モーテックに不可能はない! RB26の心臓部はもちろん電装パーツやABSまで完全掌握したフルデジタル仕様のサンマルZ!

モーテックに不可能はない! RB26の心臓部はもちろん電装パーツやABSまで完全掌握したフルデジタル仕様のサンマルZ!

モーテックの技術を証明する最先端ECUによる電子制御と技術移植

見た目は当時仕様のまま、究極の激速&イージークラシックを実現!!

ハイパフォーマンスなECUとして、レーシングカーにも多用されるモーテック。そのパフォーマンスが発揮されるステージは、レーシングフィールドに留まらず、ストリートを快適に走るためにも、多くの機能を活用することができる。

そんなモーテックの機能をフル活用して製作されたのが、ここで紹介するHS30フェアレディZ。右ハンドルなので気付きにくいが、新車当時オーストラリアに輸出され、数年前に日本に戻ってきた貴重な逆輸入モデルだ。

見た目は、当時からエクステリアカスタムがそのまま残されているが、実はこの車両は超ハイテク仕様。エンジンがRB26改に換装されているのはもちろん、リレーユニットを廃止し電装系はPDMユニットとの連動で完全制御。また、オートエアコンやパワステはもちろん、旧車チューンとしては画期的ともいえるABSの移植&制御まで行われている(チューンの内容は次のページを参照)。

ところでこの車両、実はAVO代表の小島さんにとって、非常に思い入れの深いもの。というのも、まだAVOを始める前のオーストラリア放浪修業(!?)時代に、現地で手に入れチューニングに染まるきっかけのなったクルマ、まさにそのものなのだという。

なんでも当時は、クライスラーチャージャー用の直6、4.3Lというエンジンを換装し、まだ珍しかったインジェクションによる制御に挑戦、その挑戦やその時の出会いなどがあって、今のモーテックジャパンの立ち上げにまでつながっているというから驚きだ。また、このフェアレディZでタルガ・タスマニアラリーに参戦した思い出もあるという。

ちなみに雑誌の写真は、当時オーストラリアのチューニング雑誌に掲載されたもので、多くのページを使って詳細に紹介されるなど、マニアを驚かせる仕様だったとのことだ。

そんな小島さんの原点となったサンマルZは、日本へ帰国する際、知人に預けられそのままに…ところが、その知人は処分せずに残してくれただけでなく、その保管環境もよかったため、この度日本に持ち帰り機関系を完全にリフレッシュした。

“スタイルはあえて当時のまま、中身は現在のチューニングカーとして、いつでも気兼ねなく乗れ、快適で速い”そんなコンセプトで、AVOのノウハウをフル投入、みごと現在に蘇った奇跡のチューニングカーなのだ。

取材協力:AVO

650psのRB26をモーテックM800で完全掌握!

この車両を見て、まず目に入るのは換装されたエンジンだろう。フェアレディZなどのL型エンジン搭載車にとっては、ある意味定番として受け入れられるようになったRB26DETTだ。

基本的には、オーストラリアでも開催されていたグループA仕様のRB26DETTに近いスペックで、グループA専用の純正形状ツインターボ、約650psを発揮する。

1トンちょいのボディ重量しかないフェアレディZ前期モデルにとっては、申し分のない出力だ。もちろん制御はモーテック、しかもフル制御に向けて最高峰モデルのM800を使用している。

しかし、この車両の見どころはエンジンよりも、むしろあらゆる快適&安全装備が投入されている部分。オートエアコンや油圧パワーステアリングはもちろん、なんとABSまで移植している。また、モーテックのオプションパーツであるPDMユニットを使い、ハーネス類を作り直すことで、ウインカーやブレーキ、ヘッドライトなどの灯火類まで、リレーを廃止してコントロールされるようになっているという。

もちろん、パワーステアリングも装備しているのでコンビニやスーパーでの駐車であくせくとすることもなく、そんな場面を凝視される心配もご無用だ。

室内には高性能メーターであるダッシュロガーの装備により、各種データのモニタリングやワーニングの確認ができるし、そのロギングも可能。そのデータを解析すればトラブルの解明や、ドラテク向上、タイムアップにも活用できる。ちなみに、ECU本体とダッシュロガーはCAN通信で結ばれている。

エクステリアに関しては、大きめの旧ポルシェ風ウイングや、シモーニのアルミホイールなどでモディファイ。当時気に入っていた部分とそうでなかった部分が混在しているそうだが、今ではあえて当時のままの姿を残したいと感じているそうだ。

モーテック・ジャパンの技術を証明する最強ECUによる電子制御と技術移植。見た目は当時仕様のままだが、中身は究極の激速&デジタル化を実現した、真なるネオ旧車というわけだ。

PHOTO:Hiroki Iwashima

エンジンはボアを広げた2.7L、オーストラリアで開催されたグループAに参戦していたBNR32の仕様に近いもので約650psを発揮。

モーテックや追加モジュールのPDM32などを使って電子系、電気系をフルに制御している。

ボッシュのイグナイターやパソコンとの通信ポートなど、旧車とは思えない装備が盛り込まれている。

ブレーキ系統はABSやキャリパーまで含めてGDBインプレッサからの移植を受けたもの。ハブにはABS制御のためのピックアップも装着されている。今後はこれらの信号を利用したトラクションコントロールなどへの制御の進展も検討している。

ステアリングラックはロードスター用を移植し、油圧タイプのパワーステアリングとして操作性を大幅にアップしている、

インテリアは劣化部分を修復したが、基本線ではオリジナルを保ちつつ、SDL3という追加メーターなどで情報を集約表示している。データロガーとして解析にも使える高性能メーターだ。

ワイドフェンダーや、スポイラーホイールなどは当時のまま。すべてがお気に入りというわけではないが、当時の形のまま動態保存し、気ままに乗れるチューニングカーに仕上げたかったとのこと。