「マクラーレンとウイリアムズはF1の真空地帯に取り残された」。名門チームの苦戦を嘆く声

 スカイスポーツでF1中継のコメンテーターを務めるマーティン・ブランドルによれば、マクラーレンとウイリアムズは、F1のマニュファクチャラーチームといわゆるBチームとの間の「真空地帯」に取り残されたのだという。

 マクラーレンとウイリアムズの両チームは、いずれもグランプリレーシングの歴史において重要な位置を占め、1950年に創立されたこのF1選手権で、フェラーリに次ぐ大きな成功を収めてきた名門チームだ。

 しかし、イギリスを本拠とするこの2チームは、残念なことに今ではかつての輝きを失い、どちらも2012年を最後に優勝から遠ざかっている。そして、特にハイブリッド時代の到来以降は下位に沈むことも多くなり、フィールドの最後尾に位置することさえあるほどだ。

 バーミンガムで開かれた「オートスポーツ・インターナショナル・ショー」の会場で、ブランドルはマクラーレンとウイリアムズが、どちらも似たような立場に立たされていると指摘した。彼らの伝統的なビジネスモデルでは、自動車メーカーの支援を受けるワークスチームや、そうしたチームと提携する小規模チームが享受しているメリットが得られず、結果として苦戦しているというのだ。

「ウイリアムズが抱える問題、そしてある程度まではマクラーレンにも当てはまる問題は、彼らが今日のF1で取るべきポジションから外れたところにいることだ」と、ブランドルは述べた。

「現在のF1では、マニュファクチャラーチームか、ハースやトロロッソのように『お下がり』をもらうBチームのどちらかでなければやっていけない」

「その中間に、いわば真空地帯ができていて、ウイリアムズとマクラーレンはそこにいる。彼らはワークスチームでもないし、どこかのBチームでもないからだ」

「彼らが今後もやっていけるかどうか、成り行きを見守ろうではないか。私としては、何とか存続してほしいと思っている」

「だが、ウイリアムズやマクラーレンがハースのようなチームを相手にすれば、どうしても厳しい戦いになる。ハースは、彼らとは全く違うビジネスモデルで運営されていて、フェラーリやダラーラから多くのものを供給されているからだ」

■F1エントリー台数維持のため、“Bチーム”禁止は困難か

 フェラーリとの緊密な技術提携によって成り立つハースのビジネスモデルは、一部のライバルたちから激しい批判を浴びてきた。なかでもマクラーレンやフォース・インディアは、ハースにF1コンストラクターのステータスを与えること自体に疑問を投げかけている。

 しかし、ブランドルは、単純にBチームのコンセプトを禁止すればよいとは考えていない。従来からの独立系チームを守ろうとすれば、どうしてもBチームへの制約を厳しくすることになり、結果としてグリッドに並ぶ台数の減少につながるからだ。

「現状ではグリッド上に20台しかいない。それを維持するには、(ジーン・ハースのような)型破りな億万長者への配慮が必要であり、同時に自動車メーカー各社への配慮も必要だ」と、元グランプリドライバーのブランドルは言う。

「つまり、誰かを締め出すようなことはできないんだ」

「(F1のスポーティングディレクター)ロス・ブラウンは、F1の将来のためのテンプレートを何とかして見つけようと、おそらく来る日も来る日も頭を悩ませ、議論を交わしているものと思う」