【プレミアムカー定点観測試乗】「最新アイサイトの実力をチェック」スバル・レヴォーグ 1.6GT-S アイサイト

●3つのパートからなる最新「アイサイト」は違和感をドライバーに伝えない

【ステレオカメラだけでない現在のアイサイト】

レヴォーグの自動運転支援システム「アイサイト」は、大きく分けて3つのパートから構成されています。

1番目は衝突回避を支援するコアテクノロジーの部分で、室内のバックミラー左右に配置した「ステレオカメラ」により周囲の車両や歩行者を検知し、危険があれば音と光で警告を与え、必要ならブレーキをかけてくれます(プリクラッシュブレーキ)。

後退時に超音波のクリアランスソナーにより後方の障害物を認識し、注意を喚起したりブレーキをかける機能(後退時自動ブレーキシステム)や、駐車スペースから出るときなどの、シフトレバーやペダルの誤操作による急な飛び出しを抑制する制御(AT誤発進抑制&AT誤後進抑制)も組み合わせられています。

2番目はステレオカメラからの情報を利用し、車線や先行車両との距離を自動的に制御しながら巡航してくれる「全車速追従機能付クルーズコントロール」と「車線逸脱抑制」を組み合わせた、「ツーリングアシスト」。2017年のマイナーチェンジでレヴォーグの全モデルに標準装備されました。

3番目がオプションの「アイサイトセイフティプラス」です。自車斜め後方に他車が接近した場合に警告してくれる機能(スバルリヤビークルディテクション)のほか、ハイビームの自動切り替え(ハイビームアシスト)、デジタルカメラを利用したバックミラー(スマートリアビューミラー)や車両前方と左側の死角を映し出す機能(フロント&サイドビューモニター)などを組み合わせたものです。リスト化してみると次のようになります。

・プリクラッシュブレーキ
・後退時自動ブレーキシステム
・AT誤発進抑制制御&AT誤後進抑制制御
・全車速追従機能付クルーズコントロール
・車線逸脱抑制
※スバルリヤビークルディテクション
※ハイビームアシスト
※スマートリアビューミラー
※フロント&サイドビューモニター
(※はオプション)

【0〜120km/hの範囲で前車に追従してくれるクルーズコントロール】

続いて実際走らせてみた印象に絞って報告しましょう。

車線逸脱や前車接近などを最も明確に警告を促すのは、フロントウィンドーの付け根に備わっている「アイサイトアシストモニター」という7つのLEDですが、普段はほとんどドライバーの視界に入らず、かつ必要なときは確実に警告してくれます。前車に追従している際の車間距離の検知はかなり正確で、私が試した限りでは、危険を感じるような車間のときは確実に警告を発してくれるようでした。車線逸脱の警告も神経質すぎないのが好ましいです。

0〜120km/hの範囲で前車に追従してくれるクルーズコントロールも、車間と車速の制御という観点では完成されたシステムです。車両間隔を最短に設定すると、隣車線からの横入りがはばかられるほど前車との距離を詰めてくれます。

ただし、レーダーとの組み合わせでなくステレオカメラだけに頼ったシステムには限界もあるようで、たとえば高速道路の緩い左カーブで前車に追従中にアイサイト任せにしていると、左車線のクルマを先行車と誤解して少し強めの自動ブレーキをかけてしまうケースがありました。曲率の強いカーブで前車に追従して車線をキープする能力も、完璧とはいえないようです。

アイサイトの3番目の機能である「セイフティプラス」に含まれる「スマートリアビューミラー」は、リアゲート上部に搭載したカメラの映像をルームミラーの鏡面に映せる仕組みです。角度を変えれば普通のルームミラーとしても機能します。映像はかなり鮮明でタイムラグもなく、通常のミラーでは映せない低い位置まで捉えてくれます。難点は、通常のミラーと結像する位置が違うため、前を向いて遠方を見た直後だと、自分の眼のピントが合うまで時間がかかることです。使っているうちに慣れることなのかもしれませんが、私は普通のミラーのほうが扱いやすいと感じました。

スバルのシステムで気に入ったのは、注意して安全に走らせている限り、まったく違和感のある情報や動作をドライバーに与えない点です。ユーザーインターフェイスの発達ぶりは、さすがこの手のシステムの普及度が高く、かつ販売数量も大きいスバル車ならではと感心させられました。

(花嶋 言成)