甦れ第二世代GT-R! カンサイサービス流RB26DETTオーバーホールの全てを独占公開【価格から手順まで】

甦れ第二世代GT-R! カンサイサービス流RB26DETTオーバーホールの全てを独占公開【価格から手順まで】

熟練スタッフが拘るRB26オーバーホールの技

 

当たり前のことにじっくり取り組む! 大切なことだが実は非常に難しい

「経験則からくる違いはあるだろうけど、特別なことはない。むしろ、ひたすら誠実に正確に、時間をかけて取り組むことが実はすごく難しいことかなぁ」というのはカンサイサービスの向井さん。

エンジンのオーバーホールに限らずカンサイサービスの大きな特徴のひとつは、お客さんの履歴がすべて分かるよう「カルテ」化していること。また、作業の際に担当者が所見をいれる場合もあるので、つぎにどういった部分に手入れをすべきかも分かりやすい。

また、初めてというお客さんに対しては、車両点検メニューを施し現状を把握する努力をかかさない。

本題の第二世代GT-Rに関しては、多くのステージでたくさんの仕様を走らせてきた経験から、仕上がりのイメージやケーススタディができていることは大きなアドバンテージ。

特にストリート用のエンジンに関しては、クリアランスはやや狭め、ナラシをしっかりと行ってアタリをつけることで、滑らかでノイズの少ない快適なエンジンに仕上がるという。

製作においては、分解洗浄、加工、組み立てに他のショップでは考えられないほど時間をかける。設備や作業スペースは整っているカンサイサービスなので、短時間でカタチに仕上げるような組み方ももちろん可能だが、作業は計測や確認の繰返し。「こんなもんでしょ」というような作業は許さず、すべての工程で納得のいく作業を行う。

ちなみに、RB26エンジンを1機オーバーホール+ファインチューンを行うのに、実作業時間だけで10日以上かけるケースも少なくないという。

そんな向井さんが言うのは「技術を持って正確に、誠実に行うのはあたりまえだけど大変。それでも、絶対にお客さんに納得してもらわなくてはいけないからね」とのこと。

気になる費用のほうは標準仕様コンプリートエンジン(2.6L/鍛造ピストンなど)で約100万円、2.8Lコンプリートエンジン(新品ブロック使用)で約175万円となっている。

取材協力:カンサイサービス


2.6LコンプリートエンジンMENU

カンサイサービス在庫エンジンをベースとし店頭でのみ販売するコンプリートエンジンメニューだ(搭載エンジンは下取り)。鍛造ピストンを使用し、ハイパワーは求めないが長く乗るための耐久性を求めるユーザーにおすすめす。 カムシャフト及びコンロッドは純正品が基本となるが、ハイカムやH断面コンロッドも部品代だけで組み付け可能だ(その他オプションは別途相談)。なお、価格はエンジン単体のものであり、脱着費用/セッティング費用等は別途必要となる。


2.8Lコンプリートエンジン

排気量アップによる豊かなトルクでストリートを楽しむための2.8Lコンプリートエンジンだ。本仕様は8000rpm/550psを目安としている。500ps以上で急加速した場合に発生する油圧低下を解消するためのオイルパン大容量加工も含まれている。なお、価格はエンジン単体のものであり、脱着費用/セッティング費用等は別途必要となる。


各部の計測と重量合わせ

シリンダーの径とピストンの径は指定通りの加工になっているか、重量は単体で合わせ、組み合わせて計測し…とにかく、計測と修正を繰り返しながら行われるオーバーホール。ピストンは完全にクリアランスを整えたいのでホーニング仕上げではなく、新品ブロックでも87φピストンで組み付けるのがカンサイサービス流。

バリ取り作業

ヘッドやブロックのバリ取りや砂落としなども時間をかけて隅々まで行う。エンジンオイル内に異物の混入がなくなればトラブル防止になるし、バリが原因で各パーツの密着度に粗さがでることの防止にもなる。洗浄後、バリ取りを行いまたしっかり洗浄、とここにも時間を惜しまない。

ポート&燃焼室加工

燃焼室の仕上げ形状はもちろんだが、容積が正確に合わせられていることも大切。ポート研磨も手仕事で行うことが多い。機会仕上げのポートや燃焼室も流行っているが、TPOに合わせることなどができるのは手仕上げだからこそ。ただし、ポートを本格的に仕上げるとなるとそれだけで1週間程度かかってしまうという。

バルブガイド&ステムのクリアランス

経年による摩耗でバルブガイドにガタが出ているということはよくあるし理解もできるが、実はバルブガイドの制度が悪く最初からガタが大きいケースもあるという。細部まで計測チェックすることで、事前に把握・対策してお客さんに最良のコンディションで提供できるようになるという。

ストックパーツ

緊急時にもベースとできる中古、新品エンジン&ブロックやセットアップ用のシム類、その他ショートパーツを多数ストックしている。パーツ集めや加工手配の段取りの良さも、専門的に行ってきたカンサイサービスならでは。

仕様で性格を色づけしていく

トルクを求めるために2.8LキットやVカムシステム、特性やピークパワーに大きく影響するタービンなど、オーバーホールと合わせて選択することになる補機類やオプションパーツも数知れないのがRB26のいいところであり難しいところ。カンサイサービスなら、お客さんのスタイルに合わせて最適な仕様をアドバイスしてくれるだろう。


今でも第二世代GT-Rのデモカーを2台、完璧なコンディションで維持しているカンサイサービス。パーツのテストも行うため仕様は頻繁に変わる。

デモカーBNR32のエンジンルーム。HKSのステップ2キットを中心にVカム、GTIII-SSタービンなどを組んだ500ps+α仕様となる。

デモカーBNR34は、2.8ℓ化+Vカム、GTⅢ-RSタービンを組み約600ps+α。近く、GTⅢ-4Rのシングル仕様に組み換えて比較してみようと考えているそうだ。こういうテストの取り組みが経験となり、お客さんに提供するエンジンの仕上がりにまで影響する。