DTMは2019年もDRSを使用。燃料流量リストリクターでの“プッシュ・トゥ・パス”も採用

 DTMドイツツーリングカー選手権は1月16日、2019年に採用される“クラス1”の新規定で争われるレースについて、リヤウイングの角度をレース中に調整できるDRS(ドラッグ・リダクション・システム)と、燃料流量リストリクターを使った“プッシュ・トゥ・パス”を採用すると発表した。

 DTMは、これまで長年日本のスーパーGT GT500クラスと車両規定統一化に向けて協議を続けてきたが、2019年からスーパーGTでも使用されている2リッター直4直噴ターボエンジンを採用。また、スーパーGTと同様の幅広のリヤウイングを使う。ただ、いわゆるデザインライン下部においては、DTMではダウンフォースを低減したものが使われる。

 そんな新シーズンに向け、DTMではレースを盛り上げるためのふたつの施策を用いることになった。ひとつめは、これまでも使われてきたDRSの採用。2018年までは幅の狭い2エレメントのリヤウイングが使われてきたが、シングルエレメントとなった今季もDRSが使われる。

 使用方法については、昨年までは前走車に対して1秒のギャップがあるときに作動させることができたが、今季からは3秒以内のギャップに変更。さらにレースの興奮を高めるべく、各レースの残り5周では、すべてのドライバーが前走車とのギャップに関わらずDRSをアクティブにできるという。

 また、スーパーGTでも採用されている2リッター直4直噴ターボの特性を使って、プッシュ・トゥ・パスシステムが採用されることになった。この規定のエンジンでは、燃料の流量を制限し、限られた燃料をいかに効率的に燃やせるかがカギになるが、一時的に燃料流量を増やすことで追い抜きのためのパワーに使うことができる。日本では、同じエンジン規定を使うスーパーフォーミュラでは“オーバーテイクシステム”として採用されている。

 DTMでは、レース中に一時的に燃料流量を増やすことでプッシュ・トゥ・パスシステムとして採用することになった。DTMでは、レース中12回システムを使うことができるとしている。

 また、DTMは今季の車両規定変更により、最低重量も981kgとなりパワーも増すことで、ホッケンハイムのパラボリカのセクションで、時速300kmを記録するだろうと予想する。また、ダウンフォースの低下、パワー向上により、よりエキサイティングなレースが展開されるだろうした。

「大幅にパフォーマンスを下げたエアロパッケージにより、よりドライバーのスキルと勇気にスポットライトが当たるはずだ」と語るのは、DTMを運営するITR GmbHのアキーム・コストロンマネージングディレクター。

 ちなみにDTMでは、今季の「大きな変更点」として、これまでフロントに設けられていたドイチェポストの“ナンバープレート”が左右に移動することを挙げている。今季から2リッター直4直噴ターボが採用されることで冷却に対する要求が増えたためだ。

BMWによる2018年と19年の規定の違いの説明。ターボ化によりナンバープレートがなくなり、ボンネットのアウトレットが拡大する。
BMWによる2018年と19年の規定の違いの説明。エキゾースト位置やフロントリップなどが異なる。
BMWによる2018年と19年の規定の違いの説明。リヤウイングはGT500同様幅広となる。
テスト中のアウディRS5 DTM。ターボ化にともないドイチェポストのロゴが左右荷移動した。