元CART王者の暴れん坊、ポール・トレイシーがひさびさ復帰。バサースト12時間に参戦

 2003年に北米のCARTシリーズでドライバーズチャンピオンに輝いたポール・トレイシーがひさびさにレースシーンへ復帰。2019年2月にオーストラリアのマウント・パノラマで開催される伝統の1戦、バサースト12時間耐久レースにMARCカーズ・オーストラリアの『フォード・マスタング』で参戦することが決まった。

 CARTの破綻とチャンプカーとの分裂騒動真っただ中である2003年に、CARTシリーズ最後の王者となったトレイシーは、2011年に現役を退くまで通算31勝を記録するなど、北米モータースポーツシーンで最も成功したドライバーのひとりに数えられる。

 オーバルでも接触上等のバトルをいとわないそのドライビングスタイルや、レース後にも頻発する小競り合いや場外乱闘などから“暴れん坊”のニックネームを与えられ、シングルシーター引退後はスタジアム・スーパートラックやトランザムなどにゲスト参戦してレースを楽しんできた。

 今年50歳を迎えるトレイシーは、2014年バサースト勝者のポール・モリスとチームオーナーのキース・カッセルクに招かれる形で、バサースト12時間の2019年大会招待クラスにエントリー。615PSのフォード・マスタングをドライブすることになった。

「まずは僕をポール・モリスに推薦してくれた(NBCモータースポーツ・ジャーナリストの)リー・ディッフィーに感謝したい。今回の契約は本当に予想外だったし、話が来てからまとまるまで何もかもが迅速に進んだよ」とトレイシー。

MARCカーズ・オーストラリアの『フォード・マスタング』でバサースト12時間招待クラスに参戦する
2010年にはKVレーシングで3戦にスポットエントリーし、佐藤琢磨のチームメイトに

「正直なところ、2019年の前半はレースをするつもりはまったくなかったんだ。でもオーストラリアの伝説的スポーツカードライバーである“The Dude”(モリスの愛称)と組めるチャンスを逃すわけにはいかない」

「彼はバサーストのすべてのクラスで勝利を飾ってきたドライバーだし、僕らのチームはとても競争力が高いと思う。マウント・パノラマでクラス優勝を狙って戦うことができると思っているよ」

 1990年代からオーストラリアのツーリングカーで活躍を演じてきた”The Dude”ことモリスは、BMWをドライブしてオーストラリア・スーパー・ツーリング・チャンピオンシップで3度のタイトルを獲得。

 近年はロビー・ゴードンらが発起人となったスタジアム・トラック選手権の『スピード・エナジー・フォーミュラ・オフロード』にも参戦し、トレイシーらと勝負を繰り広げ2017年にはチャンピオンとなった他、2014年のVASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーではチャズ・モスタートとペアを組み、フォード・ファルコンFG-Xでバサースト1000を制している。

「この話が決まってから、頭の中はフィットネスと減量のことで一杯さ(笑)。デイトナ24時間の解説を終えたら、すぐにオーストラリアに飛ぶつもりだ。真の目的を持ってジムに向かうのは本当に楽しいし、古い友人と“ダウンアンダー”で再会できることを心から楽しみにしているよ」

近年はNBCスポーツのモータースポーツ解説者としてパドックにも顔を見せている
フォード・マスタングは、パイプフレームに5.2リッターV8を搭載した”MARC GEN2″と呼ばれるオリジナルモデル