シビックタイプRのECU解析完了!ジェイズ流FK8ブーストアップ仕様の全容

シビックタイプRのECU解析完了!ジェイズ流FK8ブーストアップ仕様の全容

ECUチューンで360psを発揮するブーストアップ仕様!

西を代表するホンダチューナーらしいアプローチ

300psオーバーのFFターボとして、さらに細やかな電子制御が加えられ、各チューナーが慎重にセットアップを模索しているFK8。西のホンダチューナーとして名高いジェイズレーシングも、安直なアプローチはデチューンになりかねないと判断し、ノーマルの分析を徹底的に図りながら攻略の糸口を探っていた。

しかし、ついに攻略の要となるECU解析が完了! 320ps&40.8㎏mのノーマルに対し、361.9ps&53.7㎏mという大幅なポテンシャルアップを果たしてきた!

「ターボですし、ECU解析さえ完了すれば瞬間的なポテンシャルの引き出しは簡単なのですが、それではじゃじゃ馬で走りを楽しめない。NAシビックで味わっていたコーナリングの楽しさと、ターボならではの痛快さを高次元で融合したスタイルこそ、FK8で目指すべき姿と捉えていますので、ピーク値の追求ではなくエンジン特性にこだわって仕上げました」とは梅原さん。

なお、リリースが開始されたハイパーECUは純正書き換えタイプとなるためイモビライザー機能も損なわれず、コンフォート・スポーツ・+Rの各モードにも対応。目標ブースト変更、トルクマップや点火マップの最適化、スピードリミッター解除が盛り込まれ、仕様に応じた現車セッティングもスタートしている。

もちろん、ジェイズレーシングのFK8攻略はここからがフルスロットル。ECU解析の過程で命題に位置づけたクーリング対策を筆頭に、ポテンシャルアップでどうしてもトルクステアが厳しくなるFFターボのフットワーク改善といった周辺環境の最適化を図り、トータルパッケージの底上げへと取り組んでいく。

ちなみに、吸気温度上昇がネックとなる弱点を克服するためのフロントスポーツグリルは完成しており、1アタックで厳しくなる水温への対策も大容量ラジエターが近日完成予定。FK8の魅力を引き出すなら、オリジナルパーツ、そしてセットアップノウハウ構築の双方で、当面ジェイズレーシングから目が離せない。

取材協力:ジェイズレーシング

TEXT:Junya MURATA/PHOTO:Ryotaro SIMIZU

ECU攻略を進めつつ、走り込みによるノーマル解析を続けてきたジェイズレーシング。足回りは現状ノーマルだが、18インチのポテンザRE-05Dをマッチングしてワインディングを攻め込んでも不満を感じないほど完成度高い仕上がりと評価する。ただ、ハイパーECUでポテンシャルアップ後はハイスピード領域でロール感が強くなったため、オリジナルダンパーキットを開発中だ。

FK2でデビューしたK20Cだが、750台限定だったことやFK8で制御系を含めたアップデートが図られたこともあり、じっくりと素性や限界を見極めるスタンス。ピストンなどは別として、腰下などの主要部は100psアップ程度なら問題なく受け入れる懐深さがあると推測する。

ノーマル解析を重ねて完成したハイパーECU。内部プログラム書き換えタイプとなるため、イモビライザーも犠牲とならず、現車セッティングを伴わなければ1時間も掛からずに愛車のポテンシャルアップが可能だ。スピードリミッター解除や点火マップ最適化などに加え、水温補正によるパワーダウンを必要最小限の手数で防ぐための電動ファン作動ポイント変更も行なっている。

走行シーンに応じたフィールに切り替えられるノーマルのドライブモードへも完全対応。各モードにおいて最適なポテンシャルが引き出せるように配慮し、ピックアップ面を左右する点火マップは入念なセッティングを行なった。なお、クラッチは純正でも容量があるため現状では問題なし。もちろん、強化アイテムがデリバリーされれば即投入してテストする予定だ。

ターボ車ゆえに瞬間的なパワーアップは簡単だが、それでは乗りにくさへとつながっていく。目標ブースト圧をノーマルの1.5キロから1.8キロへ引き上げて、361.9ps&53.7kgmを発揮させつつ、パワー&トルクをノーマル同様に自然なラインで盛り上げられるようこだわった。

AIMのデータロガー機能搭載マルチメーターを用い、フルノーマルから走行データを徹底分析する。VSA等の電子制御は長押しでフルキャンセルできるため、スポーツ走行での影響はないとのこと。ハイパーECUが完成した今もポテンシャルアップによる変化を見極めるため分析作業は続く。

スタイリングと機能面双方から高め上げる。SEIBONのカーボンパーツ、コプラスのフルLEDヘッドライトで引き締めつつ、吸気温度や水温上昇に対してクーリング強化を図るフロントスポーツグリルを加えた。

仕上がりレベルの高いノーマルフットワークだが、攻め込んでいけば弱アンダーステア。キャンバーとトーをセットアップするだけでコーナリング性能は大きく高まるが、ハイパーECUのポテンシャルアップで高速領域のロールが顕著となるため、ダンパーキットを開発中だ。なお、20インチではタイヤやホイール選択肢が限られるために18インチへとダウンしたが、走りのバランスはまったく問題なしとのこと。

ハイパーECUだけでなく、排気効率とスタイルを突き詰めたマフラーやスポーツ走行時のハンドリングを確かなモノとするタワーバーやモノコックバーといった補強パーツ類も続々と登場。FK8を満喫したいならジェイズレーシングの動向を要チェックだ。