。

エンジンに関しては、前の仕様(GTII-7460タービン)より、上をスッキリ伸ばしたかったから一回り大きいGTII-8262を選んだんだけど、オレの好みからすると少し大きすぎたかな。パワー志向ならこの選択でいいと思うけど、オレの好みはどこからでも始まる鋭い加速。まあ、これは後からでも変更できる部分だから、ゆくゆくはタービンサイズを戻すとか、あえてアクチュエーター式を入れるとか、パワーに捕らわれない方向で見直してみようと思う。

繰り返しになるけど、オレの中でのストリート仕様の理想って、いつでもどこでも加速するイメージなんだ。一瞬とは言え、ブースト圧が立ち上がるまでのラグが気になるの。だから、レスポンスやフィーリングがよければ、ピークパワーは400psくらいに抑えてもいいかな。

ともあれ、1年かけてできあがった全身ピッカピカのシルビアには大満足で超お気に入り。まさに大人のホビーって感じの上質な仕上がりになっているよ。

取材協力:エヌステージ

2.2L化されたエンジンにGTII-8262タービンを組み込んで約450psとされたエンジン。F-CON Vプロで制御されている。オーバーホールの行程で、気になるキズのあったメタルとカムシャフトは今後のトラブル防止のために交換され、オイルポンプも強化された。また、エンジンルーム内は配線を目立たぬよう綺麗に処理し、切れ角アップのためサイクルフェンダー化等も行った上で再塗装されている。このあたりはNステージらしいフィニッシュだ。

美しいヒートグラデーションが特徴のマフラーはGPスポーツ製。テールエンドはスライド式で調整可能だ。

サスペンションは、以前から装着されていたHKSのハイパーマックス。硬めすぎずスムーズな動きを目指してセットアップされている。アッパーマウントはキャンバー、キャスター調整式だ。スポット増しの効果で、ハンドリングはバツグンのレスポンスとなっている。

フロントブレーキキャリパーはプロジェクトμ製、リヤブレーキはサイドをインナードラム化したうえでスカイラインのキャリパーを流用。ホイールはアドバンRG-D、タイヤサイズはF225/35-19、R265/30-19。タイヤはアドバンネオバAD08だ。

エアロパーツはT&EのベルテックスEDGEシリーズで統一。ヘッドライト&テールレンズは社外品を使いLEDなどで今どき感を引き立てる。NOB谷口の好みで、できるだけシンプルな外観を目指して選ばれた。

フロントシートだけでなく、リヤシートやドアトリムなどをブリッドのファブリックで張り替えたいわゆるフルブリッド仕様。コクピットまわりはノーマル然として落ち着いたもの。ステアリングはNOB谷口が好きだというナルディクラシックの34φ。

【NOB谷口シルビア】パーフェクトリフレッシュ行程ダイジェスト

新車以上の高剛性で蘇ったボディとSR20改450ps仕様の心臓部

ここからは約1年間に渡って行われたNOB谷口シルビアのリフレッシュ&メンテナンスを駆け足で公開! Nステージの技術力の高さはもちろん、細部フィニッシュに対するNOB谷口の拘りに注目していただきたい。


フレーム修正

ボディからガラスまで含めたすべてのパーツを外し、最初に行われたのが骨格修正ともいえるフレームの修正。事故車である場合や、サーキット走行を繰り返した車両の場合、その骨格の歪みが性能のスポイルへと繋がることも多いのだ。

スポット増し

ストリート仕様であるため、最初からロールケージを入れる選択肢はない。しかし、ボディの剛性は走行フィールや性能に直結するので、全身にスポット増しを行った。もともとはドアやガラスの開口部のみを想定していたが、フロアの補強が聞くということになり、全バラが決まった時点で全周を補強することが決定した。

サイクルフェンダー化

タイヤ&ホイールの大径化や幅広化に対応するため、フロントフェンダー内面は、いわゆるサイクルフェンダーの手法で大きく作り直された。切れ角のアップを行う際などにも重要な項目だ。ちなみに、右フェンダー前方のバッテリーケースの下など、見えない部分で腐食の進行している部分も多かったため、各部補修が行われている。

アーム類などの洗浄、再塗装

作業の中でいちばん手間がかかったとNステージの渡辺さんが言っていたのが、サブメンバーやアーム類の洗浄&再塗装作業。『下面までピカピカにしたい!!』というNOB谷口のオーダーに沿ったものだ。エンジンまわりのステーなども当然再塗装仕上げとなっている。

エンジンオーバーホール

交換したオイルにメタルの粉片が見られたため、搭載前にチェックとオーバーホールがなされたSR20DETエンジン。基本仕様は大きく変わっていないが、多少キズの入っていたメタルやカムは交換。オイルポンプも強化して組み込んだ。また、これまで上の伸びにもの足りなさを感じていたため、タービンを1サイズ上げたGTⅡ8262へと容量アップされたが、低回転域のレスポンス悪化もみられたため、改めての仕様変更も検討中。

細部の仕上げ

エンジン周辺は、配線を隠したワイヤータック仕様で、移動したヒューズボックスは、助手席エアバックの位置に隠された。また、キズが付きやすく走行ノイズの発生ポイントとなりやすいフェンダー内面や下回りはブラックアウト。その際使用された塗装はピッチ塗装(アンダーコート)のため、ボディの腐食防止にもつながっている。