心臓部は750psのフルチューンRB26! 400mを9秒6で走破するストックボディのS30Z

心臓部は750psのフルチューンRB26! 400mを9秒6で走破するストックボディのS30Z

奇抜さよりも乗りやすさと耐久性を追求したドラッグスター!

RB26DETT+GT3037Sツインターボで750psを発揮

1969年にデビューし、世界累計で50万台も販売されたというフェアレディZ。キープコンセプトで設計された次世代のS130Zも含めると、その数はなんと100万台近くに達するという。

日本で販売された、S30フェアレディZの標準モデルに搭載されていたのはL20エンジン。スポーツカーとしてSUツインキャブが装着されるなど、発売当時はノーマルでも十分スポーツカーとして通用する性能を持っていた。

また、ホットモデルとしてハコスカGT-Rなどに搭載されていたツインカムのS20エンジンが搭載されたZ432などは、ナンバー付きながら当時のレーシングカーと同等以上のチューニング感を有し、群を抜く性能を発揮していた。

しかし、チューニングベースとして進化したのは、やはりL型エンジン搭載車だった。ここで登場するHS30のベースとなる240Zは、当初輸出用として設定されたL24エンジンを搭載し、Gノーズと呼ばれるフロントエアダムが純正装着され、パワー&空力を大幅にアップした形で販売されたものだ。

S30フェアレディZのそのスタイリッシュなボディと、セドリック・グロリア用や輸出エンジンとして、2800ccまで排気量が拡大されたL型エンジンを搭載していたことで、S30Zはデビュー以来チューニングベースとして人気を保ちつづけ、今なお、現役で活躍しているマシンが多いのである。

このHS30もそんな1台で、L型チューニングを極め、ある意味正常進化としてRB26DETTへの換装が行われた。

しかし、多くのクルマがRBエンジンへの移行とともに各部を急激にモディファイするのとは対照的に、このHS30のメイキングはある意味保守的。基本的には、冒険的なモディファイよりも着実な一歩を選び、尖ったものより安定した性能を選びながら時間をかけて熟成してきた。

そんな手法で時間はかけたものの、たどり着いたタイムはゼロヨンで9秒699と、ストックボディのS30Zとしては驚異的なレベル。そのタイムとメイキングのギャップ(!?)もある意味、このZの見どころと言えるかもしれない。


ピストンなど最低限のパーツで強化されている腰下に、GT3037Sをツインで装着して約750psを発生。もともとRB26を搭載するGT-Rにくらべ車重も軽く2WDであることから、エンジンの負担はGT-Rより少ないとも言える。タイヤさえ食えばその加速力は当然GT-R以上のものだ。エキゾースト系は、最後端のサイレンサー直前で集合する変わったレイアウト。エンジンパワーだけを上げるとタイムが落ちてしまうため少しづつ進化をしてきたということだ。

燃料温度にも気を使ってセッティングをしている。インタークーラーの後ろにレイアウトされているのは、オイルクーラーではなく燃料クーラーというから驚き。

ドアやフェンダー、リヤゲートなどFRPパーツを多用しボディを軽量化。パネルはアルミ製だ。

ミッキートンプソン社のストリートドラッグ用バイヤスタイヤ(ETドラッグ・DOT規格)を装着。サイズは26.0×10.5-15。駆動系はRB25ミッションにOS技研の5速クロスと3.7:1のファイナルで3速ゴール。1速が伸びるので、落ち着いてドライブできるそうだ。また、各部にストレスを逃がすためにあえてマウント類は強化していない。ドライブシャフトはZ31用。

サスキットは基本的には買ったときから‥‥という足まわりのスペックは自分でも詳しく把握していないとのこと。しかし、フロントの伸びを確保するためのBCNR33用のリヤスプリングを流用し、リヤにはフルピロの社外アームを入れるなど自分の感じる乗りやすさにはこだわって仕上げている。